残余利益モデルの理論と実務
残余利益モデル(RIM)による企業価値評価の考え方は、強固な理論的バックグラウンドと数々の実務的な優位性を兼ね備えており、近年理論・実務の両面から注目が集まっている。今回はこれらRIMの優位性を概観し、更なる発展的モデルを理解する上での基礎固めを行う。前回はこちら。
RIMの理論的含意前回、配当割引モデル(DDM)にクリーン・サープラス関係(CSR)を適用することで、残余利益モデル(RIM)を導出した。残余利益は、資本$${b_t}$$から生み出されるべき利益(=$${rb