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これはあくまで聞いた話なので今これを書いているわたしとはかけ離れた内容になるから、何の心配も、ここには在りません、ということを明記しておきます。
彼女は以前まで、ちょうど今日まで我慢の足りない女だった。数週間前まで処方された薬を拒んで、自覚が足りないため様々を周囲に押し付けてようやく生活していた。父母の稼いだ金を自分のものだと思い込み、褒められない大学に通わせてもらっているにも関わらずさぼりまくってはさんざんに使いまくっていた。彼女は昨日隣の県にあるテーマパークへ恋人と遊びに行った。その翌日、今日の夜の21時前からその恋人と安いカフェに来ている。彼は彼女の向かいで彼が専攻している哲学の本を読んでいる。私は近々かれが何の疑いもない女の子と二人で会うらしいことを少し悲しく思っていた。また、話すこともないのに彼が本に集中していることを悲しく思っていた。かといって話すことはないのでいざ興味を惹こうと思ってもできないし、結局自分が困って二人の雰囲気をおかしくすることになるのは目に見えていた。
休みを明けて、明日から真面目に大学へ通おうとしている。アルバイトも始めようとしている。それにあたり、何か欲しいものや行きたいところ、したいことを考えようとしている。そういう馬鹿は、全部真面目にできたら自害しようと考えている。