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Bs2021 -日本シリーズへの展望- (投手篇)

みなさんこんにちは、いっちです。

早いものでクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第三戦、小田選手がバスターで日本シリーズ進出を決めるサヨナラ打を放ってから一週間が経とうとしています。
みなさんは日本シリーズに向け、どういう心境でしょうか。私は期待ももちろんありますが、それ以上に未知のものに対する緊張と、これで今シーズンももう終わってしまうのか、という切なさを強く感じています(笑)。

前置きが長くなってしまいましたが、本日11月18日木曜日に日本シリーズに出場できる40名の選手が両チームから発表され、その中から26名をベンチに入れて戦うことになります。
そこで今回はその40人の選手がどのような起用をされるのか、オリックスファンの方はもちろん、普段はあまりオリックスにあまり興味がない他球団ファンの方にも分かりやすく解説していこうと思います。

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はじめに -投手メンバー紹介-

投手で40人枠に入ることができたのは
山﨑福也/宮城大弥/平野佳寿/増井浩俊/山本由伸/山岡泰輔/竹安大知/能見篤史/富山凌雅/田嶋大樹/K-鈴木/比嘉幹貴/海田智行/ヒギンス/スパークマン/山田修義/バルガス/山﨑颯一郎/吉田凌
の20名となっております。

シーズンを通して活躍した選手はもちろん、クライマックスシリーズやシーズン終盤で結果を残した増井、スパークマン、バルガスも選出されており、何より注目すべきは6月に負傷降板し、9月に右肘の手術をした山岡が登録されているというところでしょう。久々の実戦となった先日の紅白戦では痛打を浴びる場面も見られましたが、感覚は良かったのかメンバー入りを果たすことができました。起用についついては本人からも中嶋監督からも明言されていないため、おそらく日本シリーズ当日まで不明のままか、もしくはブラフとなる情報を流す情報戦の展開となるのでしょう。

逆に中継ぎとして34試合に登板し防御率3.03をマークした漆原大晟や、14試合の登板で防御率3.86ながら絶大なインパクトを与えた澤田圭佑らといった、数字や印象は強いものの勝負の最終盤で一軍にいなかった選手は選出漏れとなってしまいました。


-先発-

ではまず先発ローテの予想から書いていきたいと思います。
※ここからパリーグTV様より引用した各投手の動画(救援陣は一部抜粋)を載せているので、そちらも併せて参考にしていただけると幸いです。

第一戦/第六戦 山本由伸
開幕はこの人で間違い無いでしょう。今季は15連勝を含む18勝5敗、防御率1.39最優秀防御率・最多勝・最高勝率・最多完封・最多奪三振の投手五冠をその手中に収めるという、まさに異次元の成績を叩き出し、クライマックスシリーズ・ファイナルステージの第一戦ではロッテ相手に完封勝利を記録するなど、シーズン中盤から圧倒的なピッチングを続けています。前述した15連勝が始まったのもまさに5月27日のヤクルト戦で、ヤクルト打線が二度目は無いと土をつけるのか、23歳の大エースの快進撃はまだ続くのか、とても期待が高まる試合になりそうです。

第二戦/第七戦 宮城大弥
2試合目は今シーズン、いずれも山本由伸に次ぐリーグ2位となる13勝と防御率2.51を記録する大躍進を果たした20歳のサウスポーが任されるでしょう。当初は後半戦で調子を落としていた宮城と裏腹に安定した投球を続けてきた田嶋大樹が来ると思っていましたが、
宮城は前回登板が10月20日の西武戦で32日間の休養がある
安定してイニングを稼げる田嶋投手は3連戦の初戦に据えた方が良い
という観点から、宮城投手が第二戦で投げると予想しました。一つ目の理由については、先ほども述べましたがシーズン前半が9勝1敗、防御率2.05だったのに対しシーズン後半では防御率3.25の4勝3敗と伸び悩み、特に9月10月の防御率は4.27と失速してしまいました。しかし約1ヶ月のオリンピック期間の休養を挟んだ8月は3試合で2勝0敗、防御率も1.42とかなり良い成績を記録していることから、しっかり休養を挟めば良い状態で投げることができると推察されます。先手必勝が鍵になる短期決戦でフレッシュな状態の宮城が好投してくれれば万々歳、前日は1試合あたりの平均投球回数が7を超える山本由伸で翌日は移動日のため、万が一調子が悪くてもリリーフを総動員することができる可能性が高い日程なので、宮城に過度なプレッシャーをかけることもなくマウンドを任せられるという点も大きいでしょう。
10月のロッテとの天王山では5回5失点で降板し、投げ合った同世代の佐々木に土をつけられるなど悔しい思いをした宮城が強力なヤクルト打線の前にリベンジを期すのか、ここも注目の一戦です。

