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オリックスの再建-何が変わったのか-

みなさんこんにちは!いちです。

前回のふざけた投稿以来、久しぶりの更新です(笑)。

今回ですが、長い間低迷しているオリックスの過去数年の実態とそれを踏まえた上で今見えている未来への展望について書いていきます。

というわけでここでは過去のオリックスがどうであったのか、何が低迷の原因だったのかについて私なりの意見を書いていこうと思います。
もちろん私一人の意見ですのでこの記事にはバイアスが混じっているかもしれませんし拙い文章ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。


2014年からの低迷

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ご存知のとおりオリックスは2014年にソフトバンクと熾烈な優勝争いの末、10月2日の直接対決に敗れ18年ぶりのリーグ制覇を逃してしまいました。その後クライマックスシリーズもファーストステージで敗退し、翌年からは5位6位4位4位6位6位と6年すべてでBクラス、うち3回で最下位と低迷を極めてしまいました。なぜこのような結果になってしまったのか、私はドラフト戦略をはじめとした編成面や、そこに起因する現場の運用に問題があったと考えています。

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まずはこの図を見てください。これは2014年開幕時のオリックスの全選手の年齢分布表です。中継ぎを除いて全体的に層が薄く、特に投打ともに25歳以下の若手がスカスカであることがわかります。これでよく最後の最後まで優勝争いができたと今になっては思います。

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そして2015年、伸び悩む中堅や衰えたベテランを大幅に切り、実績のある選手をFAや外国人で補強しドラフトでは9人を指名して血の入れ替えを実施。しかし怪我人の多さや主力の不振などからチームは低迷し5位になってしまいました。離脱者が多くなる中で若手で主軸を任せられる有望な野手がいないという課題が浮き彫りになってきます。また、このチームは伝統的に社会人からチームを獲得してきた歴史がありますが、社会人出身の選手は良くも悪くもまとまっている傾向が高くスケールの大きさに欠けます。

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それを意識したのか2016年、この年から吉田正尚、大城滉二といった大卒の野手が加わりました。他にも前年崩壊した投手陣の立て直しとして近藤大亮も2位で獲得し、外国人も(前年の反省からか?)日本での実績を度外視しコーディエ、モレル、ボグセビックが加入し打線の強化を図ります。
(高卒の野手を指名していないことには一見疑問符がつきますが、この年の高卒野手ですごい!と言える選手がまだ出てきていないのである意味無難な指名だったと言えます。)

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この年は投手陣の底上げを図るため、1位で先発要員の山岡、2位で黒木を獲得。また中位以降で高校生も多く指名しました。前年は外国人ガチャに大失敗しましたが再び敢行しロメロ、コーク、ヘルメン、ウエストを加え、(故障がちなものの)ロメロとシーズン途中に加わったマレーロは大活躍でした。またこの頃から若月健矢や武田健吾といった数少ない若手が台頭し始めますが、何せ若手の絶対数が少ないので台頭する選手も少なくなるというドラフト戦略の影が色濃くなっています。

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そして次の年も上位で田嶋やK-鈴木といった即戦力級の投手を獲得、投手陣の底上げで上位進出を図りますが打線が不調で4位に沈みます。この当時の野手陣のドラフト順位を見てみると生え抜きの上位指名(1,2位)が宗、吉田正、駿太、安達、T-岡田、縞田くらいしかおらず、その中で打撃型の選手も吉田とT-岡田だけという過去のドラフトのツケが回ってきています。つまり、打線が彼らと外国人頼みになってしまい特に不確定要素の大きい外国人ガチャを外した場合得点力が一気に低下してしまうリスキーな編成だったのです。

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それを鑑みたのか、この年のドラフトでは小園(現広島)に入札し外すものの太田、頓宮という長打の期待できる野手二人を上位で獲得。そして日本人屈指の強打者である浅村栄斗の獲得を試みます(がオ断リックスされてしまいました)。そしてシーズン途中には福良淳一前監督がGMに就任し、(前述のようにFAでの補強に期待できないからか?)三軍を増設するなど育成主体のチームにするという方針になりました。

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その結果、ドラフト上位でこの年も宮城、紅林と高校生を指名し、生え抜きが育つまでの対策としての外国人補強ではメジャーの大物ジョーンズとマイナーリーグからロドリゲス、ヒギンスを獲得しチームの再建を図ります。しかし順位は最下位、投打ともに選手層の薄さが響きました。特にリリーフは近年のブルペンを支えてきた近藤や(前年から離脱していたが)黒木が共にトミージョン手術を受け離脱、増井の衰えなどで手駒が少なく、七月の山田の登板過多に見られるように勝ちパターンにしわ寄せが来る場面もよく見られました。これは貧打の試合が多い→接戦が増える→勝ちパターンの投手が酷使される、という負のスパイラルができており、18年の吉田一将や17年の黒木が最たる被害者でした。
それでも、今舞洲で躍動している若手が育つまでは外国人補強で凌ぎ、中長期的に強いチームを作るというビジョンははっきりとしており、今までのぼんやりしていた未来よりは希望が持てるものではないでしょうか。

