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なぜ山岡泰輔はリリーフ転向なのか

みなさんこんにちは!いっちです!

久しぶりの更新になりますが、8月14日のスポーツ報知の記事で、右肘痛からのリハビリに励む山岡泰輔投手がリリーフに配置転換されると報道されました。

今回はタイトルの通り先発でこれまでチームに貢献してきたオリックスの山岡泰輔投手をなぜリリーフ転向させるのか、という話題について考察していきたいと思います。

私は「今季限りのリリーフ転向」ならOKかなと思います。
理由は大きく3つあり、
・25年ぶりの優勝がかかったシーズンであること
・オリックスのリリーフ陣が手薄なこと
・山岡投手自身にリリーフの実績があること 
・後半戦の日程状況から先発を増やすメリットが薄い

この三点が挙げられます。

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-叶うべき夢の先へ-

まずこのnoteを読んでいただく前提として、今のオリックスがどれだけ勝たなければいけない状況かということを説明したいと思います。みなさんもご存知の通りオリックスは2000年代に入ってから低迷し、過去の20年で優勝はおろかAクラス入りが二度のみという悲惨な結果でした。
そんなオリックスが今年は8月31日に100試合を消化した時点で、49勝38敗13分の勝率.563でパリーグ1位に位置しており、悲願の優勝も十分手が届くところにあると見て良いでしょう。多くの若手選手の台頭があり未来が明るいとはいえ、目の前に転がり込んできた絶好のチャンスを逃すわけにはいかないので、今は何としてでも勝つべき時だということを頭に入れながらこのnoteを読んでいただければ幸いです。
では、本題に入っていきましょう。

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現在のオリックス投手陣 -ブルペンの危機-

8月31日終了時点で100試合を消化し、49勝38敗13分の勝率.563でパリーグ1位に位置する現在のオリックス。昨年一昨年は最下位でしたが今年は大躍進を果たしており、その原動力の一つになっているのはリーグ屈指の先発陣です。

エースの山本由伸、高卒2年目で頭角を現した宮城大弥や安定感のある山岡泰輔田嶋大樹山﨑福也、ベテランの増井浩俊だけでなく、前半戦の後半には本田仁海山﨑颯一郎といった若手も台頭。さらにシーズン途中には新外国人のスパークマンも獲得するなど先発陣は12球団の中でも上位に位置するでしょう。

一方で救援陣を見ると、平野佳寿能見篤史などのベテランとヒギンス山田修義らの中堅、富山凌雅漆原大晟といった若手でバランスよく構成されているように見えますが、他球団で言う平良海馬(西武)や松井裕樹(楽天)のような絶対的な安心感を持つ投手はおらず、厳しい状況が開幕から続いてきました。

その中で、山岡が6/22の日ハム戦の初回に右肘のアクシデントで緊急降板しその後登録抹消されましたが、前述した本田仁海や山﨑颯一郎が台頭し、さらに五輪期間中のエキシビションマッチではスパークマンが好投を見せ先発ローテの一角として期待されていることから、山岡が不在でも先発の頭数自体は揃っていて、まだなんとか持ち堪えていると言えるかもしれません。
しかし前述してきたようにリリーフは慢性的に質不足で、セーブを記録したのはパリーグ最多の6人(2番目はソフトバンク、西武の3人)と特に9回を固定できず、リリーフ失敗で試合を落とす場面も散見されました。そこで、故障離脱から復帰した山岡泰輔に白羽の矢が立ったというわけです。


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山岡泰輔のキャリア -実は高いリリーフ適性-

山岡泰輔投手は2016年のドラフト1位で東京ガスからオリックスに入団し、ルーキーイヤーから3年連続で規定投球回に到達するタフさが武器で、3年目の2019年には13勝4敗で最高勝率を達成しました。昨年と今年は故障で無念の途中離脱を余儀なくされ本来の力を発揮できていませんが、それでも昨年は自己ベストとなる防御率2.60を記録するなど実力の高さはリーグ指折りと言っても良いでしょう。

彼はプロ入りから今日に至るまでずっと先発だったのかというとそうではなく、2018年の途中に不振が原因で中継ぎに配置転換された経験を持ちます。また2019年にはプレミア12の代表選手として侍ジャパンにも選出され、そこでもリリーフとして優勝に貢献したという実績があります。
2018年に山岡がリリーフ登板した時の成績を見てみると、 

6試合 11.1回 防御率0.00 自責点0 失点1 
K%7.15 BB%3.18 被打率.167 WHIP0.97

という優れた成績を残しており、リリーフも器用にこなす力があることがわかります。

またここからはデータではなく私見も交えた話になりますが、
勝ちパターンのリリーフに必要な素養の一つには決め球を2球種以上持つことだと思っていて、山岡投手は代名詞でもある縦のスライダーに加え、強力なチェンジアップも持っているため適性は高いと考えています。