(補論)
山本由伸は春先に中5日で先発ローテを回ることが多かったものの調子は上がらず、連勝が始まってからは一貫して中6日以上での先発が続いているため中4日で第5戦に先発したり、リリーフ待機といったサプライズ的な起用はないと見て良いでしょう。そもそも中嶋監督や高山郁夫コーチをはじめとする首脳陣はシーズン終盤やクライマックスシリーズであっても投手に無理はさせない、クリーンな起用を貫いています宮城の関してもそうで、中6日より短い間隔での先発登板は今のところないことから、ここでも中6日での先発が予想されます

第三戦 田嶋大樹
前述した通り安定して長いイニングを消化できるであろう田嶋大樹が三戦目に来ると予想しました。今シーズンは交流戦優勝がかかったマウンドで不振のトンネルを脱出し、9月以降首位争いが苛烈になったロッテとの首位攻防戦ではクライマックスシリーズを含み毎回のように好投、また3位の楽天にも好相性を誇るなど、ここ一番や大舞台に強いという印象を与えたのではないでしょうか。ビジターでの3連戦が始まる、いわば第二の開幕という大事な一戦もシーズンの終盤でチームの期待に応え続けてきた彼に任せるのが良いのではないでしょうか。

第四戦 山﨑颯一郎
今季ローテを守り8勝をマークした山﨑福也、終盤にエース格との投げ合いでも結果を残してきた竹安大知、故障からの復活を期す山岡泰輔など、候補は数多くいますが、ここは今季プロ初勝利を含む2勝をマークし、後半戦では先発ローテ入り、クライマックスシリーズでも先発を経験した山﨑颯一郎をピックアップしたいと思います。主な理由はローテの兼ね合い等もありましたが、9月の2度にわたるロッテとの首位攻防戦では宮城(左)-山﨑颯(右)-田嶋(左)、山﨑福(左)-山﨑颯(右)-田嶋(左)というように、左投手を軸に据えながらも2試合目に長身右腕の山﨑颯一郎を据え、相手打線の目を慣れさせないという工夫が見られました。逆に10月の首位攻防戦では田嶋-山﨑福-宮城と全員左腕で臨みましたが、1試合目の田嶋以外はロッテ打線に攻略され、2敗を喫してしまいました。これらを踏まえると短期決戦ではありますが3連戦の中間に190cmの長身から投げ下ろす山﨑颯一郎を持ってくる可能性が高いのかな、という予想にしました。

第五戦 山﨑福也
今季は自己最多の21先発で8勝、防御率は3.56と充実したシーズンを送った山﨑福也を第五戦の予想としました。ポテンシャル的には第四戦を任せるに値すると思いますが、山﨑颯一郎の項で叙述した通り、間に一度右投手を挟む可能性は高いと思います。また山﨑福也は打撃センスも野手顔負けのレベルで、高校時代には名門・日大三高の5番打者として春の選抜では安打数の大会記録を更新するなどその打棒にも注目が集まります。今年の交流戦では阪神のアルカンタラから左中間に二塁打を放ち、その後数試合では代打要員としてベンチ入りしたこともあり、日本シリーズでも快音に期待したいところです。
山﨑福也も山﨑颯一郎も80球を目処にする降板が多く、この両日は山岡や竹安といった第二先発やリリーフ陣を動員することも予想されますが、それについては後で述べたいと思います。

第六戦、第七戦は先ほど書いた通り山本、宮城が中6日で来ると思われるので割愛します。


-救援篇-

オリックスのリリーフはシーズン中もクライマックスシリーズも、三連投(ここでは三日連続の登板)はゼロに代表されるように、かなりホワイトな起用が続けられてきました。しかしシーズン後半では7回の男に定着したであろう富山をクライマックスシリーズではなんと三回表の火消しとして投入、その後もイニングを跨がせるなど、シーズン中では見られなかった起用が見られました。また日本シリーズはこれまでとは違い、延長線が12回まで実施されるという点でも特異です。クライマックスシリーズですらこのような流動的で意外なチョイスをしてくるので完璧な予想はかなり困難ですが、逆にリリーフ起用をする上で根幹となる部分も見えたのでそれについても書いていきたいと思います。

勝ちパターン
8回 → ヒギンス / 9回 → 平野佳寿
ここは何があっても揺るがないと思います。2人とも前半戦で離脱する期間があったものの平野は46試合に登板し防御率は2.30でパリーグ2位の29セーブ、ヒギンスは49試合で防御率2.93に加え29HPと安定しているのですが、シーズン後半に限定すると平野は防御率1.16、ヒギンスはなんと0.82と素晴らしい安定感を誇りました。優勝及びクライマックスシリーズ制覇はこの2人なくして為り得なかったでしょう。

