『水上ワルツ』

九つのカケラの月が照らす舞台

めぐる風吹きすさぶ水の上
こどもたちが手をつなぎ走り回る
わたしはひとりでフネの上
数多のアニマの紐の音の
水上ワルツをきいている

めぐる藍にマリンスノウがつもる水中へ
おとなたちはたちまち沈んでいく
わたしもザブザブ水中へ
さむざむ色した水面への
つげる別れを詠ってる

二度と戻ることはなく
ワルツが終わることもなく
藍と白の世界で
水上に耳を澄ます

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