見出し画像

ワシントン州のピノ・ノワール

先週のワイン・スペクテータ誌の記事があちこちで紹介されていました。ワシントン州で本格的にピノ・ノワールを作り始めた。と言う記事。しかもそれをつくっているのはチャールズ・スミスです。

元々少量ですがワシントン州でもピノ・ノワールはつくられていました。でもどうしてもピノ・ノワールと言えばお隣のオレゴン州を思い浮かべがち。ですがあれだけ広いワシントン州ですから、美味しいピノが出来る場所はかならずある!と考えるのが自然なんですよね。

日本とアメリカ西海岸同緯度地図

↑赤い場所がワシントン州です。(ちなみにピンクがオレゴン、青がカリフォルニア。)北海道よりも緯度的には北にあります。

ワシントン州ワイン産地 オレンジ

しかもワシントンのワイン産地は南北にも東西にも広い。白いのがワシントン州全体でオレンジがワイン産地です。そして標高も高い場所が多い。つまり夏場、雨も降らずめちゃめちゃ暑い場所もあれば、雪でまっしろになる場所もあるという事です。

だから、ワシントン州のピノ・ノワール自体がそんなにビックリする事ではないのですが、チャールズ・スミスが絶対の自信をもって大規模にピノ・ノワールをつくる!!というのがニュースでした。

ちなみに弊社ではファーストリリースの2018年から輸入しています。2019年の1月・・・つまり初収穫の後にチャールズ・スミスが来日した時、「まだ秘密なんだけどね・・・ピノ・ノワールを作ることにした。もうずいぶん前から用意をしていて、やっとワインを造るんだ。絶対にすごい事になる!!」と興奮しながら話してくれたのが忘れられず、、、初リリースはアメリカ国内しか出さない。と言われてたのを無理やり分けてもらったのです。

今なら2018と2019両方あります。


ワインスペクテータの記事を簡単に訳しました。

チャールズスミス @Golden West vineyard

ワシントン州でピノ・ノワール?
チャールズ・スミスが見出した可能性

シラーやリースリングで知られる異色の醸造家が、コロンビア・ヴァレー北部の151haのピノ・ノワールの畑を開墾。
 

チャールズ・スミスは、突拍子もないことをやってのける。カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーで知られるワシントン州で、151haのピノ・ノワールを栽培するのは、チャールズ・スミスのような革新者以外に誰がいるだろうか。チャールズ・スミスは、ゴールデン・ウエストと名付けられたこの畑が、ワシントン州の歴史上最大のピノ・ノワールの栽培地であると信じている。そう言うのは簡単だ--米国農務省によると、チャールズ・スミスがピノノワールを植え始めたばかりの2017年には、州全体でピノ・ノワールの栽培面積はたったの243haに過ぎなかった。

チャールズ・スミスが小規模で何かをすることは無いと言っても良い。この畑がフル生産になれば、年間12万ケースの生産が可能だ。K Vintners、Sixto、Substanceなどのブランドを持つチャールズ・スミスは、斬新なマーケティングとワイン造りのアイデアでワイン造りの名声を築き上げた。彼の目標のひとつは、「本格的でありながらコストパフォーマンスの高いカジュアル・レンジのワインを造ること」で、 “カンフー・ガール・リースリングや、ベルベット・デヴィル・メルローを冷涼なエンシェント・レイクスで造りそれを実現している。2016年にはこの2つを含む”チャールズ・スミスワイン“ブランドを世界的飲料メーカーのコンステレーション社に1億2千万ドルで売却する事に成功もしている。

このゴールデン・ウエストにブドウを植え始めたのも同じ年だった。チャールズ・スミスは、“カンフー・ガール”やシャルドネ・ブランド“シクスト”の成功に自身が触発されたのだという。これらの冷涼な気候の白ブドウがワシントンで成功したのなら、ピノ・ノワールも成功するのではないか?
ゴールデン・ウエストは、コロンビア・ヴァレー北部のワルーク・スロープとエンシェント・レイクスAVAの間に位置するロイヤル・スロープAVAにある。初ヴィンテージは2018年だが、チャールズ・スミスはこれまでゴールデン・ウエストについて実は消極的だった。

「私たちが手に入れたものが何だったのかがわかるまでは、何も公表したくなかったんだ。実際ここには成功する理由がたくさんあった。」と彼は語る。「しかし、自分の戯言を信じてはいけない。真実はボトルの中にあるんだ。」

チャールズ・スミスは、この場所を詳細に考え抜いた。緯度と夏の日中の気温は、フランスのブルゴーニュ地方に似ている。畑の標高488m、石灰岩、火山性、砂質土壌が混在している。ブドウは樹勢をコントロールするために比較的狭い間隔植え、平均して1エーカーあたり約3.5トンの収量を得る。全房発酵は約30パーセント行い、環境酵母(野生酵母)を使用し、樽の中で澱の上で休ませたワインは、瓶詰めの準備が整うまでフィルターがけや攪拌はいっさい行わない。

「大量生産のワインだが、手抜きはしていない」とチャールズ・スミス。現在は一種類のピノ・ノワールしか作っていないが、将来リザーブワインとしてリリースする可能性のあるブロックはすでに特定してある。現在リリースされているGolden West Pinot Noir Washington 2019は20ドルで、アルコール度数は13.5%、新世界のピノというよりも旧世界のピノに多く見られる土や森の芳ばしさのニュアンスが多く感じられる。

チャールズ・スミスにとって、コストパフォーマンスは非常に重要だった。「お金をもっていようがいまいが‘良いワイン’に巡り合えるべきなんだ」とチャールズ・スミスは言う。「これは私のレガシー・プロジェクトだ。私はワシントン州にピノを持ち込んだ男として知られるようになりたいんだ。
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?