「ドフえもん、もび太と事故物件」
ここは日本のどこか、とある世田谷区池尻2-5-25の古民家。
今日もひとり泣きながら走って帰ってくる子が一人いるよ
おやおや、どうしたのかな?
「ドフえも~ん😭💦💦」
2階へ駆け上がるなり、深緑色の球体に抱きついてこう言いました。
『じゃがりあんに事故物件つかまされたんだよ!』
ドフえもんと呼ばれる球体は、赤いランプ付近から答えました。
【オヤオヤ マタナノカイ】
どうやらこんなことはいつもの事のようです
『契約を白紙に戻したい!手付金を取り戻したい!なんとかしてよ~』
おいおいと泣きながらもび太は一方的な事を言います。
【でも、内観もしたし、ツネ夫の立ち会いのもと契約したんだよね】
以前から話を知っていたドフえもんは、確かめるように言いました。
「内観も適当にしたし、契約書もぜんぶ見るのが面倒だったからパパっと契約しちゃったんだよー!それでも全部取り返して、何だったら少し懲らしめたいんだよ!」
慣れてるとはいえ、自分勝手な言い分にドフえもんは大きくため息をしました。
【【こんなやつでも助けなきゃ、地下に閉じ込められている妹が危ない】】
どうやら2人の間には秘密があるようです。
「何か道具だしてよー」
【事故が無かったことになればいいんなら、ぱらぱらっぱぱー、タイムズスクエアふろしき!】
【これを血しぶきが乾いた壁に使えば…】
「乾く前に戻って掃除しやすい!ってやだよ!」
【じゃあ、つけた所を透けさせるスケルトンフープ】
「それなら壁に埋まった骨を取り出せる!って気持ち悪いよ!」
「なんかそもそも無かったことにできないかな!」
【あんまりおすすめしないけど、もしもの世界に変えられるもしもしBOX~】
「そうそう、そういうわかりやすいの待ってた!」
【オススメはしないよ】
「わかってるよ、さっそく」
「もしも事故や事件の起こってる物件が無かったら」
その後、もしもしBOXからでたもび太の目に飛び込んできたのは、地平線が見えるほど遠くまで広がった平地でした。
【ホラ、だからオススメしないって言ったんだ。この世の全ての家で少なからず事件や事故は起こってるんだよ】
「そうだね、僕らにできることは家族や友人を大切に日々を生きることなんだね!」
おしまい
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