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#6 二重にした話

こんばんは

やっと金曜日ですね

少しでも長く睡眠をとってくださると嬉しいです


今日はエッセイ調で書かせていただきます

ご了承ください


「二重にした話」


そういえば私は

高校デビューと同時に

重い重い一重まぶたを

二重にした


理由は

一重の自分が好きになれなかったから


中学生の時

同級生に

「まつ毛どこだよ」

って言われたのがなぜが今でも忘れられない


そう

その時は

すごく目がぱっちりした綺麗な顔の男の子と

同じく目が大きくてくりくりの女の子と

一緒にバスに乗っていた


私は重い一重だからまぶたに隠れてまつ毛がほとんど見えなかったのだ


しかもなぜか疲れると二重になる目だったから

片目だけ二重のまま学校に行って

「整形した」とか

「二重だ二重だ」

って囃し立てられるのが

一重ってことをより強く感じて

本当に嫌だった


幼稚園、小学校、中学校といろんな人に会って

自分は一重だってことを強く認識した


テレビを見てもSNSを見ても周りの可愛い子たちも

みんな二重だった


いやきっと

自分が気にしているから余計目に止まったのだ


もちろん一重の可愛い人だって美人さんだって世の中にはたくさんいらっしゃる


でも

一重の綺麗な人は私と違って特別で

私は二重じゃないとダメなんだって強く思わされた



すごく羨ましかった


自分に持っていないものを持っていて



そして中学校を卒業し私はアイプチを購入する

夜に癖付けをするタイプの商品だったので

寝る前に塗って寝てを繰り返した


もともと疲れたら急に二重になるまぶただったので二重にはなってくれた


でもずっとじゃないし毎日じゃない


高校に入学し二重として振舞うけど

何をしている時も今自分がちゃんと二重であるかどうかが心配だった


朝は顔がむくんでいたら一重になってしまう

今までずっとうつ伏せ寝をしてきたけれどこれを機に上向きで寝るようにした


学校はメイク禁止なので家を出るまでに必死に二重にした

それでも二重にならない日は涙が出てきて学校に行きたくなくなった

必死に冷やしたりマッサージしたりして何とか調整をして


学校でも何度も目を触って一重に戻ってないか確認した


どれだけ仲良くなっても本当は一重だってバレるのが怖かった

中学までの友達に二重にしたってバレるのも怖かった

何か言われるんじゃないかと思って


でも過去に2回

一重に関して良い思い出もある


一つは

これも中学生のとき

中三のとき

ある子が

「私はオリエントの切れ長の目好きやけどな」

って言ってくれた

今まで目のことを褒められたことなんか一度もなくて

コンプレックスでしかなかったのに

彼女は初めて

そこが好きだと言ってくれた

この話を思い出すたびに一重のままでも良かったのかなあと考える


もう一つは高校に入ってからのこと

誰とでも分け隔てなく話せて偏見のない子と仲良くなった

急に私は

この子にだけなら言っても良いのかもしれないと思ったのだ

そして卒業アルバムの話になったとき

「あのさ、これあんまりみんなに行ってないんだけど、私一重だったんだよね」

って打ち明けた

そして中学の卒業アルバムの写真を見せた

そしたらその子は

「え、あんま変わらんくない?」

と言ってくれた


思っても見なかった反応に戸惑ったけれど

そのとき

少し

ほんの少しだけ

心が軽くなったような気がした


この二つの思い出は

言ってくれた子たちが忘れてしまっていても

絶対に私は忘れないし忘れられない

今では話さなくなってしまったけど

もし会ってゆっくり話す機会があるのなら

あの時の心でお礼を言いたいし

あの時と同じ気持ちで「ありがとう」が言えると思う


毎日二重にしていると起きたら一重に戻っている日が

はじめは週に一回

月に一回

数ヶ月に一回

高校を卒業する頃には年に数回となっていった


今でも同級生にバレるのは怖い

もちろん知ってて何も言わないでいてくれている子もいるが

目の話になると何て言われるのか怖い気持ちがある


それでも

良かったって思っている


二重とはいえ末広二重だが

目は以前の倍ほど大きく見える


一重の頃から変わらない切れ長な目ではあるが

前より格段に好きになれていると思う


確かに

一重のままでも良かったんじゃない?

って自分で自分に問いかけることがある


でも

今の私でいいんだ


今はそう思います



今でも目の話は自分の中でのタブーだけど

それでもあなたに言いたい

今だけ言わせてください


二重にしてからもそれには触れず

変わらず接してくれてありがとう



またお会いしましょう

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