芸文ロビー運営Covid19バージョン覚書き

愛知芸術文化センターコンサートホールにて2021年3月28日にオーケストラのコンサートを開きました。ロビー運営が特殊だったので書き留めておきたいと思います。

【1.チラシ裏面】

画像3

チラシに感染症対策について一通りのせました。この内容を事前申込でもチェックし、また同じ内容を当日のアナウンスでも流しました。

【2.入場方式】

《全席自由席》今回は、入場無料の自由席の公演でした。ホールの人曰く、有料の公演で、全席指定が、コロナ対策としては最もスムーズとのことでした。自由席の公演だと、席を取るために多くの人が早めに来るため、入場前の列が長くなるためです。

《事前web申込》チケットなしでしたが、webで事前申込をできるようにしました。こちらがそのwebフォームのコピーです。すでに終わった公演ですが、ためしに入力していただいて構いません。(チェックはしませんが、本当の情報は入力しないでください。)この事前申し込みは実際には当日チェックするのをやめたため、申込としてはお客様側からしたらあまり意味のないものになってしまいましたが、オケとしては①来場者数の事前把握、②感染症対策の事前周知、に役立ちました。チェックをしないことにした理由ですが、10月に行った公演で事前申込の有無をメール画面の提示でチェックしたところ、大変時間がかかり(その時は来場者が100名程度だったのでなんとかなった)、芸文での公演では逆に入り口で混雑してしまうと考えたためです。

《申込カード》また、ホール側から、当日確実に来た人の連絡先を収集してほしいといわれたため、事前申し込みをした人も、してない人も、全員に氏名と電話番号を申込カードに書いてもらうことにしました。こちらがそのカードの内容です。

申込カード

メールアドレスか電話番号があればいいということでしたので、よりパッとかける電話番号を書いてもらいました。名刺サイズの厚紙で作成し、開場前に並んでいる人には使い捨て鉛筆とセットで渡して、待っているときに書いてもらうことにしました。その他のお客さんには、検温後、ロビー内に設置した記入スペースで書いてもらいました。普段チケットをもぎる場所で、このカードを渡してもらいました。作成費用はラクスルで500枚で2800円ほどでした。


【3.必要人員数】

ホールとの事前打ち合わせ時にロビーの設営図をもらい、必要人員について確認しました。

ロビー2

クローク預かり、花束プレゼント受付をコロナ対策で中止しましたが、想定以上にスタッフが必要でした。まず、開場時間前後の場外整理に最低5名は必要と言われました。お客さんにソーシャルディスタンスを促すためにいつもより多くの人員を割きました。次に、検温体調チェックの2箇所にそれぞれ2名ずつで4名、消毒声掛けに2名。体温チェックは専用サーモカメラとモニターで行い、37.0以上ある人は、普通の体温計で測るために、もう1名スタッフが必要でした。また、今回は来場者全員に申込カードを書いてもらうという方式をとったため、申込用紙に記入するのを促すのにもう1名配置しました。さらに、補佐として1名配置しました。また、当日に必要だとわかったのですが、場内整理に2名必要とのことでした。

まとめると、以下のようになります。

場外整理5名、消毒声がけ2名、検温2名、高熱者対応1名、用紙記入声掛け1名、全体の補佐1名、場内整理2名、全部で14名。

今回は場内整理についてすっかり忘れていたので、12名のアルバイトを雇いました。ほんとうは開場1時間半前から終演までの4時間で8名雇い、足りない部分を団員から手伝いとして回す予定でしたが、フルタイムで集まらなかったためフルタイム4時間を5名、開演までの2時間の時短で7名雇いました。実際、時短が7名でちょうどよかったです。(ほんとうはプラス2名いたほうがよかった)

【4.事前準備、必要装備】

事前に準備したものは以下の通りです。

フェイスシールド、手袋(何かを手渡しする際は手袋着用)、透明パーテーション中サイズ8枚、拡声器1台(大声を出さなくてよいように)、申込カード、使い捨て鉛筆、追加の消毒液(ホールが最低限は用意してくれる)、個包装マスク(忘れたお客様用)、注意事項のラミネート

ラミネートはA3サイズで、「ソーシャルディスタンス」「館内マスク常時着用・座席は1席あけて・私語は控えめに」「最後尾」「入場の流れ(検温体調チェック・申込カード記入・申込カード提出)」「体調チェック項目」の5種類を2枚ずつ用意しました。これを用意したのは、声掛けの頻度を下げるためです。