実際に今年の山岡投手のデータを見てみると
スライダー:被打率.147 / 空振り率14.9%
チェンジアップ:被打率.200 / 空振り率15.7% 
と高水準の数値を出しており、ストレートの被打率が3割に近いことは懸念材料ながら、2球種を上手く引き出せばリリーフとしての活躍に期待して良いのではないでしょうか。(球種のデータはSPAIAから引用)


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勝負の後半戦に向けて

では最後の理由である後半戦の日程について見ていきましょう。
正直これが一番大きいのではないかとも思います。

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今後の天候等が理由で変更となる可能性もありますが、このように連戦は長くても6までで、9月後半になると週5試合の週も多くなっていることからも、比較的恵まれた日程と言えるでしょう。(セリーグでは中日・De・広島・ヤクルトが最大10連戦の予定)

つまり先発は計算の立つ投手が5人いればよく、山本/宮城/田嶋/山﨑/スパークマンの5人に山岡を加えて6枚にするよりも、前述してきた通り手薄なリリーフ陣に加え、6人目の先発は増井や本田、山﨑颯らで回したり、時には中5日で先発させる方がより大きい恩恵を受けることができるのではないでしょうか。

リリーフについても勝ちパターンにK-鈴木、張奕、村西etc...を前半戦では試しましたが定着したのは富山や(連投なしという条件下での)澤田くらいで、結局のところ8回と9回はヒギンスと平野が投げており、特にヒギンスは後半戦に入ってからかなり不安定な投球を続けています。山岡が不在の間の先発はなんとか持ち堪えたため、不動の先発ローテだった山岡の立場も白紙になり、奮わない中継ぎ陣の起爆剤として期待するのは当然と考えても良いのかなと思います。

ただ実績があるとはいえシーズンで中継ぎを経験したのは3年前の話ですし、肘の痛みで離脱した山岡がリリーフにフィットするかどうかのリスクもあります。しかし手堅く先発で起用するよりも彼の中継ぎに適性に賭ける方がより多くのリターンを見込め、仮に救援で失敗したとしても先発陣は最低限の形ができているので、痛手になる可能性もそう高くなく、最悪リリーフ転向が上手くいかなければ再び先発に回し、最終盤の数試合やCSで投げてもらうという手もあります。
とにかく今のブルペン事情を考えれば打てる手はとにかく打つしかありません。

補足として...
山岡投手の肘の状態を不安視する声も少なくないかと思いますが、今のオリックスにおける球団主導の怪我のケアに関しては信頼して良いかなと思います。
例えば8月22日の西武戦で一軍に欠かせない存在であるT-岡田選手が太腿の筋損傷(I度)で離脱した際も、ベンチスタートやDHなど負担のかからない起用ではなく完全に一軍登録を抹消し早期回復を目指しました。自分もT-岡田選手と同じくI度の太腿の筋損傷を経験したことがあり、痛みを発症して数日すると騙し騙しやれそうな程度に痛みは引くものの、そこで無理をした場合さらに悪化させるケースが多く、目の前の1試合1試合が大事になる時期にチームの主力であるT-岡田選手を休ませたのは勇気が要る決断でしたが良い選択だったと確信しています。
またリリーフを支える一人である澤田投手も実力が高い一方で昨年痛めた右肘に不安を抱えており、連投するとパフォーマンスの低下だけでなく怪我の再発リスクが高くなることから慎重な起用がされています。

このように今のオリックスは目先の勝利のために故障者に無理をさせない起用を重じており、今シーズン右肘を痛めた山岡投手にも徹底したサポートを行うことが考えられることからも、連投や登板過多などの無理な起用はないと思います。


終わりに

ここまで山岡投手のリリーフ転向を後押しするような内容の文章を書いてきましたが、ここで強く主張しておきたいのが、私は「今季限り」のリリーフ転向を支持しているのであって、来年以降は今まで通り先発で活躍して欲しいと考えています。本来の山岡投手は規定投球回にルーキーイヤーから3年連続で到達するなど計算が立ちやすい先発投手で、一番の適性は先発にあると思います。そのためには新外国人や即戦力リリーバーの獲得などで手薄なブルペンを補強する必要がありますが、シーズン中でもスパークマン投手やラベロ内野手、バルガス投手などチームの弱点を的確に補強した福良GMをはじめとするフロントに期待して良いと思います。

山岡投手のリリーフ転向はTwitterを見てみてもかなり賛否が分かれていたトピックなので、このnoteを読んでいただいている方の中にも反対の立場の方がいるかと思いますが、意見等があれば是非コメントやTwitterのリプライ、引用リツイートなどで教えていただけると幸いです。もちろん賛成派の方で他に理由等があればそちらもよろしくお願い致します。

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

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