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公演自粛ノート#2

ニーズ。。。
話は飛ぶ。
日本で「コンテンポラリーダンス」が始まって25年くらいかな。
国内のダンス史を説明という訳ではないけども、25年経った今も振付を教える公的な機関というものがそもそも日本にはない。
公は振付というものが世の中にあるという認識がないのかな。
ま、日本は文化政策がクッソ低いからそれも仕方ないないんだけど。。。
そして、民でいえば、国民も勉強が嫌いなのかそこまでニーズもない。

テラコ#2.05

例えば、ダンス教室が都内だと駅に一つはあって、歯医者かダンス教室かという感じ。
さて、その内の何割が振付を学んだ事があるのだろう。と思う。
でも発表会は二年に一度くらいやる訳で。
ダンスのテクニックを伝えるのも大切。
テクニックで見せきる作品も必要だし、本当に大切だがいいのだが、それ以外でダンスの面白さを伝えられる人間がいれば逆に更にテクニックの必要性を伝えることができる。
が、振付は学ばない。
日本人の美学であるんだろうね。芸術は自分で習うもの。
勿論自分で学ぶのも大切だ。
自分の感覚でキャッチして行く。
残念ながらその時代は過ぎてしまったと思う。

テラコ#2.06

伝えるプロ達
僕は本当にラッキーでカルメン・ワーナーという振付家に出会えた。
彼女に会って分かったのは振付には方法があるということだ。
感覚的に行っていた自分には刺激的だった。
いくつもの方法を自分で選びとって行く。
それは自分の中では言葉になっていなくとも無意識で行っている作業のように思える。
しかし、それを形式化したり、自分で作業を整理すればまたそれ自体を疑ったり、違う場所を認識して飛び出していける。
カルメンから教えてもらったのはその辺の認識とスタイルを持つということの面白さだ。
もう一人。
神戸DanceBoxという民間劇場で「国内ダンス留学」という通年でダンスや振付を学ぶ企画の講師をやらせていただいた。
まず僕は1ヶ月に渡って作品制作を受講者達と行い、その後その年のまとめとして余越保子さんという方がメンター(助言者)として加わり受講者が作品を制作した。
彼女の名前は聞いていただが正直彼女の指導力の高さ、メンターとしての能力の高さと機能が受講者の作品を通して伝わった。
受講者の特色を残し、作品の面白さを残したまま完成度が高かった。
それは振付論こそができる、どうしたら見えるようになるか。
解るようで解ってないとそれは伝えられない領域だ。
彼女がどういった経緯をたどっているのか、アカデミックな振付論を獲得しているのかは解らないが、その受講者の作品を発表する機会を見たときに「こういうもんだな」と思った。
https://www.kac.or.jp/artist_in_studios/12520/
https://www.provisionaldanza.com/carmen-werner/

かくいうわたしも
そう学術的に。。。
とはいうものの僕は大学や大学院で振付を学んだ訳ではない。確かに。
ま、カルメンはマドリッドのコンセルバトワールで教師の免許も獲得しているから彼女に学んだからというのが最終学歴。スイマセン。
なので、僕ができる事は「そういう環境を作る事だ」という風に思い立った。
ないのは作る。
しかもね、振付家と呼ばれる「人の動きを司る」生業だからそこに人が行き交うようになる人の流れを考えると嬉しい。
振付のノウハウがあって作品を見たり、批評したり、教えたりするようになると今後ダンスのレベルが各分野で上がる気がしている。
長くなったが「Terra Co.」にはそんな思いが寄せられてたりするのであった。

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