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そして今年のドラフトでも山下、元、来田など高校生を主体に指名し育成でも6人指名し三軍の整備に尽力します。こうしてチームの明確なビジョンが見えてきた中、今まで踏み出せなかったFA戦線にも参加していきます(確かに再建が始まったばかりのチームよりも多少は進んで伸び代が見えてきたチームの方が移籍したいと考える選手は多いでしょうし、個人的にはこれまでの流れは一応納得できました)。シーズンも終盤に差し掛かる10月16日、西武の増田投手のFA獲得調査がどの球団よりも早く報じられ、11月6日にはまだFA宣言すら報じられていないソフトバンクの長谷川を獲得調査、また最後まで表には出ませんでしたが中日の大野雄大も調査していたことが明らかになり、積極姿勢で動いていて、それも「経験あるベテラン」や「リリーフ投手」などチームの弱点を踏まえています。


福良GMの就任による変化

先ほども書いた通り2019年6月、福良淳一元監督がGMに就任しました。この章ではそれによる変化について少しだけ書いていこうと思います。

福良監督時代のチーム順位は6位4位4位と良くはなかったため就任に疑問を持つ人も少なくありませんでした。

しかし就任から一ヶ月足らずの6月末に松葉貴大+武田健吾⇄松井雅人+松井佑介の交換トレード、モヤを金銭トレードで中日から獲得しました。二番手の伏見が怪我で長期離脱し若月も打撃低調で捕手が穴になっており、そこに経験豊富な松井雅人、火力不足の外野にパンチ力のある松井佑介、そしてメネセスが退団し外国人枠が浮いていたところにモヤと、チームの穴を把握したトレードを行い緊急的な立て直しを行いました。

また即戦力などに偏っていたドラフト戦略も大きく転換します。特に野手で顕著だった、今までの外様頼りのチーム構造から脱却するべく選手はできるだけ自前で育成し、そのために三軍の整備を進めていくという方針になりました。

そして近年少なかったFA補強も今年は積極的に行う姿勢を見せており、その動向にも注目が集まっています。

なぜ福良GMが多くの人から称賛されるのか、理由はそれまでのオリックスにあります。

福良がGMに就任するまでのオリックスのフロントは、とても酷いものでした。例を挙げると
・FA取得前年で複数年を希望した西勇輝に対して単年契約で更改。その結果翌年阪神に移籍(17年オフ)
・チームの顔であった伊藤光を赤間謙とDeNAへ白崎浩之+高城俊人で交換トレード。高城は移籍した翌年の19年に戦力外で白崎は2020年に戦力外と、一方的に伊藤光を放出したかっただけと捉えることもできるトレード(諸説あり)を行う(18年途中)
・ドラフトでは即戦力に偏重、特に野手を軽視
というようにチームを自ら壊すようなことをしていたのです。
このような背景を考えると、健全な編成を始めた福良GMが確かに神のように見えますね(笑)。
しかし、私はこのままで優勝できるとまでは思っていません。その理由を続けていきます。

ここで注目したいのが、福良GMのトレードや育成は巨人やソフトバンクなどの常勝球団では既に採用されてきたスタイルで、何も真新しい策ではないことです。すなわち強くなるためにごく当たり前のことを教科書通りにやっているだけで、そこに更に良い選手を獲得するためにドラフトでのスカウティングや(こればかりはどうしようもないが)くじ運に加え、FAや外国人補強での金銭面や環境面の整備などのオリックスだけの付加価値をいかにつけるかが今後の課題になってくると私は思います。むしろそれができないと今よりは強くなれても王者にはなれないので、今の方針と他にはないような突き抜けた武器が必要なのです。

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まとめ

ここまでオリックスの数年の動きを編成面という視点で追ってきましたが、社会人主体のドラフトや主力を任せるに値する野手の不足など、チームの編成が偏っていたことが長きにわたる低迷の一因になっていると私は考えています。
しかし近年では吉田正尚や山本由伸などパリーグでもトップクラスの選手も出てきており、それに加えて前述してきた福良GMによるチームの再建が結びつけば上位進出、優勝争いが現実味を帯びてくるでしょう。ただ方針が正しくてもうまくいくとは限りませんし、絶対これで強くなれる保証はどこにもありません。それでも今までやってきたその場しのぎの補強よりは少なくとも良いと確信しています。
これからの新しいオリックスがどうなっていくか、ファンとして見守っていきたいと思いますし、いつかは悲願の"叶うべき夢の先へ"連れて行ってくれると信じています。

というところで今回はこれまでにします。間違っていた箇所や「これは違うんじゃないの?」という意見等があれば積極姿勢でコメントしていただけると幸いです。
長々とした駄文になりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

Twitter→ https://twitter.com/@icchi34

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