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さりげなく「ギターを奏でる夜」

 行きつけのカフェバーでは、飲みも進んだ頃におもむろにギターを奏でる人がいる。そうすると、つられて他の人もギターを取り出し、椅子の代わりに使われている「カホン」がリズムを刻みだす。単独ライブなんかもやるプロのミュージシャンだ。
 アメリカにいた頃、夕方になると、髭をたっぷりと蓄えたおじいさんが、チェロを弾き始める。テーブルを叩いてリズムを刻む人がいる。ギターも合せて掛け合いが始まる。ビートルズや、エリック・クラプトンをしっとり聞かせてくれて、そのうちに、ベッツィ・キングの「スタンドバイミー」なんかが始まると、みんなが歌を口ずさむ。
 残念ながら、楽器を演奏したことはないが、こんな時には、楽器ができるのはいいなと思ったりする。そういえば、この前、父親はチェロをやり、バレエを教える娘はバイオリンをやり始めたという話を聞いて、自分も何か演奏出来たらなと思ったばかりだ。
 どこの国にいても、言葉が通じなくても、知らない人同士でも、いつの間にかつながれる「ギターを奏でる夜」。そんないつの間にか始まる心地よさにはまってしまう。さて、気軽に始められる「大人の音楽レッスン」が人気と聞いたが、ちょっと自分も始めたくなった。

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