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【遊戯王マスターデュエル】NR星遺物ハイドランダー(改良版)

※この記事は前回記事で紹介した【星遺物ハイドランダー】、その改良版の紹介です。
「【星遺物ハイドランダー】って?」という方は是非そちらをご覧下さい。


1.はじめに

【星遺物ハイドランダー】は強い!

N/Rフェスティバル、楽しんでいるだろうか?
ガチガチのメガリスから愛溢れる純ファーニマルまで、結構いろんなデッキを目にした中、筆者は下記記事の【星遺物ハイドランダー】を手に20000ポイントまで完走した。

結果は上々で、9割近い勝率。
あくまでフェスでの勝率なので、環境的にどの位置にいるのかこの数字だけで判断することはできない。
ただ、トップメタの【メガリス】はもちろん、【メタルフォーゼ】【無限軌道ガジェット】【マジェスペクター】【幻煌龍】といったデッキ相手にも十二分に戦える感触だった。
デッキパワーの高さでは随一なのでは、とすら思う。


とはいえ課題も

ただ、実際に使っていく中でもっと積みたいカードに気付いたり、いくつかのカードの使用率が極端に低かったりしたため、最終的なデッキ構築は前回記事とは多少異なるものになった。
本記事では、まず改良版の構築を紹介し、前回との変更点、および追加カード等について補足・解説したい。
加えて、主だったデッキとの対面時、注意すべきプレイングについても触れたい。


2.構築

改良後の構築は以下(画像クリックでカードデータベースのレシピに遷移)

サイドデッキは前回から抜けたカード+新たに採用候補に挙がった(が結局抜けている)カード。


3.プレイ方針

この辺りについては前回記事から大きな違いはないので、ここでは割愛。
向こうにはかなり細かく書いたので、見に行ってみてほしい。


4.抜けたカード達についての解説

メインデッキ

  • 《トラゴエディア》

ランク8要員+手札事故時のケア札として採用していたカード。
ただ、効果は受動的であり、あまり積極的に活かすことができなかった。事故ケアとして入れるなら、いっそこの枠を削って初動を水増しすれば良い。
投入当初は防御札としての役割も期待していたのだが、このカードで助かったと感じる場面もあまりなく。そもそも攻め込まれる事なく勝ってしまうことが殆ど。
ランク8を不採用にした(後述)こともあり、こちらも不採用に。


  • 《星遺物が導く果て》

星遺物の永続魔法で、リンクモンスターに除去耐性を与える。
ただ、デッキ内の永続魔法罠が少ない関係上、このカードに相手の魔法罠除去が殺到する事に。《星遺物-『星盾』》で守ることは出来るが、狙ってできる機会はそこまで多くない。
効果も受動的であり、狙って活かせる場面が少なかった。
決して弱くは無く、相手からすると厄介なカードだと思うのだが……悩んだ上で不採用に。


エクストラデッキ

  • 《No.46 神影龍ドラッグルーオン》

  • 《No.97 龍影神ドラッグラビオン》

  • 《No.92 偽骸神龍HeartーeartH Dragon》

  • 《No.84 ペイン・ゲイナー》

  • 《No.77 ザ・セブン・シンズ》

ランク8セット。
安定して出せれば強いのは【無限軌道ガジェット】等が証明済み。ただこのデッキではあまりにも召喚機会が乏しかった。
レベル8自体は立ちやすいものの、流れの中でそれが2体並ぶということがほとんどない。
元々空いた枠に詰め込む形で入れていたため、他に必要なエクストラが出てきた事もあり、これだけで5枠食うのは勿体無い……ということで不採用に。


  • 《プロキシー・ドラゴン》

自分フィールドの《バージェストマ・ディノミスクス》やトークンを処理する枠。
ただ、《影王デュークシェード》や各種オルフェゴールの闇属性縛りを考えると、光属性のこのカードは出せないことも多く、使いづらい場面も。
闇属性で縛りのないリンク2には、NRだと《スペース・インシュレーター》《ミス・ケープ・バーバ》が存在するので、そちらと交換という形で不採用に。
(この辺りは純粋にリサーチ不足だった。反省)


  • 《コードブレイカー・ウイルスソードマン》(2枚目)

