恋するが分からなかった

初めての投稿はこれに。高3の1月の話。

今日は学校で勉強しないで直帰しよう。塾もないし、金曜日だし、センター試験も終わったし。

学校前のバス停に並んでいると、「お!お疲れ」と友人がやってきた。高1から仲良くしてもらっている唯一の女の子で、私と同じバス・電車で高校に通っている。(バスで高校の最寄り駅まで行って、全く同じ方面の電車で彼女は10分くらい、私は20分くらい)帰り道、一緒に話すことが多く、気が合うことがわかったのだ。

まずは受験生verの「ご機嫌いかが?」である「センターどうだった?」を切り出す。周りはそればっかりでウンザリもしていたが。(この頃の3年生は、終始浮ついた感じで、早口で話していた。まくしたてるように、やたらとニコニコして、ちょっとしたことでバカ笑いして、異様な雰囲気だったと思う)
ひとしきり、センター試験の話、受験校の話、学部学科の話をして、やがて将来の話になった。バスがやってきて乗り込む。そろそろ寒くて死にそうだったのでホッとした。ヒーターの音がうるさいので、少し声量を上げて話を続ける。彼女は滑り止め受験もなしで一校のみを受け、やりたいこともかなり明確だった。(しかもちゃんと合格した)対して私は何も決められず、ただ漠然とした不安を抱くばかりだった。「今から受験校決めるんすよ‥というかそれ以上に、将来がすごい不安なの‥」

「なんか、まず就職もそうなんだけど、親の介護とか、自分の老後とか死後とか」
「随分先だね」
「1番は結婚なのよ‥。親孝行のためにもしなきゃいけないんだけど…。孫つくってくれなかったら、誰がママの墓参り来てくれるの?って言われちゃうし」
「あはは!そんなこと言われんの」
「そう!世間では恋愛結婚が大半、じゃん!そもそも人を好きになることがあんまり分からなくて…都合良く結婚みたいな形とれないかな……」
「できないよー」
「好き、は沢山あるけど、人に対して恋や愛という形で表れる感覚がわからん……」
「そうかー。失礼かもだけど、恋愛経験は?」
「全くありませんね。これはちょっとダメだね」
「まあ、これに関しては人それぞれだからね。好きになるっていうのは、そういう感情かもしれないし、そういう思考かもしれないし……
「なるほどねー、そういう思考かあ」
「友達の友達の女の子だけど、同性が好きになる対象って子もいるよ。身近にね」……………

その後もバス降りても、電車乗っても将来についての話をした。彼女は先に電車を降りていった。
いつもは10時ごろ帰宅するためにお目に掛れない、赤い夕日を見た。



「好きになるとは思考なんだ」を教えてもらって、少し人生は前向きになりました。考えてみると、私はいろんな人が好きだし、嫌いな人はあまりいないのだと分かったのです。彼女と仲良くしているのも、私が彼女を好きだからなんだろうと気づいたわけです。私が持っていない沢山の良い所に尊敬の念を抱き、慕っているから、私もそうなりたくて学びたくて、側に居たい、友達になってほしいと考えていたけれども、それが則ち好きということなのかもしれない。また、他人に対して良いと思う部分もあるし、悪いと思う部分もある。「好き」の人々にも当然あって、でも良い部分がとても多いから「好き」です。もっともっと多くなると「恋」に変わるのかもしれませんね。思考としてちゃんと考えると、好きが見えてくるようになりました。それに、自分は他人の、当時はクラス全員までも、良い所と悪い所を挙げることができると分かり、少し誇らしい気持ちにもなったのです。
些細な発言ですが、ずっと大切にしています。


………文章下手くそだ、、、