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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-09- 1999年 七夕首位も4位で終了】

(写真 ベンチで指揮を執る山本功児監督(右から2人目、右から小野和幸コーチ、佐藤兼伊知コーチ、筒井良紀コーチ)


(9)18年ぶり七夕首位も、連敗喫して4位転落

【1999年スローガン『フォア・ザ・チーム』】

【開幕前評価】

 近藤昭仁監督に代わり、二軍監督の山本功児氏が監督に就任した。若手が台頭しつつあるチームは二軍で中心となった選手も多いだけに、育てた山本監督への手腕に期待された。
 前年2年連続最下位に終わったものの、投手力、打撃力とも数字が上がり、戦力が整いつつあることは明らかだった。投手陣では小宮山と2タイトルを獲得した黒木の2本柱に8勝した武藤、クロフォードが中心。これにベテラン園川、若手の薮田、後藤、ルーキーの小林雅、川井らに先発が託される。18連敗の一因となったリリーフ陣は抑えに故障から復帰した河本、ウォーレンを配し、吉田、藤田、近藤が抑えにつなぐ。打撃陣では二塁堀、三塁初芝、遊撃小坂に5年目の福浦が一塁に固定できるメドが立った。外野は昨シーズン7年ぶりに3割を記録した平井に、諸積、規定打席には到達しなかったものの.320の佐藤幸、.286の大村に新外国人のフランク・ボーリック、ブレント・ブレイディ―が加わることになる。
 キャンプはマリーンズとなって以来一次は7年間アメリカで行ってきたが、今シーズンは一次から鹿児島で行なった。
◆オープン戦成績 15試合8勝6敗1分(.571)

【4月 10勝10敗】

 開幕は3日のオリックス2連戦(神戸)。開幕投手は自身初となる黒木がマウンドに上がった。3回までに4点を失い打線も追い上げ黒木完投も2-4で黒星。翌2回戦は小宮山が9回1失点も1-1で延長へ。2イニング目となったウォーレンが11回にサヨナラを許し、連敗スタートとなった。
 6日からはダイエー3連戦(福岡D、北九州)。初戦を落とし3連敗としたものの、北九州での翌2回戦は打線が爆発。3回、打者16人で球団新記録(当時)となる11得点。終わってみれば22-2で圧勝し山本監督初勝利。さらに福岡Dに戻った3回戦は薮田‐小林雅‐河本‐藤田‐ウォーレンとつないで8-5で連勝した。戻り開幕となった9日の日本ハム1回戦も黒木‐ウォーレンとつないで3-1で勝利。3連勝して開幕3連敗を取り返した。
 続く2回戦は敗れ、13日からのオリックス3連戦(千葉マリン)も初戦に敗れたものの、4回戦は小島、5回戦は近藤とリリーフ陣が踏ん張り連勝。16日からの近鉄3連戦(大阪D)は1勝2敗と負け越したものの、20日からの西武3連戦(千葉マリン)に薮田、黒木、小宮山で3連勝、貯金生活に突入する。
 しかし、勝ち越しペースが続かない。3試合を雨で流して27日からの西武3連戦(西武D)を1勝2敗、30日の近鉄4回戦(千葉マリン)に敗れて4月を終了。10勝10敗の5割で終えた。

【5月 11勝11敗1分/21勝21敗1分】

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