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地域のお祭りと人との縁

お祭りは好きか?

諸君!お祭りは好きかな?実は私はそうでもない。
お祭りがそんなに好きなわけではないのに、私は町内のお祭りの手伝いを10年くらい続けている。
今年は4年ぶりにお祭りを実施し、結果として大成功だった。
しかし実現に向けては困難の連続だった。何度も中止寸前に追い込まれた。しかし、お祭りに参加したみんなが協力してくれて、当日の最高気温も低くなってくれた。

お祭りを手伝うことになった理由

私が町内のお祭りを手伝うようになったきっかけは、人手不足なので手伝ってほしい、と町内会長さんに頼まれたからだ。
まあいいかと手伝ってみたが、勝手もわからないし、体力もないしでヘロヘロになってしまった。
後日、来年以降も手伝ってほしいとお祭り組織の人から頼まれた。
お祭りはそれほど好きではないが、自分が子供のころに町内のお祭りや肝試しやラジオ体操などを地域の大人が手伝ってくれていたことを思い出し、その恩返しになればと手伝うことにした。

それは「異世界もの」だった

自分の適性から、お祭り当日の役割でなく、事前の事務作業をメインに手伝うことにした。
お祭りスキーのみなさんには事務屋さんが少ないらしく、私のしょぼい書類作成能力や会議まわしが重宝された。
まるで異世界ものじゃないか!と今にして振り返ると思えるのだが、私にとってお祭りは異世界そのものだった。

まず、使われる用語がわかならい。何を言っているのがわからず、会話の前後から意味を掴んでいった。もちろん周りに用語に意味を聞くのだが、すぐに忘れてしまう。

次に、お祭りスキーの皆様が男女問わずみんな怖く感じる。地元育ちでないぽっと出の自分はどうしたら町内の主要人物たちと仲良くなれるのか?
とりあえず、手を動かすことにした。何年も手伝いを続けていたら、少しづつ皆の信頼を得て仲良くなっていった。
仲良くなったのはいいが、町内で面が割れてしまって、無表情でお買い物をしているところを声をかけられてしまうのはとても体に悪い。勘弁してほしい。町内でエッチな本が買えないじゃないか!

さらに、歴史がわからない。これは飲み会に現れる長老から学んだ。長老と雑談していると、戦時中の話を聞かせてもらったりもした。地元には特攻に行った人たちが訓練を受ける航空隊の基地があり、その人たちに美味しいものをたくさん食べてもらうべく食料を調達する話だった。マジ泣く。そういう不意打ちはやめてほしい。

こうして地元出身でない外様な自分がお祭り会議を手伝い続けたことで、私に対する謎の信頼が高まっていってしまった。お祭りそんなに好きではないのに。

みんなの笑顔を見るために

お祭り当日は、進行管理をしている。予定通り進行しているか確認し、予定より遅れたら休憩時間などを調整して時間内に終わるようにする役割だ。
笛を演奏したり、山車を引いたりするわけでもない。他人から見ると「時計と予定表をにらめっこして、休憩時間などをアナウンスする謎の人」だ。
あくまでお祭り当日の主役はお祭りに参加している子供、保護者、若者、シニア、食事のサポートをしてくれる人たちなのだ。

お祭り当日もさまざまな問題が生じる。でもお祭りの終了時には、参加者がみんな笑顔になる。
私はみんなの笑顔が好きだ。この笑顔を見るために私はお祭りを手伝っているんだな、と思う。

地域の縁

お祭りの手伝いと、それに加えて町内会の行事の手伝いも少々し続けていると、町内の様々な人と知り合いになれた。
仕事も学歴もさまざま。地主も医者も経営者も飲兵衛の博士もいる。意外なことに、同い年の人もたくさんいて嬉しかった。

お祭りを手伝うことがなかったら、決して会話をすることがない自分と対照的なキャラの方とも楽しく飲めている(悲しいことに自分は下戸)
相手からも「俺さんとは絶対に交わることはないと思った」と言われる始末だ。

そして今年、自分よりかなり若い人がお祭りを手伝ってくれて、来年以降も手伝ってくれることになった。なんと事務作業が得意とのこと。
こうやって、地域の人の輪がひろがっていくんだろうな、と思う。

人の顔が見えていれば、町内会としては災害対応などやりやすいだろう。
私個人としては、特にメリットを求めているわけではないのだけれど、職場の人間関係以外の人間関係があることは、年を取ってからの日常生活に潤いを与えてくれることだろう。

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