正直、ここはまだ悩み中。
このカード自体は文句なしに強く、リンク2汎用での最高打点に加えて、効果で除外されるため、墓地で被って《影星軌道兵器ハイドランダー》の邪魔になることも少ない。
——ただしそれは相手が破壊してくれた場合。高リンクの経由点として使用すると墓地に埋まってしまうため、2枚目以降のこのカードがやや使いにくくなってしまう。
そこで、経由点として他のカード、《スペース・インシュレイター》や《コード・トーカー》に目が向くようになった。これらはサイバース族であるため《星遺物の齎す崩界》とシナジーする意味で若干得があり、種類を分散させれば墓地被りの心配もなくなる。
《コードブレイカー・ウイルスソードマン》を使いたい場面は主に先攻1ターン目でこのカードだけ立てる場合、もしくは純粋に高打点を必要とする場面。先攻で立てた1枚目が除去→蘇生後除外され、かつ高打点リンク2が必要となった場合にのみ2枚目が欲しくなるだろうけれど、今の所そのような場面には遭遇していない。

5.追加したカード達についての解説

メインデッキ

  • 《妖醒龍ラルバウール》(2枚目)

自分モンスターの破壊時に場に出て、《影星軌道兵器ハイドランダー》や《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》をサーチする。
このカード、甘く見ていたがめちゃめちゃ強い。扱いやすい下級で、手札・墓地のどちらにいても役割を遂行し、壁役+リンク素材になり、さらに手札まで切るのだからデッキとの相性は抜群にもほどがある。
2枚目を追加したことで《影星軌道兵器ハイドランダー》へのアクセスが格段に向上し、デッキの懸念であった「ハイドランダーを引かない」という点はほとんど解消した。
前回の記事でネックとして挙げた自己蘇生が受動的であり墓地被りする点も、効果発動自体の容易さからほとんど気にならない。流石に3積みは控えたが、気持ち的にはそれくらいの強カードである。


  • 《星遺物の齎す崩界》

手札・場・墓地の星遺物を除外し、攻撃力に転化する。
NR限定戦では打点が不足しがちである。3000打点の突破の難しさという意味でも、ワンショットキルの難しさという意味でも。このカードはその両方を補う事ができる。打点上昇という効果はシンプルではあるが、それゆえに強力。ちゃんとダメージステップ発動もできる。最高上昇値は《星遺物-『星槍』》の3000で、3積みの《星遺物-『星鎧』》を除外する事が最も多い事から2500アップがメインの運用となるだろう。攻撃力の上昇は永続である点もグッド。【チューナー】のキーカード《イージー・チューニング》と比べるとインフレに震撼せざるを得ない。
フィールドや墓地のカードが相手の効果対象になった場合、サクリファイスエスケープするような動きも可能。また、《影星軌道兵器ハイドランダー》のコストで被りの星遺物が墓地に落ちた場合、このカードで緊急的に除外して条件を成立させる事も可能。
②効果についてはあまり期待できないものの、「墓地に落ちても全く無意味にはならない」という点では良い。サイバース族リンクはこのデッキだと《スペース・インシュレイター》《コード・トーカー》《ペンテスタッグ》《パワーコード・トーカー》が該当し、多くの場合そのうち1体は墓地にいるため蘇生自体は十分に狙うことができる。
また、《星遺物の導く果て》を抜いたことで減った星遺物カードの水増しでもある(《星遺物の醒存》の成功率は可能な限り維持したい)。あちらと比べると永続罠である点も強く、《バージェストマ・ディノミスクス》の蘇生トリガーになるほか、《星遺物-『星盾』》で守るにしても、魔法だと牽制にしかならないが、罠なら相手の《サイクロン》等にチェーン発動する奇襲性がある。


エクストラデッキ

  • 《撃滅龍 ダーク・アームド》(2枚目)

破壊効果を持つランク7。
このカードが簡単に立つのがデッキの強みの一つとも言えて、デュエル中常に狙っていきたいエクシーズ。
2枚目が必要な場面はそこまで多くないものの、やはりあると役立つ瞬間は確実に存在するので枚数を追加。
墓地の任意のカードを除外できるのもこのカードの強みで、墓地で被っているカードを取り除いたり、複数積みゆえ被りそうなカードをあらかじめ取り除いておくことで、《影星軌道兵器ハイドランダー》の召喚・効果発動を確実なものにできる。特に《星遺物-『星鎧』》は自身による取り除き効果が無いため、このカードで積極的に除外したい。
このカードを複数積む事による墓地被りの問題も、自身の効果によって1枚目を除外する事で解決できる。


  • 《副話術士クララ&ルーシカ》

汎用リンク1。
通常召喚したモンスター、かつメイン2でしか召喚できないなど、条件は決して緩くはない。しかし、《星杯の妖精リース》《オルフェゴール・ディヴェル》などの「単体で場に出ても機能しないが、墓地に落ちさえすれば初動になる」カードのサポートとして、このカードのあるなしが状況を分ける場面が多々ある。
特に手札事故気味の場面でこそ輝くカードで、一度お世話になると外せない。そんなお守りのような一枚。


