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“隻腕”クライマーのパラクライミングTALK⑥

片腕のクライマー・大沼和彦が主催する、パラクライマーたちによるインスタライブ。日曜日の夜に不定期でゆる~く開催。悪ふざけだったり、パラクライミングへの熱い思いだったりが繰り広げられています。

今回は、パラクライミングを普及させるために何ができるかという話。ワールドカップでメダルを獲得した実績から、思わぬ打診を受けることに!


▼金メダルを獲ると広がる世界

大沼和彦(AU1):大内さん、ワールドカップ・ヴィラーレ大会(スイス)お疲れ様でした。かっこよかったです。ライブ中継っていいですね。決勝しか ユーチューブ配信されないじゃないですか。面白そうな壁だったな。

大内秀之(AL1):今回もスイスに行ったとき、車いすバスケの友達がわざわざ来てくれて。ユーチューブが決勝しかないのはおかしいって言ってインスタライブをやってくれた。でも、もう終わったことやしな。

大沼:次に向けて進んでいくしかないですね。

大内:金メダリストやからな、大沼くんは。  

大沼:続けていくことを考えると、パラクライミングの人口を増やしていきたいなと感じます。なかなかクラスが成立しない。体調はどうですか?

大内:帰国してからは1回も登りに入っていない。もう隠居や(笑)

大沼:片岡さんはジャパンシリーズには出る?

片岡雅志(AL1):出ます!こないだ診断書を書いてもらって。先生に「お前、メダル取ってくる自信あるか?それなら書いてやるよ!」って言われて。

大沼:大内さんや畠山さん、平井さん、ほかの“車いすクライマー”たちと戦うわけですね。

片岡:どこでも行きます!

大沼:ワールドカップ・インスブルック大会(オーストリア)が終わったあとに、自分が住んでる笠間市の市長さんに報告に行った。

大沼:そのとき、バラクライミングとかパラスポーツに関するイベントをぜひやってください、と市長から声がけいただいた。クライミングだけじゃなくて、ほかのスポーツも一緒に体験できるようなイベントをできたらいいですねって。パラスポーツにすごく力を入れてくれている市長。企画とか、いろいろ考えないといけない。おととし、まちにスケボーパークができて、そこでイベントができないかって。自分もキャンパラバトルで、大内さんが作ってくれたしおりみたいなやつをもとに、1個1個考えていきたいと思っているが、なかなか時間がない。

大内選手が企画した“車いすクライマー”たちによる「キャンパラバトル」

大沼:それとコロナが流行ってきてしまって、それも心配。海外にいたときはみんなノーマスクで、あの感覚は幻だったのかな。

大内:夏のイベントも何年振りってやってるけど、やってるからいい気がするけれど、報道見てるとやばい感じもするし。どうしたらいいんだろうね。

大沼:ひとつひとつちゃんと説明できる形が取れれば問題は抑えられるのかなって思うが、なかなかそれを考える頭が難しい。おかずチャンネルのスタッフもやるなら協力するって言ってくれて。パラクライミング含めてパラスポーツを広げていきたいし、障害がある人もない人も、ともに楽しめるイベントをやっていきたいですね。

大内:難しくないんよ。難しく考えるから難しいのであって。大会をやろうって考えるとお金もかかるし、人も集めなきゃいけなくなるから、何かのついでに何かできんかなーって考えるのがいちばんカジュアルかな。スケボーパークみたいな場所があるなら、できそうなもんだけどね。

大沼:クライミングの壁を仮設で立てて、市がお金を出しますよって言ってくれて。なんならジャパンシリーズもやれたらなあと。

大内:やり方はなんぼでもあるよ。

大沼:“やるか・やらないか”。

大内:やれないことはないよ。キャンパラバトルできてるんだから。

大沼:あんな感じでできたら理想的ですね。

大内:市長さんは早くやってほしいんちゃう?

