【同人誌の表紙デザイン】あらすじやキーワードの伝え方
こんにちは、Origa Design と申します。
同人誌の表紙デザインをしています。
今回は表紙の依頼時によくある「あらすじやキーワードなど依頼文はどういうことを書けばいいの？」というお話についてです。
基本的にはうちの場合の話です。うちはうち、よそはよそです。とはいえ多少はほかでも使える方法かなと思います☺️
参考記事：イメージの伝え方・画像資料編
はじめに
簡単なのがいいひと向け
セミオーダーなど既製品から選ぶタイプはタイトルを入れてもらうだけなので簡単です。
打ち合わせが面倒なひと向け
おまかせプランや表紙ガチャは打ち合わせも最低限なことが多いようです。
例えばプリントオンもわくわくドキドキデザインセット（おまかせセット）をやっています。
※印刷所の説明にもあるようにおまかせはクレーム不可の場合がほとんどです。
以下はオーダーメイドで打ち合わせをしっかりしたい人ひと向けのお話です。
あらすじ・キーワードで何を確認したいか
表紙を依頼するとき、イメージ、あらすじ、キーワードなどを伝えます。
例をあげます。すべて私が書いた架空のものです。
例1：恋愛もののお話です。キーワードはすれ違いです。
例1、どんな表紙がいいか思い浮かぶでしょうか？
私はまだオーダーが曖昧だと思います💦
例2：仕事で世界中とび回っているふたりだから、いろんな場所ですれ違ってなかなか会えない
例3：同棲しているけど、ふたりとも静かな性格だから言葉足らずですれ違ってしまう
例2はアクティブなイメージ、例3は静かなイメージです。「恋愛・すれ違い」という単語は同じでも、それぞれちがう表紙になります。
単語だけでは状況が幅広いので、もう少し具体的に伝えていただけるととても助かります！
ハッピーエンドかバッドエンドかメリバか
冒頭のあらすじとキーワードのみでは、オチがハッピーかバッドかメリバかわかりません。オチまで書いてある方がわかりやすいです。
例2続き：〇〇の事件を解決してふたりは再会する。にぎやかでハッピーな感じだから表紙も元気なものがいい。
例3続き：〇〇の結果、話し合えて仲直りする。モノローグや室内の会話シーンが多い。シリアスだけどハッピーエンドなので暗くならない方がいい。
2と3の作風の差がわかりやすくなったと思います。ここを曖昧にすると、依頼者と制作者が想像する「恋愛・すれ違い」のイメージがズレてしまいます。
物語のオチはみんなハッピーエンドだろうと思うかもしれませんが、バッドエンドのご依頼も実際ありますし、メリバのご依頼も一定数あります。
あらすじの文章量
特に決まりはないので自由です👌
個人的には起承転結それぞれ1〜2行ずつくらいが読みやすいかなーと思います。
起：高校生の2人が両片思いしている恋愛もの。
承：ふとしたことから2人で夏祭りに行くことに。
転：だけどささいな誤解から喧嘩してしまう。
結：最後はぶじに仲直りして両思いになるハッピーエンド。
5W1H
オーダー文のどこかで5W1Hを伝えていただけるとわかりやすいです。
いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように、です。
例：いつ？
制作者「（鬼滅の刃など）原作が大正時代なのでレトロな表紙がご希望ですか？」
依頼者「この同人誌は現パロなので現代的にしてください」
例：どこ？
「室内で会話しているシーンが多い」「見せ場のシーンで夜景を見にいく」「冬の話」などなど
例：だれ？
依頼者「キャラクターのかわいさを表現したい」
制作者「特にオリジナルキャラや夢キャラは設定がわからないですし、二次創作でも人によって解釈がいろいろなので、どんなかわいさか教えてください」
例：なに？
「登場するアイテムは誕生日ケーキです」などなど
「なぜ」「どのように」はあらすじを教えてください。
表紙で使用不可のもの
依頼者にとって使用不可のものがあればあらかじめ伝えましょう。
例：薔薇はキャラクターCのモチーフだから、A×B本では使わないでほしい。
例：〇〇のアイテムはネタバレになるから表紙には使わないでほしい。裏表紙なら使ってもいい。
オーダーが曖昧？
最初の打ち合わせで「オーダーが曖昧でわかりにくいからもう少し詳しく」と言っても、「タイトルは明朝体で20ptで…」みたいな具体的な指示を聞いているのではない場合が多いです。上記のように起承転結や5W1Hを教えてください。
「なし」と書く
オーダーシートやメールなどで、間違って消えてしまって未記入だったことも実際あるので、なしなら「なし」と記入していただけるとわかりやすいです。
むりにひねり出さなくてもいいので「なし」「おまかせ」「わからないから音声打ち合わせ希望」などご自分の状況を伝えてください💮
必須・おまかせ・打ち合わせの希望
必須事項
具体的な指示・必須事項・こだわりがあるときはあらかじめ明記してください。
おまかせ
おまかせでもよければそう伝えましょう。
文章で打ち合わせしたい
いろいろなひとたちのプランを見ていると、文章での打ち合わせにも時間や労力がかかるのでオプション料がかかったり、短納期プランや安価プランではやっていない場合があります。
「可能ですか？」と問い合わせましょう。
音声で打ち合わせしたい
同じくオプション料がかかったり、やっていない場合があります。
「可能ですか？」と問い合わせましょう。
自分の状況を相談してみる
記入例などを私が書くと、それが答えみたいになってしまうことがあります。だけど実際の状況は十人十色。答えはありません。
なので依頼者側の状況をその都度伝えてもらえると制作者も対応を考えられます。
A案かB案か迷っているならそう伝えてみる
納期を伸ばしたら自分で決められそうならそう伝えてみる
自分では決めにくいから音声打ち合わせしたいならそう伝えてみる
音声だと緊張するからチャットがいいならそう伝えてみる などなど
お互い都合があるので要求が100%通るわけではないですが、一般的なビジネスメールのように問い合わせてみてください。
表紙の依頼はメールのやり取りが主なので、依頼者が書いていないことまで察して先回りしてサービスするのは私には難しいです。ごめんなさい。
なので自己開示してもらえたり、それをもとにお互い話し合える余地があるととても助かります。
こぼれ話
詳しいあらすじを尋ねると「性癖をつめた同人誌だから言いにくい…」という方もいらっしゃいます。文章で伝えにくいときは次の記事を参考に画像資料を提出してください。
私としてもひとの癖を暴きたくて聞いているわけではなく、上記のようにすれ違いというキーワードでもポップなものから静かなものまで幅広いので方向性を確認したいだけです。お仕事なのでいろいろなあらすじを聞くことに慣れていますし、あまり気にしないでいただけると助かります🙇
おわりに
オーダーメイドは個人差や案件差がかなり大きいです。制作者によってやりやすい方法が異なりますし、依頼者によってもやりやすい方法が異なります。
「私はこういうふうにするとわかりやすいです」と依頼者から伝えてもらえたら、こちらも合わせるようにしてみます。
詳しいことはご依頼時に各自お問い合わせください。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
みなさまの創作活動の一助になれば嬉しいです。
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