令和5年 8月29日

 心の深いところに、黒い靄が居る。“うろ”の中から長い首をもたげ、ジッとこちらを見つめてくるのだ。
 そいつはもう何年も……鬱で心を壊した頃からずっと居座っていて、俺の心を蝕んでは愉快に笑っている。出ていってほしくても、そいつは俺自身が生み出したモノだから消えてはくれない。いつか解放され自由になれる日が来るとすれば、もう俺の意識もその靄も、広い広い海の一部になってしまっているから元も子もない。

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