松井優征『暗殺教室』でモヤるところ

2020年1月27日加筆修正

いや、好きなんですよ。モヤるなので評論でも批判でもなくただの愚痴なんですが。

・社会についての考え

「君達はこの先の人生で...強大な社会の流れに邪魔をされて望んだ結果が出せない事が必ずあります」「その時 社会に対して原因を求めてはいけません」「社会を否定してはいけません」松井優征(2016)『暗殺教室 20巻』集英社 15ページ

やり過ごしてそのあと社会の奔流のなかを自分なりに泳ぎなさい。いつも正面から戦わなくていい。焦らず腐らず試行錯誤を繰り返せばいつか必ず結果が出る。

という殺せんせーの最後の教えは、もうすこし説明してもよかった気もする。強大な社会の流れに邪魔をされる、の例が会社っぽいところの会議室で計画が通らない、だったけど、わたしは、正直社会の流れで邪魔されていると感じるのは、不健康で貧乏なのに福祉や医療費が削られ働くほども動けず飢えて死ぬみたいなことなので、社会や政府に原因を求めないことはできない。社会を変えられないと言いきっていいものかなと思う。少なくともE組の生徒は殺せんせーが爆発する確率をたしかめ、それがかなわなかったけれども、彼らは殺せんせーを救済することはできた。そしてエピローグの未来では彼らが社会で意義あることをやっていることが示される。殺せんせーは社会に与える影響をちょっとでもいい方向にした1人である。殺せんせーには時間がなかったから駆け足で教えざるを得なかった訳だが。

・殺せんせーへの好意
最終的にニセ律を含めたE組のみんなが殺せんせーが大好きになるわけだが、1人くらい嫌いな人がいても良かったと思う。教員の仕事は生徒に好かれることではなく、好意を持たれていないけど信頼される指導をすることだと思うので。巨乳あたりはビミョーだけど、殺せんせーはいい先生だからいいんだけど。

松井優征が考えたなりのフィクション上の理想の教員、教室だから、現実に沿ってる必要は無いんだけどね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?