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シェフの営みを支え続けるパートナーとして

「冷凍生地の立ち位置もだいぶ変わりました。昔と違って、今は焼き立てよりもシェフの個性が求められる時代。私たちがやるべきことも徐々に変わってきていると感じます」

冷凍生地による製パンの研究が行われるようになったのは1970年代。日本ではベーカリーレストランの「アンデルセン」が国内初の冷凍パン工場を設立し、1980年代には冷凍生地を使った焼き立てパンを提供するオーブンフレッシュベーカリーが全国各地に増加した。

大阪で小麦粉をはじめとする製パン材料の卸売をしていた勇商店(のちのイズム)が冷凍生地製造を始めたのもちょうどこの頃。当時から現在まで、30年以上にわたって様々な製品開発に携わってきたイズム研究開発部の田部井部長は、冷凍生地が果たせる役割についてこう話す。

「シェフそれぞれにこだわりってあると思います。できることなら1から100まで、自分で自分の思うようにできたらそれが一番でしょう。ですがただ闇雲に『全部がんばらなきゃ』と思ってしまうと長く続かない。いつかはショートしてしまうかもしれません。

それならば、自分にとってここだけは譲れないというポイントをまず知って、そこに全力を注げる体制をとっていただけたらと思うんです。手をかけたいところに存分に手をかけてもらうために、それ以外のところでは少し肩の力を抜いたって良い。生地づくりというひとつの工程を私たちに任せていただいて、その時間でもっと力を注ぎたい表現や自分の個性と向き合ってもらえたら良いんじゃないかと思います。

一方で、シェフたちに安心して任せてもらうためにも、私たちは味と品質にこだわりたい。本当にこのやり方しかないのか、もっと美味しくできる方法があるんじゃないかって、まだまだ考えるべきことはたくさんあると思います」

ものづくりの大切な工程のひとつを預かるパートナーとして。イズムの職人たちはこれからも挑み続ける。

イズム
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