7回 → 吉田凌 富山凌雅
前半戦は登板ゼロに終わったものの後半戦初登板でいきなり勝ち星を挙げ、火消しなど厳しい場面も多かった18試合を防御率2.12でまとめた吉田凌と、チーム最多の51試合に登板するなどシーズンを通して活躍した富山凌雅が主に7回や6回など、終盤に差し掛かるイニングを投げると思われます。しかし前述したクライマックスシリーズでの富山のスクランブル登板など、便利屋としても準備ができていることもアピールはできている以上は序盤で降板した先発投手の後を請け負う起用もまた考えられるでしょう。

ロング枠 → バルガス K-鈴木
この役割はシーズン中では漆原やK-鈴木が担っていましたがクライマックスシリーズでバルガスが球団歴代最速タイとなる159km/hを記録し2回を無失点に抑えたことから、勝っている・僅差の試合はバルガスで、ビハインドの場合はK-鈴木が担うものだと考えられます。バルガスはスピードはもちろん、カットボールやツーシームなど「動く球」を武器にしている点も他の投手とは明確な違いがあり、行き詰まった試合を動かすカンフル剤としての起用に期待したいです。実際バルガスの好投が宗佑磨の逆転ツーランの呼び水にもなりました。

ワンポイント枠 → 比嘉幹貴 海田智行
シーズンと同様、中盤でのワンポイントや火消しにはベテランの両投手が起用されるでしょう。特に比嘉は32試合に登板し防御率は1.77と(前の投手のランナーを返すことはありながらも)安定感を発揮しています。一方の海田は一年以上一軍登板から遠ざかっていた9月に崖っぷちの状態から立場を築き上げ、時にはワンポイントではなく右打者とも対峙するなど、幅広い起用に応え最終的には16試合の登板で防御率2.61に抑えるなどベテランの意地を見せてきました。以下の動画のように息を呑む場面でもしっかり抑えるベテランに期待です。

第二先発枠 → 山岡泰輔 竹安大知
先ほども述べたように山﨑福也、山﨑颯一郎の両投手は80球を目処にした降板も多く、また短期決戦では先発に早めの見切りをつけることもまた必要になることから第二先発という役目も重要になり、その役割を果たすのがこの二投手だと私は考えています。
竹安は今シーズンの序盤は先発とリリーフを行ったり来たりと便利屋としての起用が続きましたが首位争いが苛烈さを増した9月下旬以降にはイーグルスの田中将大と投げ合いドローに持ち込み、ホークスのエース千賀との投げ合いを制し勝ち星を挙げるなど、要所で素晴らしい働きを見せました。シーズン序盤はリリーフでも活躍したことから器用さもあり、このポジションに適任な1人でしょう。
山岡については怪我から復帰した直後で、どこまで投げられるかは少なくとも我々のレベルで知ることはできませんが、もし肘の状態が良好で、起用が考えられるなら第四、五戦目の第二先発だろうと思います。山岡も過去にはシーズン中や日本代表でリリーフを経験したこともあり、チームに日本一をもたらす活躍に期待したいところです。

流動枠 → 増井浩俊 能見篤史 スパークマン 山田修義
残りの投手はここにカテゴライズされるでしょう。特に山田はシーズン中も先発が早期降板した試合の立て直しや火消しから接戦の終盤など本当に場面を問わず腕を振り続けてくれました。増井もシーズン後半では「優勝に貢献できなかった」と悔いながらもクライマックスシリーズ第三戦では9回表をピシャリと抑え、裏の同点撃につなげるなどの本シリーズ進出に大きく貢献しました。能見も前の投手が打たれた後をきっちりと抑えたり、ビハインドをきっちり0点で凌ぐ貢献が目立ちました。スパークマンについては登板数が多くないので不明な点も多く、シーズン終盤ではビハインドの試合後半に登板していたことからも増井と同様の役割、もしくは先発経験を買って第二先発などの起用もあり得ますし、一番予想ができない投手です。


まとめ

ここまでオリックスの投手起用について考察してきましたが、いかがだったでしょうか。

シーズン中ではある程度役割が固定化されていたのですが、試合終盤を任せていた富山をいきなり序盤に投入するなどのイレギュラーな起用も短期決戦の醍醐味の一つだと思います。レギュラーシーズンでの起用などを踏まえればこの日本シリーズもより一層面白く見ることができるのではないでしょうか。このnoteがその手助けになれば幸いです。

このnoteは以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
野手篇についても検討中です。また次回もよろしくお願い致します。
では。

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