「ちょうちょ」の展開図
前後の羽が蛇腹で、光の具合で表情を変える、きれいなちょうちょを考えました。展開図は末尾にあります。
ちょうちょの折り紙は伝承・古典から最新のものまで様々です。インサイドアウトを用いたものや、立体的な微妙な曲線を生かしたものが数多く発表されています。また折り目を細かくすれば触覚・目・足・口吻など構造物を折り出すことができます。実際に2017年8月ごろ、蛇腹の練習を兼ねて手足口があるちょうちょを作りました。ですが、なんかこうグッとくるものがありません(下画像)。
折れば折るほど紙が輝きを失う気がしますし、私は虫マニアじゃないのかリアルな蝶々の造形についてこだわりがありません。蝶には、触覚も手足も口も目も胴体も不要です。羽があれば十分です(極論)。
では羽をどうしたいかというと、陰影と透け感を生かした羽を、できるだけ少ない折り目で作りたい。この考えのもとで最初にできたのは前羽だけが蛇腹の蝶です(下画像)。これはこれで良い形なので、別のノートに折り図をまとめています。このとき偶然にキモいお腹がついてきたので、この部分は大事にとっておくことにしました。
後ろの羽まで蛇腹にならないかとトライを重ねてたどり着いたのが、下図の蝶です。こうなるまでには、これは枝と葉っぱかなーみたいなのとか、これは虫ではなく蟲ですね、とかいうのがたくさんできましたがここでは割愛。下図の蝶では、羽の上に紙の重なりがありません。折り紙を透かした時、普通は上の画像のように紙の重なりによる陰影が現れます。これはこれでご飯3杯いけるのですが、このちょうちょにはそれはありません。紙の重なりによる陰影がなく、そのかわりに、蛇腹の織り成す光と影だけが見えます。
さてここからが展開図(下図)です。上側が前羽、中央の折り目が集まっているところがしっぽ、下側が後羽です。構造としては、正方基本形を少しひずませて、各ひだを同じ幅で蛇腹にした形になっています。またこの図には書いていませんが、前翅の側の中央も開いてつぶして構いません。おまけに折り出しの線をつけておきます。
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