大沼:市長さんはすぐ企画してやりましょうっていう熱量だったんですよ。自分の住んでるまちは福祉に力を入れてるまちで。つい最近、スポーツ省の室伏広治さんに市長さんが会っている。パラスポーツを広めていきたいが、それにあたってまず何から始めたらいいかがわからないって言っていて。なんならパラクライミングの協会に足を運びますよって言ってくれていて。いま熱いうちにできるのがいちばんだなと思ってます。

大内:予算を考えたり、いつ空いてたりとかは、いま空いている日をピックアップして、いつやるか。別に関東の人間だけでやってもいいし、場所さえあればみんな来てくれる。壁を建てるんだったらいくらかかるか?関東の業者に誰かいないか投げてみてもいいよね。それがいちばんの問題やろ 。

大沼:壁は、自分の高校の先輩がジムをやっているので、3~4メートルのボルダー壁を立ててイベントをやったりしてるんですけど、協力してくれるかな。

大内:いくらでやってくれますかって聞いてみたらいいやん。現場に視察に行って、いつ空いてるか確認して。屋外だから最初から大会じゃなくて、体験イベントしますって地元の人に来てもらって。片腕でやったり、片足でやったり、アイマスクをしたりを体験してもらって。まずそこからでいいんじゃないかな。それで先輩のジムの割引券とか置いたらそれはそれで貢献になるし。

大沼:先輩と相談してみる。

大内:最初は体験型のイベントでいい。それを段階的に大会にまでもってけばいいじゃない。

大沼:早速相談してみようかなと。

大内:やる気になれば年内にもできるよ。

▼ただ遊びたい人と遊んでいるだけ

濱ノ上文哉(B2):SUP(スタンドアップパドルボート)をしてきました。楽しいですね。

大沼:立つのも大変そうですね。

濱ノ上:でも思ったより安定していた。三点倒立くらいはできた。現役のブラインドサッカーの旦那さんと、元代表の奥さん夫婦と一緒に行ってきた。

大内:何で知り合ったの?

濱ノ上:最初はユニバーサルレジャー協会という健常者も障害者も集まって一緒に遊びましょうという。そのスタートアップのイベントでゲストスピーカーとして俺が呼ばれて。そこで、奥さんもゲストスピーカーとして呼ばれていて。川下りとかSUPとか全盲の旦那さんとやっていて。今度一緒にSUPやりましょうよって声をかけて。そしたらぜひ。

大内:ちゃんと普及させてるんじゃん!

濱ノ上:ただ遊びたい人と遊んでいるだけですけど。彼女もクライミングシューズをついに買いまして、クライミングデビューですね。ブラインドの天才女子なので大きく期待しています。めちゃくちゃ運動神経高いので。運動神経高い盲人3人が集まるとなかなか楽しかったです。ガイドが引いてた(笑)

大内:SUPは怖いわ。車いすのSUPに誘われたことがあって。車いすの人とやりたいんですって相談されて。でも俺、水が怖いから。いいお話ですね〜って言って流してしまった。

濱ノ上:あ~水だけに(笑)

大沼:車いすでSUP!

大内:でっかいビート板みたいなやつやで。

濱ノ上:でっかい厚めのボードで、波がなくても楽しめる。SUPの上でヨガをしたり。

大内:俺はビーチ(※濱ノ上選手の愛称)の投稿で楽しむわ。

濱ノ上:ボードの上で押し相撲しましょうよ。それはもう“やるか・やらないか”でしょ。

大内:“やらない”よね。

濱ノ上:今回も押し相撲やってきたが、3人とも体幹が強すぎて全然落ちない。湖で波もないし、落ちてもケガしないし、水辺だから障害物もないしアクセスしやすいし、意外と障害者向け。

大内:溺れる人はどうすればいいの?

濱ノ上:ライフジャケット着ますから。

大内:怖いわ、パニックになるわ~

濱ノ上:大丈夫、俺が人工呼吸しますよ(笑)

大内:それがいちばんワクワクするわ…

(了)

▼障害別クラス分けについてはこちらの記事を↓

▼“パラクライマー”大沼和彦【日曜日のインスタライブ】22年7/24

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