03「罠に掛かる全てを食べれば傷つかないのだろうか」

1999年6月。
ドラマ「ラビリンス」の主題歌として起用されヒットしたのが、
今回紹介する「Hungry Spider」だ。

この曲の最大の特徴は間違いなく、
曲の主役が「蜘蛛」と「蝶」の昆虫というところだ。

今までの槇原の曲を見ると、
彼の作品は人に焦点を当てた曲が多かった。

ただこのHungry Spiderは違う。

この曲の主役は僕ら人間よりもはるかに小さい生き物たちだ。

他のアーティストを見ても、
虫に焦点を当てた曲なんか簡単には見つからないだろう。
この曲は音楽界で見ても異質な曲だろう。

ただこの曲でさらに凄さを演出しているのがイントロ。

アコーディオンの音色が
まるでこれから物語でも始まるかのような雰囲気を醸し出し、
そのまま僕らを彼の幻想的世界へと誘っていく。

今すぐ助けると言うより先に 震えた声であの子が助けてと繰り返す

不本意な事故で、ようやく会えた意中の相手。
ただその子を助けようと近づく彼に放たれた言葉は、
彼と彼女の立場の差を圧倒的にするものであった。

その場面がBメロ最後に急激に叩きつける展開がいい。
その後Bサビに入りスピード感ある展開で物語は進んでいく。

歌詞の展開とメロディーが非常にマッチした曲。
歌詞から先に手がける槇原らしい1曲でもあるなー。


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