  • 《スペース・インシュレイター》

非常に緩い素材条件を持ち、通常モンスター扱いの《バージェストマ・ディノミスクス》や、《星遺物-『星槍』》で生成されたトークンを処理できる。先述した通り《プロキシー・ドラゴン》との入れ替えであり、闇属性である点が大きい。
高リンクへの繋ぎとしても最適な一枚。サイバース族であるため《星遺物の齎す崩界》の蘇生対象であり、サイバース族のリンク召喚に反応して墓地から蘇生するため、あらかじめ墓地に埋めておきたい。
とはいえ自身の蘇生効果は使いづらく、蘇生時にはリンク素材にも使えないため安易に召喚するとリンク先を埋めて自分のモンスターの攻撃力を下げる……というお荷物にもなりかねない。《パワーコード・トーカー》との相性が良いことは覚えておきたい。
トークン処理と経由点役、という別々の役割があり、両方必要な場面もあるので安易に切れるのかというと若干怪しい、という絶妙なカード。さりとて2枚採用すると今度は墓地被りが怖いので色々と悩ましい。


  • 《コード・トーカー》

闇属性サイバース族リンク2として、純粋に経由点としての採用。《スペース・インシュレイター》をトークン処理用に温存したい場合、このカードを経由点として先に使う事になる。
逆に、《スペース・インシュレイター》を先に墓地に落としていれば、このカードの召喚にトリガーして墓地から蘇生できる。ただ、あちらの効果でこのカードの攻撃力が下がってしまう事も考えると、そのような機会は少ないだろう。
この辺り、闇属性リンク2の採用事情は色々悩ましいところで、《ミス・ケープ・バーバ》とこのカードで延々悩んでいる。


  • 《転晶のコーディネラル》

本家ランク戦でも採用されることのあるこのカードが弱いわけもなく、やはり必要だなという形での採用。
大会等では通じなさそうだが、フェスでは結構位置の甘い場面に遭遇することも多く、このカードがクリーンヒットする機会はそれなりにある。決まると中々に気持ちが良い。
効果でモンスターのコントロールを入れ替えた場合、入れ替え先の位置も自由に選ぶことができる。《オルフェゴール・オーケストリオン》の効果範囲に移動させたりもできるので、位置選びは慎重に行いたい。


  • 《粛星の鋼機》

貴重な除去効果を持ったリンク3。
素材指定も緩く、単純に1アド稼いでくれる点も偉い。このデッキは高レベルモンスターが多いため、攻撃力=破壊範囲も必要十分なものが見込める。
なお、《撃滅龍 ダーク・アームド》を素材にする事でダメージ効果も狙えるものの、あちらの召喚時には既にオルフェゴールの闇属性縛りが効いている事が多く、実現の機会は少ない。
カード名やイラスト的にシナジーがあるのも見逃せない。


  • 《天威の鬼神》

闇属性リンクモンスターの選択肢の一つとして採用。何も気にしないのなら《スリーバーストショット・ドラゴン》 の2枚目を入れたいけれど、やはりデッキのコンセプト上、墓地被りを気にし過ぎて損はない。
単純に3000打点というのは大きく、下級や守備表示を固めた上で総火力を上乗せできる。この点は《スリーバーストショット・ドラゴン》には任せずらいこのカードの長所。
このカードは効果モンスターでは無いため、《オルフェゴール・オーケストリオン》の素材にできない点は注意が必要。


6.その他、新たに検討した採用候補カード

  • 《ミス・ケープ・バーバ》

《バージェストマ・ディノミスクス》やトークン処理要員として、《スペース・インシュレイター》以外の候補。
あちらを経由点要員として多用する場合、肝心の処理要員が必要な場面で不在になる可能性があり、その場合2枚目として、墓地被りにならないこのカードを採用する意味が生じてくる。
スペック自体は非常に貧弱で、効果もまともに活用できる機会は殆どないため、あまり積極的に採用したいカードではない。プレイング次第でケアもできるので、あくまで選択肢の一つ、といったところ。


7.前回に加えての補足・テクニック

先攻1ターン目でどこまでデッキを回すか

このデッキ独特の悩みとして、「高レベルモンスターをリンク素材に回すべきか」というものがある。先攻展開の過程で場に出た《星遺物-『星鎧』》《オルフェゴール・トロイメア》辺りは素のままでも十分な守備力(一応トロイメアはリンク耐性も)を持ち、壁として十分なためである。
特に、以下のような展開が頻出する。

