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コロナ禍におけるアマチュアオーケストラの演奏会の開催について
コロナ禍でどんどん演奏会が中止になる中、感染リスクを限りなく低減して演奏会を開催する方法を模索しました。
【ホール】
感染症対策を十分に取っていて、かつ、間口と奥行きのある広い舞台のあるホールを選びました。今回は、春日井市民会館(https://www.kasugai-bunka.jp/archives/taxo_guide/shiminkaikan)で行いました。事前の打ち合わせから、丁寧に、感染症対策について話しあうことができました。当日はホールの取り決めにより、1000席ほどある座席の半分がソーシャルディスタンス確保のために使用不可となりました。
【選曲】
ソーシャルディスタンス(最低左右1.2m、前後2m、ただし斜めにずれる場合は前後1.2m)が取れる編成の曲を選びました。春日井市民会館は舞台が広めのホールでしたが、それでもディスタンスをとると舞台にのるのは50人が限界でした。今回は41名の編成でした。弦のプルト数は4・3.5・2.5・2・2とかなり小さい編成です。管は2管編成でTbとTubaはなしです。打楽器はティンパニのみです。もう少し乗るような感じでした。
【練習】
多くの練習会場に制限があるのと、練習で集まること自体がリスクになるので、練習を限りなく少なくしました。もともとは当日リハのみの予定でしたが、さすがに不安があったため、結果的に弦トップ練1回と、参加自由の合奏練習(約半数が参加)を行いました。
【エキストラ】
少ない練習でも不安定な演奏にならないよう一部、プロのエキストラのお力をお借りしました。今回は、バイオリン1名、ビオラ1名、ファゴット1名、プロの方にエキストラを依頼しました。また、急な欠員に備えて、直前でもエキストラを頼めるようプロ、芸大生のネットワークを把握するよう努めました。
【奏者募集】
練習がないため、コミュニケーションがとりづらくならないよう、公募は避け、トップ奏者の人脈を頼って人集めをしました。また、出演者募集の際に中止のリスクをあらかじめアナウンスしました。中止となっても経費がいくらかかかるので、団費の一部が返金できなくなる可能性も伝えました。以下、団員集めをしたときの応募フォームです。Google Formを使用しました。
https://forms.gle/m3yp8WrxAzj3TjYy7
【中止の判断基準】
以下のようにあらかじめ取り決め奏者にアナウンスしました。
《確実に中止》
・ホールから公演の中止を要請されたとき
《高い割合で中止》
・全国的な緊急事態宣言が発令され、休校要請、休業要請、またイベントの自粛要請が出されたとき。(3月4月のような状況)
《中止も検討するがなるべく開催する方向で相談》
・愛知県で緊急事態宣言が出されるも、休校、休業にはならず、イベント自粛要請もない場合(8月のような状況)みなさんに相談して中止かどうか決定(エキストラを呼べばなんとか成立するだろうが、その場合出演料が上がってしまう)
・緊急事態宣言は出されないが、感染者増加により、出演を辞退する人が多く出た場合
【集客】
中止になった際にアナウンスできるよう集客はweb中心で行いました。(webが無理な人には電話対応) 当日紙に書いてもらうのを避けるためにwebフォームで事前申込としました。こちらが実際のwebフォームです。https://forms.gle/Hadh7ERmXkR9ggQW8
チラシ裏面の9つの確認事項を承諾したむねを確認しています。
ホールから、出演者、お客さんの氏名、居住地、電話番号を収集するように言われていたのでフォームの質問事項に含めました。(なにかあったとき保健所に提出できるよう)
フォーム入力ができない人はメールまたは電話での申し込みを可とし、電話申込の方には確認事項を当日ホールで紙で渡しました。事前申し込みのことがよくわからず当日来てしまった人には、申込書を用意し、その場で、氏名や連絡先を記入していただき、感染症対策に協力していただく旨にチェックをしていただきました。
【お客さんへの事前連絡】
以下の内容を事前に送りました。実際はチラシ裏面の1~9の確認事項も書いてあります。
【打楽器】
打楽器は普段は大学オケから借りることもありましたが、今は部活動禁止等で借りれなくなる可能性があるため、業者から借りるようにしました。打楽器を貸し出ししているホールもあるのでそちらも選択肢にありました。
【当日の受付方法】
(1)受付番号と氏名を言う
(2)検温(ホールが準備したサーモカメラ)
(3)体調について確認(「咳等風邪症状はございませんか」と聞く)
(4)手指の消毒
(5)入場
電話申込の人にはweb申し込みの人にメールで伝えた追加の感染症対策についての確認事項の紙をお渡ししました。
【用意したもの】
・非接触型体温計、フェイスシールド(受付用)、消毒液(団員用)、使い捨て鉛筆、マスク(マスクを忘れた人用)
【その他工夫】
・プログラムは作りませんでした。(紙で手渡しはリスクがあるため)
・開場から開演までの間、観客が客席でしゃべらないように、開演前にオープニングパフォーマンスとして、アンサンブルの演奏をしました。
・当日の楽屋はホールからの人数制限以上にゆとりをもって楽屋割をしました。
・団費の集金と謝礼の支払いは手渡しのリスクを避けるため、なるべく銀行振りこみで行いました。
・大勢での飲食はリスクを伴うため、演奏会当日の打ち上げはなしとしました。
【一番怖かったこと】
・練習会のときに参加した団員で感染者が出てしまうと濃厚接触となってしまうため、演奏会自体が開催できなくなるというリスクを恐れていました。念のため演奏会の2週間前に練習会を設定しました。
・演奏会当日に体調不良で欠員が出ることも恐れていました。熱があったりしたら休んでもらう以外ないので、特に管楽器でそのような人が出た場合エキストラが見つかるかどうかという不安がありました。
【苦労した点】
・チラシを挟める演奏会がほとんどなく、2000枚印刷したチラシの配布方法に困りました。1000枚ほどはなんとか挟み込みができましたが他はホールなどの施設や楽器店への置きビラで対応しました。
・集客は200名を目標としていましたが、結果的には90名でした。感染症リスクを考えると少なくてもよかったのですが、すこし寂しかったです。
【よかった点】
・演奏会がどんどん中止になっているので、演奏したい!という人が多く、人集めが思ったよりもスムーズでした。
・練習なしという点はリスクもありましたが、結果的には、団員一人ひとりが責任を持って個人練習やスコアリーディングを行ったため、緊張感のあるよい演奏となりました。曲目にもよるかと思いますが、合奏練習が少なくても演奏会開催は可能だと思いました。
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