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太田椋の可能性について/2021オープン戦レビュー②

みなさんこんにちは。いっちです。
いよいよ今日でプロ野球開幕ですね。昨年の11月から、長かったようでキャンプ以降はもうあっという間という感じでした。笑

今日は前回に引き続き、オープン戦のレビューとして太田椋選手をフィーチャーしていきたいと思います!

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昨年までの太田椋

太田椋選手はオリックスの地元大阪府羽曳野市で、元近鉄の選手で現在はオリックスで打撃投手をしている太田暁さんの息子として生まれました。中学時代から日本代表に選ばれ、奈良県の名門天理高校でショートとして活躍するなど、アマチュア時代からその実力を発揮し、2018年ドラフトでオリックスから1位指名を受け、入団しました。余談ですがオリックスが1位で指名しなかった場合、阪神タイガースが2位で指名を狙っていたとの噂もあり(結局阪神は延岡工業高の小幡を指名)、他球団も太田を高く評価していたことが伺えます。

太田椋の魅力は以前のnoteでも紹介した通り、バッティングでしょう

それぞれ昨年の9月20日と今年の2月23日のホームランですが、前者では京セラドームの5階席に叩き込み、後者ではやや内寄りのボールをライトへのホームランにするなど、決して大柄ではない体格から広角に凄まじい打球を飛ばしています。
また脚力もプロ屈指とまではいきませんが平均以上はあり、守備も安定しているので二塁手としてはまずまずと言えるでしょう。

しかし昨季までの太田選手には怪我という不運が付き纏いました。ルーキーイヤーは一軍昇格を目前に控えた試合で死球を受け骨折、昨年はオープン戦直前で足の故障、一軍でスタメンの機会が増えてきた9月末に相手野手との交錯で肋骨の骨折など、怪我との戦いとも言える2年間でした。しかしながら試合に出れば結果は残しており、1年目は打者地獄と言われる舞洲を本拠地とする二軍で64試合で60安打、打率.258にOPS.743と高卒ドラ1の実力を発揮し、2年目の昨季は一軍で少ない打席数ながら3本のホームランを放つなど強い存在感を放ちました。

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練習試合とオープン戦で見えたもの

この記事にあるように昨年のオフ、太田はパワーアップを掲げ体重を84kgから87kgに増やし持ち味の長打力に磨きをかけ、目標を規定打席到達と15本塁打に定めレギュラー獲得を目指してきました。

キャンプでも打撃練習で柵越えを連発するなど序盤から好調をアピールしており、
対外試合の第一打席でロッテ石川歩からライトへ本塁打を放ち、翌日の西武戦では十亀、上間、増田相手からヒットを記録する4打数4安打、さらに翌日は西武の開幕投手、高橋光成からフェンス最上段に直撃するツーベースを打つなどもう手がつけられない状態で、紅林と並んで連日オリックスファンの話題をさらっていました。

練習試合期間中、Yahooのスポーツナビでの速報はないので一球ごとの詳細なデータは集計できなかったのですが、打席結果のみの簡素なデータは手元にあるので見てみると、

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このような成績になりました。とにかく打ちまくっている、ということ以外にコメントができないので次はオープン戦のデータを見てみましょう。

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※参考までに2020年パリーグ平均値
四球率9.6% 三振率19.8% 空振り率9.9% Bスイング率26.7% 初球Sw率25.0%

練習試合期間の好調から一点、絶不調に陥ってしまいました。初球スイング率やファーストストライクのスイング率、P/PA(1打席あたりの平均被投球数)の通り、超がつくほど積極的なアプローチを打席で見せるのですが、コンタクト能力や選球眼が不調時はそれほど良くなく、淡白な凡退が目立ちました。つまり太田の打撃スタイル上、調子が良ければ数字もかなり伴う一方で調子が落ち込むととことんダメになってしまうタイプではないでしょうか。

しかし、私はこの打撃スタイルを崩してはいけないと思っています。なぜなら、今のオリックスで初球から強く振ることのできる日本人打者は主軸にはおらず、逆に吉田正尚や福田周平、安達了一など慎重なアプローチを試みる打者が多くなっています。例えば吉田正尚選手と2,3番でコンビを組むことができれば2番の吉田が粘って出塁した直後、ストライクを取りにきた初球を太田が弾き返すなど、待球型打者の多い中で超積極的な太田がレギュラーになれば相手バッテリーも負担が増加し、得点力が数字以上に増えると考えられるので、彼にはこの打撃スタイルのまま大成してもらいたいです。

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飛躍に向けて

なぜオープン戦で打撃が落ち込んでしまったのか、打撃スタイルそのもの以外にあるとするなら「経験」だと私は思います。

前述した通り彼のプロ2年間は理不尽なアクシデントとの戦いでもあったため、一軍での打席数が実力やチーム事情の割に少なく、まだ経験が足りないのかな、と見て取れた打席が多かったように思えます。オープン戦で代表的だったのが3月12日の巨人戦、9回裏サヨナラのチャンスで初球をファウルフライにしてしまった時も、浮いてきた変化球を仕留めきれなかったという感じの打席でした。この課題を克服させるためにはとにかく高いレベルでの打席数をこなすしかないので、レギュラーとして固定されるであろう今年一年でどこまで成長するか、期待がかかります。

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最後に

低空飛行が続いていましたオープン戦最後の3試合で強力な投手陣を擁する阪神相手に13打数4安打と復調の兆しを見せ、最後の打席では内野ゴロになったものの直前にはライトポール際に捉えた当たりのファウルを打っており、トンネル脱出はもう目の前、という印象を多くのファンに与えたと思います。

今日の開幕戦でもその打棒の爆発、そしてシーズンを通して目標としてきた規定打席と二桁本塁打を是非達成してもらいたいところです。


この記事はここまでにします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回更新は未定ですが、書きたいものが浮かんだ時に更新したいと思います。


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