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ベーシックインカムは極めて怪しい.8 ―BIの実験とは?.1―


■ナミビアとインドの件

まだ言いたいことは尽きません。
BIENのいうBIは本当におかしいです。

ベーシックインカムはこれまで試されたことがありますか?

ナミビアとインドでは短期のパイロット プロジェクトが行われており、イランでは偶然にベーシック インカムのようなものが導入されました。1970 年代に米国とカナダで行われた、類似しているが異なる最低所得保証と負の所得税の実験では、有益な社会的成果が示され、雇用からの離脱はほとんどありませんでした。最低所得保証とベーシック インカムの経済的効果の類似性は、ベーシック インカムが導入された場合、最低所得保証の実験の結果が再現されることを示唆しています。また、両者の違いは、1970 年代の実験よりもベーシック インカムの方が効果が大きい可能性が高いことを意味しています。ベーシック インカムのパイロット プロジェクトと類似の実験は、米国、ウガンダ、ケニア、スペイン、オランダで継続されており、スコットランドでも実験が計画されています。

https://basicincome.org/faqs/

上記はつまり「BIの社会実験は行われたか?」ということに対して「その事例」を答えているわけですが、まず、ナミビアのBIについて調べてみました。

こちらナミビアのBIの実験について書かれたサイトですが、「BIの実験を標榜しつつBIではない」ことがきちんと書かれています。

BIG共同体は、所得保証制度が現実に機能すること、それが所期の効果を有することを実証するため、ナミビアのOtjivero - Omitara 入植地(人口約1,000人、ウィントフーク[首都]の東約100 kmに位置)において、期間限定(2008年1月から2009年12月の2年間)でBI給付を実施した。
(中略)
2008年1月、ベーシック・インカム給付 (BIG)先行的社会実験が、ウィントフーク[首都]の東約100 kmにある Otjivero - Omitara 地区で開始された。60歳以下の全ての住人は、一人一月辺り100ナミビアドルが、何の条件も課されずに給付される。給付金は、2007年7月の時点で当地での生活している者として登録された全ての人に、社会的・経済的状態に関係なく与えられる。

http://bijp.net/data/article/305

2年間という期間限定。住んでいる場所が限定され、60歳以下という条件もあります。これは定期的(永続的)でもない、普遍的でもない、無条件でもないです。BIの5つの特徴にまったく適合していません。

尚、「定期的」について(永続的)と入れている理由については↓↓↓をご覧ください。

これはBIではありません。
明らかに「限定的定額給付金」の実施です。

インドに関してはこちらが情報元です。

インド政府は、2010年にマドヤ・パラデシュ州でベーシックインカムの実験を行った。対象は6000人以上。それ以前に、18カ月に渡って2度実施された(少額の支援)実験に続く、新たなベーシックインカムの実験だった。

https://www.businessinsider.jp/post-528

先にも上げたナミビアと同じです。
実験である以上、永続性は無く、普遍的でも無条件でもない。
これもBIではなく「限定的定額給付金」の実施です。

■BIの成果ではなく限定的定額給付金の成果

このように、BIENは限定的定額給付金をBIだと偽って発表しているのが現実です。
ナミビアの結果は下記の通りの実験結果を語っています。

実験結果:
12ヶ月間のBIG実施後の主要な実験の結果は、以下の通りである。

・BIG導入前の実験地、Otjivero-Omitaraは、失業と飢餓と貧困の町であった。住民のほとんどは、他に行くところがないという理由でそこに住み続けており、生活は欠乏状態によって決定され、未来への希望はほとんどなかった。

・BIG導入は住民の希望に火をともした。地域社会は、住民を結集し、BIGの賢い遣い方について住民へ助言するため、メンバー18人からなる委員会を自ら立ち上げ、これに応えた。このことは、BIGの導入が、コミュニティの住民を団結させ、その自治能力の拡大を効果的に促進することができることを示唆している。

・BIGが特定の一地域に導入されたため、著しい規模での実験地への人口流入が発生した。困窮した家人が、例え自分たちが助成金は貰えなくても、BIGに魅了されて実験地内へ移住したのだ。このことは、特定の地域や町や家庭内への人口流入を回避するためには、BIGが全国一斉に導入される必要があることを示している。
(以下省略:出展のサイトURLにアクセスをしてご確認ください)

http://bijp.net/data/article/305

これは明らかに限定的定額給付金の結果の成功ですが、それをBIの成功と言って発表するのは、何らかの意図あっての情報工作だとしか思えません。

■次回は「負の所得税(NIT)」について述べます

さて、次は、1970 年代に米国で行われる負の所得税の実験について書きます。カナダの件とイランについては後半に述べたいと思いますので、お待ちください。

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