見出し画像

おりつむぐの羊毛

いつもこの時期になると羊さんの毛が恋しくなり、ふわふわもふもふに包まれたいと思いながら羊毛を触ってしまいます。暖かくて可愛い羊さんは私たちの大切な素材です。今回はそんな羊毛について…

おりつむぐの羊毛

私たちの羊毛は愛媛県産です。
羊と共に暮らしている方のところで毛刈り体験や羊毛について教えて頂きながら、試行錯誤してものづくりをしています。

花澤家族農園 - 花菓舎(かかしゃ)

毛刈り体験

おりつむぐMaiが去年春に訪れたのは、愛媛県しまなみ海道の途中「大三島(おおみしま)」にある『花澤家族農園 - 花菓舎(かかしゃ)』さん。
化学農薬・肥料を使用しない自然農法で柑橘や野菜、たまごを生産、コンフィチュールや焼き菓子などを製造・販売されています。

そこでペットとして飼われている羊さん「リオンくんとこうめちゃん」の毛刈りを体験しました。

以前、リオンくんの羊毛を分けていただいたご縁があり参加させていただきました。

花澤さん家の毛刈りは、ハサミでチョキチョキと切っていきます。

まず、羊さんをおびき寄せて捕まえ脚を持ちます。お尻をつかせ動けなくなるようにして羊さんが暴れないようにします。
一人が頭と前脚を抱えて、もう一人が後脚を持ちます。その他の人は少しずつ毛を切っていきます。

毛を切る時は伸ばしすぎると肌がついてきて危ないので、あまり引っ張りすぎないようにして傷つけないよう注意しながら切っていきます。ある程度切り終わったら体の向きを変えて、反対側を切っていきます。

最後に敏感な顔と首の周りを切ったら終了です。

オーストラリアでは毛刈り職人さんがいて、速さを競う大会もあるそうです!

場所によって毛の質感が違いました。毛刈りは羊さんの体調を見る機会でもあるようで、歯のチェックなどもしていました。

羊さんによって変わりますが、おおよそ3kgの毛を取ることが出来ました。すっかり涼しげにひとまわり小さくなっていました。

羊さんにとっても毛刈りは重要な作業で、重い毛皮を春頃に取ります。軽くなった羊さんは清潔になって1年を過ごします。

羊毛になるまで…

遊牧民が羊さんを連れて生活しているのは、草を根っこまで食べないからという説もあります。羊毛を使って衣服や住居を作り、食すこともできる羊さん。遊牧民にとってなくてはならない動物だといえます。

ちなみに似ている動物の山羊さんは根っこまで食べるので、最近では雑草取りに大活躍しているらしいです。

毛刈りをしてすぐの羊毛は油分やゴミが多くあります。何度も洗って汚れやゴミなどを取り除きキレイにして毛並みを整え、ようやく皆さんが知っている白くてふわふわしている羊毛になります。

おりつむぐの羊毛は3回ほど洗いをして、カーダーという道具で洗っても取れないゴミを取り除きます。カーダーは毛並みを揃えることも出来るのでフワッとした状態になります。

羊さんによって油分が多いものや色も色々です。私たちはそういった素材そのままを大切に届けたいと思い、少し粗い状態で使用しています。

糸紡ぎとフェルティング

ふわふわの状態になって、ようやく糸や羊毛フェルトとして使用出来ます。
羊毛を糸にするには糸車やスピンドルといった道具が必要になります。

糸車は足でペダルを踏んで紡いでいきます。極細から太糸まで作ることが出来ます。

スピンドルはコツさえ掴めば手軽に紡ぎ糸を楽しめる道具です。おりつむぐキットとして販売もしていますので、気になる方はコメントやメールなどで問い合わせて頂ければと思います。

フェルトにするにはニードル針でチクチクと刺して毛を絡めて人形を作る方法と水フェルトがあります。

おりつむぐでは水フェルトで地球や身体に優しいものづくりをしています。羊さんの毛にも人間と同じようにキューティクルがあります。その成分をお湯と石鹸で剥がし、擦り合わせる事によって毛を絡めてフェルト化をさせ固めていきます。

セーターなどを洗濯機に入れた時に縮んだ経験ありませんか?その現象がフェルト化です。羊毛は擦る事によって固くなり、密度が増して暖かくなります。

羊さんは可愛いだけでなく、私たち人間にとって大切な素材も提供してくれます。
機会があれば、羊さんの種類やその他の毛素材についてもお話したいと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?