この時代だからこそ、「ほんとうのリーダーのみつけかた」

　作家の梨木香歩さんが今年の7月に出した本で「ほんとうのリーダーのみつけかた」がある。今、非常事態宣言が出されて、世の中、自粛を叫ばれる中で、「自粛警察」などが登場し、みんなと違うことに恐怖を感じるようになっている。まわりの信頼関係が崩れているような気さえするのだ。
　この本の中で、強調されているのが、「同調圧力」というものだ。10人が同じ部屋に集められて、AとBの鉛筆のどちらが長く見えるかと言う錯視の実験だという。純粋にAの方が長いのに、みんながBが長いというと、それに合わせるように、「Bが長い」と言ってしまう。
　ある時代に全体主義が横行し、みんなが間違っていることも気が付かずに、同じ方向を向いてしまうこと。これは恐ろしい結末を迎えるだろうし、YESマンの多い大手企業が、破綻を招いたのは、歴史を紐解くまでもなく、多くの事例があるだろう。
　では、本当のリーダーとは誰なのか？実はそれは、「自分の中の目」つまり、「あなたと、あなた自身のリーダーを一つの群れにすること」なのだという。自分を客観視し、批判出来ること、そこに真のリーダーがいるんだと。不確実の時代の今だからこそ、「自分の中の目」で判断してゆきたい。