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弱いチームが持つ「弱い文化」について

エスパルスの平岡監督が成績不振により退団となりました。個人的には人間的にも好きな監督だったので正直残念です。

近年のエスパルスの不振については、監督が悪いというよりは、チームが持つ「弱い文化」が原因ではないか、と考えております。具体的に言うならば、良い選手を連れてきても中々、勝てないチームになっているというか。

また、エスパルス以外のチームで言えば、現在、下位に沈んでいるヴィッセル神戸もそうでしょうし、J2ならジェフ千葉や大宮アルディージャ、J3なら松本山雅、FC岐阜あたりがそうでしょうか。

この「良い選手を連れてきても弱い」理由として、チームが持つ「弱い文化」というものがあるのでは、と考えました。

定義としては「弱い文化」を持つチームは、どんなに良い選手を入れてもなかなか強くならず、「強い文化」を持つチームは、それなりの選手を入れても強くなる、という感じですかね。

なお、「強い文化」を作ったクラブといえば、鹿島アントラーズや川崎フロンターレがあげられると思います。この2チームは中長期的に安定した強さがあるので、素晴らしいですし、とてもうらやましいです。

「弱い文化」の具体例について

では「弱い文化」とは何かというと、サッカーのピッチレベルで具体例で言うならば「失点したときに声を出す選手がいない」「スローインがマイボールになる率が低い」「同じミスを何度も繰り返す」「確率の低いパスが多い」「セカンドボールが拾えない」「浮き球が来た際にフリーなのに、選手に余裕がなく相手にボールを渡してしまう」「負けても悔しがらず、引き分けた際もOKという顔をしている選手が多い」という感じでしょうか。

スタンドレベルでは「サッカーを楽しむというワクワク感よりも、諦め感の方が強い」「失点すると逆転を期待できない空気感が出てしまう」「拍手よりため息が多い」「負けても当然すぎて、ガッカリ感が低い」などなど。

もう少し抽象度を上げて書くのならば「意識が高い人の意識が下がってしまう、沼のような同質化(または同調)圧力」という感じでしょうか。

...自分で書いていて、どんよりとした気持ちになってきました(苦笑)

ちなみに「強い文化」については、上記の真逆となりますね。

以下、我がエスパルスが何故、勝てなくなったのかについて私なりに分析した内容を書いてみます。ただ、読んでいて不愉快になるエスパルスファンもいると思いますので、気になる方はここで引き返してくださいね。

エスパルスが近年、勝てなくなった理由

さて、我がエスパルスですが、過去において「サッカー処 静岡」というブランドが過去にはあり、実際に静岡の高校出身者は良い選手が多かったのも事実です。ただ、現在においては、全国各地で良い選手が育っており、静岡の優位性はかなり失われています。

一方で、静岡県は「抜きん出るより平和的解決」が文化として深く根付いている土地でもあるので、チームを良くも悪くも変えようとする異物が入ってきても、次第に同化されてしまう傾向にあります。

もちろん、強い文化が一度出来れば、同化自体は大きなメリットになるのも事実ですが、現状においてはデメリットの方が目立ってしまう印象はありますね。

もう少し具体的に書くのであれば、
・昔の静岡はサッカーが強いという文化があった。
・その文化の蓄積により、Jリーグ開幕からしばらくは「シルバーコレクター」と言われるような強さがあった
・現状においては、サッカーが強いという文化や優勝争いをした経験等が相対的に失われた結果、同化によるマイナス効果のみが際立つ結果になった
・この結果、例年のように残留争いをするという「弱い文化」が根付いてしまった
という感じかと思います。

では、どのようにして「弱い文化」を払拭するのか、という話があるのですが、これは中々に難しい問題かと思いますが、現状で私が考えている事は以下の通りです。

強い文化を創るための「短期的」な施策

・チームの「体質」を抜本から変えるようなスペシャルな選手・監督を連れてくる
 例)ドゥンガやオシム
・(海外チームで導入が進んでいる)専属のメンタルトレーナーを入れる
・フロントに現社長のような地元以外の外部役員を、もっと入れて、良くも悪くもある、静岡色をある程度薄める。
 ※今のフロントは地元企業出身者が多く、名誉職的な意味合いが強い。

強い文化を創るための「中長期的」な施策

・サッカーとして強い静岡の復権(地域全体の振興)
・悪い静岡色からの脱却と良い静岡色の活用
・エスパルスという「ブランド」の抜本的なリニューアル
・新スタジアムを文化転換の起爆剤にする
 
ちなみに私が個々の施策について、具体的にどのように考えているかについては、また後日、機会や気力があれば書こうと思います。

補足

・「弱い文化」のチームに、監督経験の低い地元監督を当てるのは無理ゲー
 弱い文化を変えるには、文化に染まっていない監督が必要不可欠
 ※個人的に平岡監督は好きでしたが、正直、環境が悪すぎたと思います。
・弱い文化の払拭は内部人材では難しく、外部人材の招聘が求められる
・一方で「強い文化」のチームであれば、内部昇格の経験値が低い監督でもなんとかなる
 例)過去のサンフレッチェ広島、現在の川崎フロンターレなど
・当たり前ながら「文化」が根付くのは時間が必要
・外部から強烈な「文化」を連れてきて、ショートカットすることは可能
 ※サッカーなら鹿島のジーコ、野球ならソフトバンクの王さん等
・静岡出身者なら「カズ」や「風間八宏」「長谷部誠」あたりが適任か
 ※いずれも難しそうな事に加えて、効果が出るかは不透明な部分もあり。
・短期的には鬼軍曹的なカンフル剤が必要な気も。
 ※現代においては、パワハラと言われる危険性はありますが。。。
・「弱い文化」を変えるには、「勝ち癖が必要」というジレンマもある

という感じですかね。

いずれにせよ、次に連れてくる監督はよほどの人選をしないと、ここ数年来の同じ事の繰り返しになると思ってしまいます。

「短期的に残留を目指すJリーグ経験のある監督」「中長期的に強いエスパルスを作る監督」の二つを切り離して人選する手もあるかと思います。

ともあれ、現在のエスパルスは良い選手はたくさんいると思うので、「強い文化」を根付かせてくれる人材をチームにたくさん入れたいですね。

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