  1. モンスターと《オルフェゴール・トロイメア》でリンク2

  2. 《オルフェゴール・トロイメア》で《星遺物-『星杖』》を墓地へ

  3. 《星遺物-『星杖』》の効果で手札の《星遺物-『星鎧』》を特殊召喚

  4. 墓地の《星遺物-『星杖』》を除外し《オルフェゴール・トロイメア》を帰還

この段階での盤面は「リンク2+《星遺物-『星鎧』》《オルフェゴール・トロイメア》
この場合、このまま相手にターンを回しても十分ではある。
ただ、個人的にはこれらを素材に《オルフェゴール・オーケストリオン》をリンク召喚することが多い。
理由としては、《オルフェゴール・オーケストリオン》は一度正規召喚しておくことで、自由に蘇生・帰還が可能となる点がある。《星遺物の導き》のほか、このカード自身オルフェゴールであるため《オルフェゴール・スケルツォン》《星遺物-『星杖』》も使用可能であり、非常に簡単に戦線復帰させる事ができる。エクストラモンスターゾーンで最大限の力を持つカードではあるが、破壊耐性付きの3000打点というだけでも十分に強い。
《オルフェゴール・オーケストリオン》単騎でターンを返すデメリットは、このカードを処理された際に盤面がガラ空きになることだろう。ただ、3000打点をサッと突破する手段はNRでは決して多くない。
またこちらに余裕があればこのカードのリンク先に1体でもモンスターを立てておくことでかなり場持ちが良くなる。特に《星遺物-『星盾』》は先攻1ターン目の蘇生に殆どデメリットがなく、耐性も強固なため非常に盤石な布陣となるため、積極的に狙っていきたい。
ちなみに、もし可能であれば《オルフェゴール・オーケストリオン》の効果も発動して除外された機械族をデッキに戻すことも多い。これはリソース回復が目的で、使用しても裏目が少なく、実質的に無償で盤面を構築しているに等しい状況になる。相手の場が空な先攻1ターン目でも空撃ちできる点は覚えておきたい。

ただ、上の5.でターンを返す方が強い場合もあり、《星遺物の導き》のコストとして場の星遺物をキープしたい場合などが該当する。《星遺物の導き》の蘇生候補筆頭が《星遺物-『星鎧』》である以上頻度的にはかなり少ないものの、《星遺物の醒存》の落ち方次第ではこちらも検討したい。


《オルフェゴール・オーケストリオン》の効果範囲

勘違いしがちなのだが、《オルフェゴール・オーケストリオン》の効果範囲は「上と右上だけ」ではなく、「相手フィールドのリンク状態の表側表示モンスター」全てに効果が及ぶ。このことは、相手がリンクモンスターを出していた場合に重要になる。
特に@イグニスター等が用いてくる、《サイバース・マジシャン》《サイバース・ウィキッド》《プロトコル・ガードナー》等による相互ロックはこのカード1枚で完全崩壊させる事ができる。覚えておきたい。


8.主な環境デッキと対面時のプレイング・注意点

【メガリス】

相性は微不利くらい。というかあのデッキに有利がつくならそれはもうトップメタ。
安定感ではあちらに分があり、こちらの手札が悪ければそのまま押し切られてしまう。
ただ、やりようが無いわけでない。むしろ先攻の《メガリス・フール》による制圧程度であれば、高打点を立ててバトルフェイズに移行する動きを見せて相手の除去を打たせ、その後展開し始めるという芸当もこのデッキの手数なら十分に可能である。
《影星軌道兵器ハイドランダー》を引けていれば、そのまま捲る事も十分可能。
※ツイートは一例

なお、バトルフェイズ移行直前に相手が《メガリス・フール》効果を使用した場合、こちらはメインフェイズを続行する事ができる。対【メガリス】戦では重要となるため、覚えておきたい。


【メタルフォーゼ】

基本的に相性は良いと思われる。
単純なリソース・物量において、あちらに劣るという事は無い。メタルフォーゼの共通サーチを不発にさせるためにはクイックエフェクト(スペルスピード2以上)の除去が重要になるため、《バージェストマ・ディノミスクス》と《影星軌道兵器ハイドランダー》がキーとなる。
優秀な妨害として機能する《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》だが、所詮無効効果は1ターンに1度であるため、踏み抜く事は容易。
ペンデュラムテーマであるため、《星遺物-『星杯』》も刺さる
また、打点があまり高くないのも【メタルフォーゼ】の短所で、相手の構築次第では《星遺物-『星盾』》一枚で詰ませる事も可能であり、出すだけで爆散する相手も。無理に狙う必要はないが、試してみる価値はある。