【5.ロビー設営】

ロビー


見にくいですが、まず申込記入所は、当初は長机を等間隔に置く予定でしたが、ピンクのペンで書いたようなコの字型に変更しました。それぞれの名が机の真ん中に、透明パーティションを置きました。投票所のブースのような形になりました。当初のレイアウトではお客様が狭い場所ですれ違うことが多くなるため、より接触を減らすためにコの字型に変更しました。また、検温器の前をロープで仕切り、確実に1人1人順番に通ってもらえるようにしました。検温器の設置に時間がかかったそうです。13時15分開場で、12時過ぎから準備しましたが、場外整理を同時並行で行ったのもあり、あわただしくギリギリでした。

【6.場内アナウンス】

場内アナウンスをコロナ対応のものにしました。以下がおおむねの内容です。

『本日はOrchestra B Second Concertにご来場いただきまして、誠にありがとうございます。
まもなく開演いたします。ホワイエにおいでのお客様はご着席くださいませ。上演中の、許可のない録音・録画・写真撮影は固くお断りいたします。
携帯電話やアラーム付き時計は、音や振動が出ない状態になっているか、設定を今一度ご確認ください。
スマートフォンにて新型コロナウイルス接触確認アプリをご使用中のお客様は、電源をオフにせず、機内モードに設定の上、ブルートゥース通信機能をオンにしてください。
飴の包み紙やプログラムが擦れる音、カバンなどにつけた鈴の音、余韻を待たない早すぎる拍手はほかのお客様のご迷惑となります。音楽を楽しむ環境づくりにご協力をお願いいたします。

これより皆様に、新型コロナウイルスの感染予防対策をご案内いたします。
館内では常に鼻と口を覆うようにマスクを正しく着用し、適宜、各所に設置された消毒液をご利用ください
大声での会話は感染リスクを高めます。会話の際は、間隔を取り、控えめに小声でお願いいたします。
公演中、「ブラボー」などの掛け声は固くお断り致します。かわりに、大きく細かい拍手で気持ちをお伝えください。
終演後も会話は控えめにお願いいたします。
混雑緩和のため、順番に退館の案内をします。アナウンスにしたがって退館をしてください。
出演者との面会はご遠慮いただいております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
本公演は休憩時間がございません。

以上、ご協力、よろしくお願い致します。』

この内容を開演前に2回アナウンスしました。

【7.その他気をつけたこと】

・時差退館。お客様が320人とさほど多くなかったのですが、少しでも混雑をさけるためにそのようにしました。来場者が多い場合は必ずそうすべきだと思います。

・1席あけての着席。1席あける案内をする場合、グループごとに1席あけるか、グループ内でも1席あけるか事前に決めておかないといけません。今回は決めてなかったので困りました。

・休憩時間をなくす。休憩時間があると、私語が増え、またロビーでの接触も増えるため、休憩時間をなくしました。代わりに舞台転換をゆっくり行い、お手洗いは可としました。

・細かいことですが、団員がロビーにでることも考え、フェイスシールドは、メガネ型を用意しました。バンドでとめるタイプだと髪型が崩れるからです。

【8.外注か自前でやるか】

ロビー運営は外注するという方法もあります。プロがやってくれるので安心です。名古屋ならクラシック名古屋さんがロビー運営を請け負ってくれます。ただ、コロナ対策のため、外注費用がいつもよりかなり高くなっています。今回自前でやり、外注の見積もりの3分の1の金額でできました。今回の公演では非常に有能な人にロビーマネージャ―をお願いしたため臨機応変に適切に対応していただけましたが、慣れていない人だと、運営がおそらく難しいと思います。安心料という意味では多少高くても、プロにロビー運営をお願いするのも悪くないと思います。

【9.感染症対策で大事な事】

お客様に感染症対策に協力してもらうためには、繰り返しお客様に伝えることが大事だと考えています。普段と違うことなので、一度言っただけではなかなか行動にうつしてもらえません。時に、私語に関しては、私語をしないでくれと言っても、なかなか難しいです。今回、①チラシ裏面、②事前申込フォーム、③確認メール、④ロビーでの呼びかけ・掲示、⑤場内アナウンス、というように繰り返し、感染症対策を促しました。しつこいほど言ってちょうどよいと思ったほうがよいです。


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