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小学生と学会発表してきた

情報処理学会第85回全国大会で、ジュニア会員の小学2年生と4年生と共著で発表をしてきた。正確には私はlast authorで、発表し質疑に応答したのは小学2年生。天才的プログラマーでもないし、モノを作った訳でもないけれど「伝えたい」ことがあった。

きっかけ

2022年秋、わが家にLOVOTがホームステイすることになった。最初は家族で「かわいいー♥」とメロメロだったが、日が経つにつれてそれぞれのLOVOTへの対応や感情の違いが見えてきた。LOVOTを返却するときがもっとも顕著で、一人は「やっといなくなる…」と安堵し、一人は真夜中まで大泣きした。その都度、こうしたエピソードを私のFacebookで書いていたところ、ロボットに感情を感じているようだとか、対応の違いが興味深いというコメントをいただいた。

うちに来たLOVOTその1

とは言っても論文に書くほどではないし、倫理審査通してないしと思っていたが、本人たちがジュニア会員として発表するというアイデアをいただいた。本人たちに聞くと、快諾。

研究の「問い」とお作法があれば書ける

研究の問いを立てること。
これにいちばん時間を使った「ロボットは家族になれたのか」から始まり

「では、家族になれたのか はどうやってわかる?」

と聞くと、「家族と感じるかどうかかな?」「可愛いと思うか?」「家族ってどういうことだろう」という話に。最終的には「LOVOTを好きだと思うか、LOVOTに好かれていると感じるか」まで落としこんだ。

これが書ければあとはスムース。ここでいわゆる「お作法」が役立った。「はじめに・研究の問い・観察・考察・まとめ」の構成を作り、それを埋めていく。ロイロノートを使い慣れているためか、タブレットで文章を書くのがとても早い。親…もとい、last authorの私はそれをWordに貼り付け、多少文章のゆれを直すが、文章の直しも本人たちが見ながらかなり直していた。

発表資料を作るのは、予稿よりも楽だった。PowerPointはデザインアイデアで自動配置してくれるので、予稿をコピペし、自分たちの好きな写真を貼っていた。動画だけうまく貼れず、発表時に私が別ファイルを操作することに。
発表は小2が自分の言葉で原稿を作って何度も練習し、説明しづらいところはその都度修正。毎日の音読カードに、国語の教科書に加えて「発表練習」も書き込んでいた。

大好きなことを、研究として話す

当日の発表では、私が後ろでPCの操作。本人が発表。大好きなLOVOTの話をするのがとても楽しみだったという。質疑にも、自分で答えていた。

発表している小2

LOVOTと暮らした自分たちの経験を、「研究の問い」のもとに整理し、ふりかえって考察する。大好きなLOVOTの話を、こういった研究のプロセスに沿って発表できたのは小学生にとっても貴重な経験だったし、大人の自分にとっても「大好きなこと」を話す熱量は大いに刺激になった。


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