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足の構造~足のアーチ基礎編~

どんな治療を行うにも、基礎がしっかりしていないといけません。

今後noteに関しては、自分の知識の整理の為に投稿していきたいと思っています。

情報の整理をしアウトプットする場として活用していくので、興味がある方は是非読んでみてください。


足は、歩行や走行の衝撃を吸収するため、そしてその形を変えて地面に適合するためにも、しなやかかつ力強く前進するために、硬くないといけません。

この衝撃吸収の為のしなやかさ、そして硬さは、一見、相反する機能のように思えますよね。

しかし、正常な足であれば、関節、筋、結合組織の相互作用を駆使することで、これらの機能を発揮することができます。
つまり、足はしなやかで硬くないといけないということです。

そんな正常な足の機能を保つためには、まず足の構造をしっかり理解する必要があると思います。

その為、今回は足のアーチ構造の基礎的な部分をお伝えしようと思います。

1.足のアーチ構造

足のアーチ構造は足固有の骨格形態と強靭な靭帯、および足部の外在筋と内在筋とが相まって形成されています。

一般的に足のアーチといえば、扁平足などでよく知られる足の内側にあるアーチ(土踏まず)ですよね。

しかし、足のアーチには内側と外側の2つの縦アーチ、前足部の横軸アーチの3つから成り立っています。
※内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つで構成されています。

そして、3つのアーチは骨の配列や筋肉、靭帯、関節包など多くの組織で支持されています。

歩行においては、これらのアーチがスプリングの役目を果たし、衝撃を吸収し、歩行をスムーズにしています。

足のアーチは個人差はありますが、一般的に3-4歳頃から足にアーチが出現すると言われています。
※最近は子供でもアーチが低下している人いますよね。
大人でもちゃんとアーチが機能している人ってほとんどいない気がします。


内側縦アーチ
距骨ー舟状骨ー楔状骨ー第1~3中足骨
外側縦アーチ
距骨ー立方骨ー第4.5中足骨
横アーチ

両足での立位では、体重の垂線は両足の舟状骨を結ぶ線の中間に落ちます。
※内果の少し前くらいですね。

その為、足関節は外がえし位を矯正されますが、これに対抗して内がえし筋である、後脛骨筋、長趾屈筋や長母指屈筋などが緊張し、体の安定性を保持する働きをしています。

これらの筋群はすべて足部の内側より足底に回り込みながら足底部に付着している為、アーチを保持する重要な役割をしています。

また、立位で足部にかかる体重は距骨を経て、3方向に分類されます。
その2/3は踵骨の後方へ、そして残りの1/3は前足部の内側と外側のアーチ構造にそって分散されます。

立位では各々の中足骨頭にかかる分圧は、第1中足骨頭は2/6でその他の4つの中足骨頭には各々1/6ずつになります。

赤:内側縦アーチ 緑:外側縦アーチ 青:横アーチ

2.アーチの役割

アーチの役割は大きく分けて以下の3つあります。

①体重を支える
石橋のアーチ構造と同じ原理で大きな質量をしっかり支える

②バネの役割(踏み返し運動の補助)
重心の移動をスムーズにし地面の蹴り出しをサポートする

③クッションの役割(衝撃吸収作用)
着地した時の衝撃を吸収・分散する

すべての役割がしっかり機能している人は何人いるでしょうか。
私が思うに、ほとんどいない気がします。
というより、まだまだ足に関心がないだけなのかもしれませんね。

3.足底腱膜の役割

足底腱膜

次は足底腱膜の役割についてです。

足底腱膜とは、「踵の骨から足の付け根にかけて、強靭な繊維状の組織である腱が膜のように広がっているもの」と言われています。

踵骨隆起から起始し、遠位部で5つに分かれて各趾の基節骨に付着する足底筋群を覆う腱膜です。

足底腱膜は
強靭な中央部分(central component)
非薄な内側部分(medial component)および外側部分(lateral component)
の三つに分けられています。