【無限軌道ガジェット】

有利対面。こちらに手札事故やプレミさえなければ、基本的にはかなり安定して勝てる。
先攻展開でありがちな《No.97 龍影神ドラッグラビオン》《No.92 偽骸神龍HeartーeartH Dragon》のコンビは、前者は打点で、後者は除去や効果無効で対処が可能。《パワーコード・トーカー》はこれらを一枚でこなせるため、狙えるならリンク召喚したい。
唯一右端に《No.77 ザ・セブン・シンズ》を出されると《バージェストマ・ディノミスクス》以外での対処が難しいのだが、大量展開の後に《星遺物-『星槍』》で攻撃力を下げるとタコ殴りにする事ができる。あとはそもそも召喚させないようにするのが良くて、無限起動モンスターがレベルを揃えた後のタイミングで《影星軌道兵器ハイドランダー》等で片方を除去すると、そのターンのエクシーズ召喚は非常に難しくなるだろう。
この対面では《星遺物-『星杯』》《星遺物-『星冠』》だけでもかなりの牽制になるので、リンク素材にせず残しておくことも有効。相手は一度これらモンスターをエクストラを介さずに除去する必要に迫られるので、その時点でバトルフェイズに移行し、攻撃がかなり弱体化することになるため、ペースを握る事ができる。


【マジェスペクター】

対面は微有利といったところ。
こちらとしては初動を止められると辛い事も多いのだが、マジェスペクター側も妨害魔法罠は慎重に使いたいため、展開自体は結構許されることも多い。そうして十分なリソースを稼いだ上で《撃滅龍 ダーク・アームド》《影星軌道兵器ハイドランダー》といったマストカウンターを見せて妨害を使わせ、その後蹂躙する。
個々のモンスターはスペックが低いため、こちらは大型リンクを出さず、敢えて中型のモンスターを複数並べて相手モンスターを各個戦闘破壊すると良い。マジェスペクター魔法罠は効果発動にモンスターのリリースを要求するため、相手のモンスターを全滅させられれば展開を阻害するカードは無くなる。
マジェスペクターはペンデュラムでリソースが尽きないのが魅力の一つだが、特殊召喚時に効果が発動する関係上《星遺物-『星杯』》以上に《星遺物-『星冠』》が刺さる。積極的に立てていき、相手のリソース回復を妨害したい。


【幻煌龍】

有利対面。
あちらは何よりフィールド魔法が生命線のためそこを除去されると弱く、《バージェストマ・ディノミスクス》《撃滅龍 ダーク・アームド》《影星軌道兵器ハイドランダー》を通せば良い(《天威無双の拳》の可能性があるので、伏せ除去には注意)。
制限を受けたの関係上、《幻煌龍の戦渦》等の妨害札で除去するメタビートというより、装備魔法を駆使し《幻煌龍スパイラル》で殴り切る一点突破型という印象が強い。よってどちらかというと守備が重要で、《星遺物の導き》や《妖醒龍ラルバウール》を駆使して極力ライフポイントを削られないようにしたい。


9.終わりに

このデッキ、強さの割に知名度が圧倒的に低く、現状では対策十分な相手に当たることはほぼない。
NR環境は未知数のところが多いとはいえ、ちょっとこれは知られなさすぎである。理由としては《影星軌道兵器ハイドランダー》ゆえの構築のとっつきにくさやプレイ難度が初心者向けではないためと思われ、ちょっと触ったくらいだといまいち強さを実感しにくいのではないかと思う。
それでもきちんと使えた際のデッキパワーは圧倒的であり、またプレイが複雑でアドリブも多いため非常に楽しく、飽きさせない魅力がある。デッキに何が残っていて、次に何が落ちやすいかなどを把握しておくことも重要で、ここら辺往年の【ドグマブレード】に近いと言えば、古参プレイヤーの興味を引けるだろうか。

前回・今回と記事を書いたのは、このデッキの知名度が向上して欲しい、の一言に尽きる。別に起源主張をしたい訳ではない。それに、知名度が上がれば対策されるため勝ちにくくもなるだろう。
それでも、この面白さを一人でも多くの人に共有したいと思うし、他の人の構築をもっと見たい、という気持ちが勝る。
このデッキに興味を持った人は、ぜひ一度自分で組んで触ってみてほしい。NR限定戦の魅力とは、面白そうな相手のデッキを簡単にコピーできる、その点にあるので。

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