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【自転車競技】 見て楽しい! 走って楽しいシクロクロス

突然ですがウインタースポーツといえば、みなさんは何を思い浮かべますか。
優雅なフィギュアスケート、それともダイナミックなスキージャンプ。おしゃれなスノーボードや、戦術戦のカーリング、氷上の格闘技アイスホッケーなどもありますね。

たくさんのスポーツがありますが、わたしにとっては自転車競技のシクロクロスです。

現在、シクロクロスシーズンの真っただ中、そして今週末、2022年1月28日から1月30日に世界チャンピオンを決める世界選手権が開催されます。

自転車競技歴5年で自転車ファン歴10年のわたくし。今日は、待ちに待った世界選手権を前に、シクロクロスへの思いのたけをここに残したいと思います。ちょい鼻息あらめ? いやいや、いたって冷静に。よろしくお願いいたします。

シクロクロスとは

シクロクロス(Cyclo-cross)とは、もともとロードレース選手のオフトレーニングの一環として始まった、秋冬がシーズンのオフロード自転車競技です。
コースは1周が2.5〜3.5 kmの不整地の周回路で行われ、30分から60分の定められた競技時間内で順位を競います。オリンピック種目ではないものの、自転車文化の盛んなヨーロッパでは、とても人気のあるスポーツです。

世界大会

シクロクロスの大会は各地で開催されており、世界のトップ選手が集まる主要なレースとして、UCIシクロクロスワールドカップ、スーパープレスティージュ、X²O・バットカームルス・トロフェー、欧州選手権、世界選手権などがあります。

なかでもUCIシクロクロスワールドカップは、公式YouTubeチャンネルで全戦ライブ配信がされていて、自転車ファンにとってうれしい限りです。しかも、レースの開始時刻は日本時間の日曜日の夜。明日から仕事だというのに、ライブ観戦が楽しくて、つい夜更かししてしまいます。

スタート後の激しい位置どり

国内での大会

日本でも、AJOCC ( 一般社団法人日本シクロクロス競技主催者協会)が管轄するシリーズ戦が全国各地で開催されていて、キッズクラスや初心者クラスから、中級者クラスやエリートクラスまで、レベルに応じたカテゴリーに分かれてレースが行われています。
また、国内でもっとも大きなシリーズ戦として、JCX Series(ジャパンシクロクロスシリーズ)があります。


また、競技とは少し離れて、家族や友人とわいわい楽しめる自転車イベント「バイクロア」も開催されています。仮装レースや親子レース、ナイトレースなどがあり、数年前に飴食い競争? に参加し、顔中粉だらけになったことがあります。

見て楽しい。走って楽しい。

わたしは以前シクロクロスに5年ほど取り組んでいました。元競技者として、そしていちサイクルファンとして、シクロクロスのよさを挙げるとするならば、とにかく「見て楽しく、走って楽しい」ところです。

ダイナミックなコース✨

シクロクロスのコースはバラエティ豊か。緑の生い茂る森の中だったり、牧場だったり、小高い丘だったりします。ヨーロッパではお城の横を周回したり、風車が回るすぐそばを走ったりもするのですよ。


また、湖や海岸の波打ち際を走ることもあります。日本では、琵琶湖や猪苗代湖などで開催されています。東京オリンピック前には、お台場海浜公園でも行われていました。

天気によっては雪上レースになることも。

障害物があるよ👿

また、コース上には急斜面や階段などの人工の障害物が設置されているのが特徴です。


自転車に乗ることができないセクションは、どの選手も自転車を押したり担いだりします。自転車を降りたり乗ったりのハードワーク。まあこれがね、時間とともに足にきて、心拍が上がるの(;´∀`)

またコースには「シケイン」と呼ばれる板でできた障害物が設置されています。このシケインも観戦ポイントのひとつです。

世界トップレベルの男子選手は、このシケインを自転車に乗ったまま勢いよくジャンプ(バニーホップ)して飛び越えていきます。

バニーホップは体幹がしっかりしていて、バイクコントロールが上手でなければできません。しかも失敗して落車したり、機材トラブルのリスクもあるため、大一番のレースでチャレンジするかしないか、選手の判断がわかれる箇所でもあります。

そしてついに、女子のレースでもシケインを飛び越えていく選手が現れました!

