令和5年 7月11日

 カラカラと心地よい音がする。ラムネに蓋をしていたビー玉が、水色や銀や青に煌めきながら揺れているのだ。
 澄み渡るほどの新緑が庭に広がっていて、時折遊びにやってくる風が心地いい。伸びをして畳に倒れ込むと、イグサの香りがした。その懐かしさに目を閉じてゆっくりと意識を手放す。少しずつ現実が遠のいて、代わりに音のない暗闇が近づいてくる。


 ……という想像をするだけで、ちょっぴり涼しくなれた気がする。

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