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カカオ供給チームの仕事

ヴァローナには、創業者の意志を引き継ぎ世界各国で活動を展開する「カカオ供給チーム」が存在する。現在チームに在籍するのは、様々な専門知識を持った4人のメンバー。

今回はそのうちの1人、農学​​者のジュリアン・デスメ氏に話を聞くことができた。ドミニカ共和国でのミッションからフランスに戻ったばかりだというデスメ氏が今見ている景色、そしてヴァローナが目指す世界について聞かせてもらった。

ジュリアン・デスメ / Julien Desmedt(写真右):熱帯作物を専門領域とする農学​​者。2013年よりヴァローナの「カカオ供給チーム」に所属。アジアまたはラテンアメリカでカカオ生産者の協同組合や企業とヴァローナの価値観を共有し、長期的なパートナーシップを築く活動に尽力している。

創業から現在まで、ヴァローナが一貫して目指すのは「美味しいチョコレートをつくるための良質なカカオ豆」の入手。これを達成するために、デスメ氏とチームのメンバーは「カカオ供給源の確保」とそれに紐づく「生産者のサポート」という2つの軸を行き来しながら、各々が独自の手法で業務を推進している。

デスメ氏によると、メンバー全員に共通する仕事のひとつが工場レベルの生産量と品質の安定性が見込めるカカオ供給源の確保。ヴァローナ独自の合格基準を満たしたカカオ豆を安定的に工場に届けるための生産管理、そして生産者とのパートナーシップ構築および強化も彼らのミッションとなる。既に長期契約が締結されているドミニカ共和国をはじめ、ヴァローナでは現在16の国とやり取りが進められているという。

またこれと並行して進められるのが、新たな供給先の開拓だ。原産地のリサーチはもちろん、未来の新種に関する予測なども随時行われる。ヴァローナは現在16の国、計18208のカカオ生産者からカカオ豆を購入しているが、既に見知った土地で新たな発見があるケースも少なくない。そのため、常に全方位に対してアンテナを張り巡らせる必要があるという。

「生産管理に関して決まった形はありません。特に課題がなければそのまま仕入れ作業を進めますし、遂行できない何かしらの理由がある場合には、生産者と共に発酵や乾燥などの工程を見直して物理的な投資を検討したり、あるいは品質以外の部分に課題があるなら仲介者のような形でコミュニケーションをとっていきます」

デスメ氏曰く、重要なのはこの“課題”を誰の視点で捉えるか。

「今優先的に解決しなければならないことは何か、それはどのような状態にあることが解決と言えるのかに関しては、他所から来た私たちに決められることではありませんからね」

現地コミュニティとの密なコミュニケーションを通じて、課題の芯を捉える。そこには一人の人間として生産者の心と向き合うプロフェッショナルの姿があった。

ヴァローナ ジャポン
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