めちゃくちゃかっこいい…!♡

変化する路面を走り抜く

何度も選手が通過してコースには深い轍ができたり、夕方のレースでは気温が下がり泥が固くなるなど、コースの路面状況が刻々と変化していきます。

滑りやすく荒れたコースでは、選手同士との接触や転倒がよくあります。また、小石や木の根を踏んでタイヤがパンクしたり、段差の弾みでチェーンが落ちたり。シクロクロスにはメカトラブルがつきものです。もしチェーン落ちをしたら、自分で直さなくてはいけません。そして、サドルが曲がったら無理やり元に戻す、なんてこともあります…(^◇^;)  

選手の身体能力とテクニックはもちろんですが、変化する路面を的確に判断していかにスムーズに走り抜けるかが重要になります。わたしは体格的にパワーが無いので、一番速く走れるコースどりを試したり、乗り降りの判断を早くしたりと、レース中ずっと考えていることが多かったです。

走る側にとっては、自分のトレーニングと努力の成果がダイレクトに成績につながるので、とても面白いです。そして見る側にとっては、選手が何度も目の前を通過するので応援や観戦がしやすくて、楽しいです。

チームスポーツでもある

路面状況にタイヤが合わない、ブレーキが効かなくなる。レース中には思ってもみないことが起こります。
そのため、シクロクロスではピットエリアでの機材交換が認められています。ピットクルーがスペアバイクや予備ホイールを用意して、パンクや洗車、ホイールの交換などに備えて待機しています。トップ選手だと、スペアバイクを複数台用意するそうですよ。

ピットクルーと選手の息のあったやりとりはまるでF1のよう。おお〜とため息が出ます。シクロクロスは個人戦ではありますが、実は「チームスポーツ」とも言われています。

ホットに、でもクールに。

レース中には選手同士の駆け引きも行われ、目まぐるしい展開が常に繰り広げられています。コースとの戦い、ライバルとの戦い、そして自分との戦い。レースを通していかにクールでいられるか。

選手たちの真剣勝負に、観客はみな熱くなり、魅了されるのです。


今週末は世界選手権

そしていよいよ今週末、シクロクロスの世界選手権が開催されます。決戦の地は、アメリカ合衆国アーカンソー州フェイエットビル。1950年から始まった世界選手権は主にヨーロッパで開催されており、アメリカでの開催は2013年以来の2回目です。

実は、ずっと応援しているマチュー・ファン・デル・プール選手(オランダ)と、ワウト・ファン・アールト選手(ベルギー)が世界選手権を欠場するというニュースが…。

ファン・デル・プール選手は、ツールドフランスや東京オリンピックマウンテンバイククロスカントリーでの激しい落車の影響などで、背中の怪我が治りきらない、とのこと。

そしてファンアールト選手は、2月から始まるロードレースシーズンに照準を合わせるため、欠場となりました。


ともに27歳。長くシクロクロス界をけん引している2人のいない世界選手権です。

 マチュー・ファン・デル・プール選手(左)とワウト・ファン・アールト選手(右)


しかしながら、他にも有力選手がまだまだたくさんいます。東京オリンピックマウンテンバイククロスカントリー金メダリストのトーマス・ピドコック選手(イギリス)やベルギーの若手エリ・イゼルビット選手、オランダのラルス・ファン・デル・ハール選手。そしてもう1人の推し、フェリペ・オルツ選手(スペイン)…!
何より、今年は女子エリートが混戦模様でアツいのです!!!!🔥おっと、テンションが上がってしまいました。

世界一になった選手にだけ贈られる、白地にレインボーカラーのジャージ「アルカンシエル」は、いったい誰の手に渡るのでしょうか。わくわくがとまりません!

おわりに

選んで削って書き直してを繰り返した、3,611字。最後までお読みいただきありがとうございました。

UCIシクロクロス世界選手権公式サイト

ライブ配信

チームリレー (日本時間2022/01/29 03:30)

女子ジュニア  (日本時間2022/01/30 02:00)

男子U23   (日本時間2022/01/30 04:00)

女子エリート (日本時間2022/01/30 05:30)

男子ジュニア (日本時間2022/01/31 02:00)

女子U23    (日本時間2022/01/31 04:00)

男子エリート (日本時間2022/01/31 05:30)


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