強靭な中央部の腱膜の両側からは、矢状に走行する内側足底中隔と外側足底中隔が分岐しており、これらの中隔により足底筋群は3つの筋区画に区分されます。

また、前足部には浅横中足靭帯、横線維束、縦走線維束などが存在しているため、非常に複雑な構造をしています。
この辺の解剖学についても詳しくまとめていきたいですね。

歩行との関連でいうと、足底腱膜は歩行立脚後期に足趾背屈により他動的に緊張が高められる巻き上げ効果(ウィンドラス機能)により内側縦アーチを挙上するとともに足部の剛性を高め、推進力に寄与しています。
※これはとても大切な役割です。

先ほどアーチには3つの役割があると伝えましたが、この3つの役割の弾力性を発揮するのが「足底腱膜」です。

足底腱膜は「足のアーチを保つ機能」「正しく歩く補助をしてくれる組織」であり、「トラス機構」と「ウィンドラス機構」と呼ばれる重要な役割を担っています。

4.トラス機構

では、トラス機構とは何か?というと

トラス機構は「荷重時における足部の衝撃緩衝作用」として定義されています。

足部を矢状面から見た際、足部の骨と足底腱膜で構成される三角形の上端は骨構造で硬く、底辺は足底腱膜で柔軟な構造になっています。

そのため、荷重時には足底腱膜が伸張して衝撃を吸収します。


歩行との関連でいうと、トラス機構は歩行立脚中期で特に重要になります。

立脚中期では距骨下関節およびショパール関節は外がえし、リスフラン関節は背屈するため、この関節運動の連鎖によって足底腱膜はより伸張され、トラス機構の重要な役割である衝撃吸収を最大限に発揮することが可能となってます。

5.ウィンドラス機構

次にウィンドラス機構についてです。

歩行や走る動作において、踵離地から足趾離地にかけてMP関節は背屈位となります。

その際、足底腱膜は趾骨に付着するため、MP関節の背屈運動によって足底腱膜の緊張は増加します。

この足底腱膜の緊張の増加によって、中足骨と踵骨は引き寄せられ、足部アーチは高くなるというわけです。

この作用をウィンドラス機構(効果)と呼びます。

足底腱膜の緊張を増加して足部剛性を高め、推進期の力伝達効率を上げる役割を持ち、歩行時の足部の安定性を高め、推進力の補助をする機能のことを言います。

足底腱膜が緊張して足のアーチが上がると同時に安定性が増すことで、踵が上がりやすく(バネの役割)なります。

6.アーチが崩れると…

これまで足のアーチに関することをまとめましたが、これらの機能が低下しアーチが崩れてしまうとどうなるでしょうか?


足のアーチ構造は内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つで構成され、母指球・小指球・踵と3点が支点となり骨のアーチ構造を作っています。

つまり、3つの内1つでもアーチが崩れてしまうと足全体のバランスが悪くなり、他のアーチが崩れる要因になってしまうのです。

そして、アーチが機能しなくなった足においては、クッションやバネの役割が失われているため、多くは疲れ易く、歩きにくいといった症状を伴うようになります。

その結果、身体に様々な悪影響を引き起こしてしまう原因になってしまうのです。

つまり、外反母趾をはじめとした扁平足や開張足などの足の障害はすべてこのアーチ構造の破綻により生じていると言っても過言ではありません。


・参考資料
Donald A.Neumann 『筋骨格系のキネシオロジー』医歯薬出版株式会社 2012年 862ページ

ThomasC.Micaud 『臨床足装具学 生体工学的アプローチ』医歯薬出版株式会社 2005年 226ページ

藤井英夫・前澤範明 『足診療マニュアル』医歯薬出版株式会社  1989年 232ページ

片寄正樹・小林匠・三木貴弘 『足部・足関節 理学療法マネジメント』MEDICAL VIEW  267ページ


今回の記事は以上となります。
今回は足のアーチの基礎について大まかにお伝えしました。

今後は更に細かく、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチについても投稿していこうと思います。


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