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OJT (on job training) を正しく取り組めば、人は育つと考える理由

OJTという言葉をはじめてきいたのは、大学を卒業し社会人になってすぐでした。もう20数年前の出来事です。役職連中が口癖のように、教育はOJT、OJTと連呼していました。当時はインターネットも黎明期でしたから、何やねんOJTって・・って思ってたのですが、やっていることは、現場に行ってから仕事でおぼえろ、という意味でした。

このOJTという言葉は、他社常駐の多いIT業界ではよく聴く言葉で、悪い意味では「現場丸投げ」という意味になります。未教育のまま、現場の仕事ができるようになるというのは本来おかしいものです。医者、弁護士など、前提として勉強を行ったうえで、現場でOJTしながら一人前になっていきますよね。何にも知識がないのに、いきなり現場に行って、さあおぼえなさい、とすると、言われたことしかできない技術者の出来上がりです。なぜその操作をしなければいけないか、を考えず、とにかく手順書の通りに実行する。もしエラーが出力された何もせず、エスカレーションする。ただただ、言われた通りのことしかできません。そんな、技術者と呼べない技術者は、世の中にごまんといます。

OJTという言葉は相当広い意味を持っていまして、先の例のように、現場の定常的な操作をただただ身に着けるというのは狭い意味です。一方で本当の仕事というものは、もっとクリエイティブで例外にあふれています。エラーが出たらどうすればいいのか。新しい要件をどう実装したらいいのか。繰り返し起こる仕事を自動化できないか。マニュアルがないところに仕事のやりがいがあり、価値があります。入社3年以内にこの領域に踏み入れることができれば、社会人人生がぐっと開けると思うのですが、残念ながらOJTの段階で現場に恵まれないと、いつまでも仕事はつまらなく、技術もつかないままということになってしまいます。

OJTのやり方一つで、人生が左右されてしまう。失敗例も多いので事前の集合研修の受講など、さまざまな方法が考えられてきましたが結局のところOJTに行きつくのはどの業界でも一緒だと思います。OJTを悪者扱いするのではなく、OJT自体を良くすべきです。

この記事では、あるべきOJT(on job training)の姿を明らかにしていきます。OJT担当となってしまった人にも、もしくはOJTを受けている人にも参考となる話です。OJT自体が悪いのではありません。明らかにやり方が重要です。あるべき姿を理解することが最も大事です。


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