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小林誠司が正捕手になるためには

今年の開幕マスクを被るのは誰でしょうか。
巨人には力のある捕手が多いだけに注目すべき部分ですね。
その中でも今回は小林誠司選手に焦点を当てて、なぜ原監督が来て優勝するようになったチームにおいて正捕手になれていないのか、どうすればなれるのか、私自身小林ファンということもあり考察していきたいと思います。

目次
①なぜ正捕手になれていないのか
・正捕手だった時代のイメージ
・「いい捕手」だが「いい野手」ではない

②正捕手になるためには
・継続的な打撃での結果
・自分の数字を評価される選手に

①なぜ正捕手になれていないのか

正捕手だった時代のイメージ

これは高橋由伸監督時代の話ですね。この時期の正捕手は間違いなく小林だったでしょう。しかし、この時期はチームの成績は非常に悪く、巨人軍の歴史において低迷期と言えます。そんな中小林自身の成績も決して立派な成績とは言えませんでした。これは言うまでもなく打撃面ですね。打率は2割前半、凡退の内容も悪く、攻撃面では貢献できていたとは言い難い成績でした。
この時の印象が今も尚、巨人関係者の中では根強いということです。これからの成績向上に期待できる若い選手でもないため、どうしても過去に一軍で残してきた成績で期待値が決められてしまいます。
つまり過去の成績から正捕手に据えた場合の成績がイメージしやすく、リーグ優勝、日本一を目指す原巨人では正捕手に据えることができないというわけです。


「いい捕手」だが「いい野手」ではない

小林誠司は非常にいい捕手です。肩力だけでなくブロッキングやフレーミング、配球の面など捕手として優れた能力を持っています。これはプロの世界でもかなり評価されているでしょう。しかし、そんな能力を持ちながら何故正捕手になれないのか。

それはプロ野球のいわゆるスタメンで出る選手に求められるものは総合力であるからです。つまり「野手」として優れているかどうかです。守備のスペシャリスト・足のスペシャリストなど一芸特化型の選手で確固たるレギュラーの座を掴んだ選手はここまでのプロ野球の歴史を振り返っても中々いません。一軍の舞台で戦うには?という話になると一芸を磨くことも重要になってきますが、一軍のスタメンを奪うには最低限の守備、最低限の打力は間違いなく必要になります。

例えばなぜ2017年WBCでは小林が正捕手として出場し続けられたのか。それは打てていたからです。初戦や次戦でノーヒットが続いていたらどうなっていたでしょうか。先発出場しても代打を出される機会が増えたり、他の捕手がそこで打ったりでもしたら確実にあれほどの出場機会は減っていたでしょう。
なぜあの大会で小林は正捕手となれたかというと守備の面に加え、打撃でも貢献できていた。
つまり「いい野手」だったからなのです。

これらを考えた時に現在の小林は「いい野手」でしょうか。もちろん「いい捕手」ですが、どうしても”打”の部分で引っかかりますよね。捕手であろうが野手として”打”線に並ぶ以上、守備だけでなく、打力も必要となってくるわけです。

捕手が打てることの重要性
一般的に捕手は打撃が劣る選手が入ります。他球団を見渡しても打撃力に長けた選手は少ないです。そこである程度、打てる選手が捕手というポジションに入ると他球団との差別化を図れます。(守備が良い選手が入りがちである遊撃手・中堅手に坂本・丸という打撃力が高い選手が入っていることで他球団との差別化を図ることができているのが現在の巨人軍が強い理由でもあります)
こういった部分を考えると捕手の打撃力が高いことはかなりのアドバンテージになるのです


②正捕手になるためには

継続的な打撃での結果

言うまでもなく打撃での結果が必要になってくるでしょう。ここで非常に重要な部分が”継続的”という部分です

ハッキリ申し上げると昨今行われてるオープン戦で小林が打撃の面で好成績を残したとしても今季開幕から正捕手に抜擢されることは他の捕手の怪我でもない限り非常に厳しいと考えられます。それは小林誠司という選手は過去に短期的に打撃力が向上するということを示してきたからです。
これは先程出てきた2017年WBCや2018年シーズン序盤のことですね。巨人ファンの方なら記憶に新しいでしょう。これらの時期、小林は打撃の面で非常に素晴らしい成績を残しました。普段打てない小林が打っていたということもあり、とてもインパクトのある活躍でした。誰しもが小林がついに覚醒したか!と思ったはずです。しかし良かったのは、ほぼこの時期のみ。シーズン通しての成績は期待を裏切るものでした。
つまり、現在行われてるオープン戦で結果を残したとしても首脳陣の中で「小林は突如打ち出すことがある」というのは認識済みなため、シーズン通して正捕手を任せようという判断には至らないということです。上記でも述べたように過去に残した成績が小林が今後正捕手になることを妨げている形になります。

これらの過去のイメージを払拭するために大切になってくるのが過去とは違って成長しているということをアピールすることです。
それを示す手段が”継続的”に打撃で結果を残すということになります。守備力では間違いなくチームトップ、球界で見てもトップクラスです。今更守備の面でアピールする必要もあまりないでしょう。やはり重要なのは打撃です。
現在のオープン戦で結果を残すことが正捕手抜擢の要因にはなり難いですが、当然ながら大きなアピールになります。シーズンで出番を貰うことに繋がるでしょう。それ以降も着々とシーズンの中でも結果を残していき、過去と違った姿を見せていけば今後正捕手になることも充分に可能でしょう。


自分の成績を評価される選手に

プロスポーツの世界は自分の働きが数字として出され評価されます。数字で評価されて初めて一流とされ、レギュラーとなれる世界。
それがプロ野球です。

それを踏まえ小林という選手を考えた時に、普段評価されるているところは
・投手からの信頼感
・投手とのコミュニケーションの取り方
・ジェスチャーや声掛け
などといった数字として残らない部分が多いです。
(もちろんこれだけではないですが)

例えば去年、正捕手の座に居座った大城だと打率・本塁打・打点でセリーグの捕手でいずれもトップの成績を評価されてベストナインに選ばれました。パリーグだとソフトバンクの甲斐拓也は強肩ばかりが話題になりがちですが、2年連続2桁本塁打を打つなどの成績も残しています。

ここで改めて小林が残した成績で評価されている部分は何かと考えてみるとプロに入ってからの7年間で盗塁阻止率くらいじゃないでしょうか。
当然のことながら数字に表れない部分も非常に大切です。特に捕手というポジションだとその部分は非常に武器になります。
しかし、先程述べたようにプロの世界でまず大切なことは成績を残すことです。極端な話、投手陣や他の選手から嫌われようと3割10本小林が打てるのなら今よりも出場機会は確実に多いでしょう。プロの世界は数字を残してナンボなのです。正捕手という所謂一流の選手の域に成り上がるためには、それに相応しい成績を残すことが重要であり、必須になる条件だということです。
自分の成績が評価される選手に小林がなった時、普段から捕手として評価されている数字に表れない部分がより一層輝く正捕手になっているのではないでしょうか。



終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございます。
私自身が小林ファンということで小林についてしっかり考えてみたいという思いで書きました。
小林は去年怪我で悔しいシーズンを送っただけに今年は怪我なく一軍の部分で戦ってくれることを願っています。
優れた捕手が大勢いる巨人軍ですが、そのなかに完璧な選手は1人もいません。誰が正捕手になるかという部分も非常に興味深いですが、何よりもチームが優勝するために彼らをどのように起用していくかという部分が非常に重要なんだと思います。


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