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今日の日はさようなら

石つぶてが空から降ってきた。ん?今、初めて見たのによく一瞬で石つぶてだって判断したな。ん?石つぶてという言葉はポケモンの外の世界で存在するのかん?そもそもなぜ石つぶてが降ってきてるんだ?まさか宇宙からのメッセージか!あれ、本当に読めるぞ!
「ホシリクニンンャ」
未知の言語かよ。結局日本語しか勉強してこなかった俺にはわからないんだ。そんなことないだろう、誰だって一度は未知の言語を習得したはずじゃないか。ならば今回もしてやろうではないか。ここで俺はある重大なミスに気が付いた。この未知の言語がカタカナを使っていることを見落としていたのだ。これは未知の言語ではない、暗号だ!だとしたら誰が何のために、そのときだった。俺は重大なミスを犯したことに気づく間もなかった。頭に石つぶてが直撃した。そして、日本と石の民、おっと失礼、日本と医師の民の戦争が始まったのだった。
医師の民は残虐・嘲謔・謀大逆、ぎゃくの付くものはすべてやった、別名を残忍な処刑を淡々と行うことから赤十字社という。あまつさえ、それを誇りに思って、処刑の様子を旗にしてしまうのだから、その悪役っぷりには拍手を送らざるを得ない。それに引き換え、日本はなんて優しい国なんだろう。その証拠に日本の旗は清らかな場所で痛みを感じないようにスパッと切った首の痕を神の視点で見たものなのだ。
戦争が始まったが、戦闘は退屈なのでさっさと飛ばそう。医師の民の領地に雷が落ちた、電線が切れ、家が燃えた。ランドマークである首相官邸、国会、最高裁判所、赤十字病院が入っている白い巨塔を竜巻が吹き飛ばした。神の国には勝てないからね。そしてお待ちかねの処刑タイム。唯一生き残った陸軍大将のための時間が始まった。白銀の晴れ舞台、陸軍大将は雪の衣を身にまとっていた。神に戦の勝利を感謝する歌と踊りが始まった。
とうぃーとと ととうぃーとうぃー うぃーとうぃーと ととうぃーとうぃー とうぃーうぃーと とととうぃー とと。
一転静寂に包まれる。最後に言い残したことはないかと執行人が聞く。陸軍大将は一息に言った、じゃんけんならば勝っていたのに、と。ふふっ、宣戦布告に石を使い、自分の頭を石頭と言う、さすが医師の民らしい自虐である。彼の意志の固さに拍手を送ろう。執行人が習わし通り両刃を首にあてた。次の瞬間、執行人が両手を胸の前で合わせると、大将の首が飛んだ。執行人はそのはさみで大将の首を持ち去り、歌い手、踊り手、観客とともに舞台を後にした。俺は初めて日本国旗を見ることができた。


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