空から海が降る日
令和5年 8月13日
天候というのは理不尽だ。仕事の休憩中に外へ出た帰り道、いきなりゲリラ豪雨に降られた。晴れていたから傘を持たずに出たせいで、バケツの水を被ったようなビショ濡れになってしまった。どうせならいっそ、雨ではなく海が降ってくればいいのに。
街中を魚たちが泳ぎ回り、クラゲは街灯に美しく照らされる。青空が映える日には、ペンギンが飛行機雲に並んで泳いでいくさまがきっと素敵だ。
大きなクジラがビルの合間をゆったりと泳いでいって、イルカは通りすがる人間にちょっかいをかける。ふわふわヒトデが降ってくる日があれば、アザラシが集団で落ちている日もあるわけだ。空想するだけでどこまでも世界が広がっていく。
大好きな海の世界に想いを馳せていたら、雨に濡れたことなんてどうでも良くなってきた。波に揺られて身をまかせれば、どこまでも溶けてゆける気がする。
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