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[ライブレポート] BO’s marché special edition(UEBO - EP "Couples" Release Party, ADRIFT, 2023.6.3)

6月3日に下北沢ADRIFTで開催された、UEBOさんのEP『Couples』のリリースパーティーであるBO’s marché special editionを観に行ってきました(EPのレビューは下記リンク参照)。

イベントは2部構成で、1部はアコースティックセット、2部はバンドセットでした。1部のトッパーはQnel(クウネル)さん。LUCKY TAPESのギタリストで、UEBOバンドのギタリストでもおなじみの高橋健介さんのソロプロジェクトです。Qnelさんはデビューアルバム『siesta』を4月に発売されたばかりでした。演奏して、曲に込めた思いなどをしっかり説明していく、文字通りの「弾き・語り」というスタイルが特徴的でした。Qnelさんの曲の中でも印象的であったのが「スーパースター」という楽曲です。非常に歌詞がささる曲を、Qnelさんの優しい歌声で包み込むように歌ってくれていて、同時に、ギターの一音一音を丁寧に演奏されている様子がとても素敵でした。

会場がとくに盛り上がったのが、客席からFIVE NEW OLDのHIROSHIさんがステージ上にそのまま上がってきて、HIROSHIさんとともに「ウィークエンド・ランデヴー」を一緒に演奏された時でした。淡々と粛々と語るように歌い、演奏するQnelさんと、終始明るく、きれいな歌声でのパワフルな歌い方をされるHIROSHIさんのコントラストがとても印象的でした。他にも新EPからは「ゴーストシップ」「うるおい」も披露され、いずれもとてもかっこよかったです。

2番目はHIROSHI(from FIVE NEW OLD)さん。お名前はかねがねお伺いしておりましたが、ついにソロですが初めてライブを拝見出来ました。Qnelさんとのコラボからそのままステージに残られ、セットの転換の間も小噺をして場をつなげ、さながら寄席を見ているような楽しさでした。笑 しかし、いざ演奏が始まると一気にミュージシャンの本領が発揮され、歌はめちゃくちゃ上手く、演奏はバンドのようなパワフルさがあり、オーディエンスとのコミュニケーションは楽しく、FiNO(FIVE NEW OLDの略称)の人気ぶりを完全に納得することが出来ました。途中には、UEBOさんの楽曲を一部カバーするなど、サービス精神も素晴らしかったです。最後にはUEBOさんもステージに上がり、FiNOの楽曲の「Happy Sad」をお二人のコラボで締め、とても贅沢な時間となりました。

そしていよいよUEBOさんの登場。まずは「stand」から。本曲のアレンジもつとめたモリシーさん(Awesome City Club)が店主をつとめる、永福町にあるコーヒーショップMORISHIMA COFFEE STANDの居心地の良さに着想を得て作られた一曲です。このイベントの空間もとても心地の良い雰囲気でしたので、ライブの1曲目にぴったりな選曲であったと感じました。

第1部の目玉は、新曲が3曲も披露されたことでした。実は今回はEP『Couples』のリリースパーティーだけでなく、現在製作されているEP『identity』のプレリスニングパーティーも兼ねておりました。アコースティックがUEBOさんの原点であることは、そのEPのタイトルにもあらわれていますね。

新曲の3曲は全てストレートで、かなり甘めなラブソングでした。全て良かったのですが、個人的には最初に歌われた「Title」という曲が印象的でした。1番ではパートナーへの愛情をストレートに語っているのですが、2番では「(映画の)タイトル」に絡めつつ、愛情を表現しています。そこでの、ウディ・アレンを例示する部分はとてもユニークで、個人的にもお気に入りの箇所でした。

アコースティックEPに加え、カバーEPも考えられているということで、その候補作のお披露目もありました。まずは、ノラ・ジョーンズの楽曲や、「Lovin' You」などの往年の名曲の洋楽カバーで、やっぱりこういう曲はUEBOさんの大人っぽい歌声がぴったりであると再認識しました。次いで、「接吻」、「プラスティック・ラブ」のカバー&マッシュアップ。この2曲は原曲がシティポップであるところに、UEBOさんがサーフミュージックのアレンジを加えていたので、結果としてはネオ・サーフカバーとなっているという工夫がなされていて、とても印象的でした。

そして、「Wasted Years」のアコースティック版も歌ってくれて、とても嬉しかったです。僕がはじめてUEBOさんのライブを観たのが去年のサカエスプリングで、その時には原曲のフィーチャリングであるTossさんも参加してくれて、ライブの中で一番印象に残った曲でした。毎回聴く度に歌詞が本当に刺さってきて、涙が出そうになります。そして、最後には「Good Night」も歌ってくれて、優しい雰囲気の中、第1部は終幕となりました。様々な曲が歌われた、盛りだくさんの内容でした。

第1部が終了し、しばしの休憩を挟んで、第2部へ。今回はEPのフィーチャリングの方々がゲストアクトをつとめるとはアナウンスされていましたが、みなさんフィーチャリング曲だけの参加かと思っていました。しかし、オープニングアクトをつとめたlo-key designさんがいきなりたくさん歌ってくれて、とても嬉しかったです!ローキーさんは拠点が京都で、木〜金曜にかけての荒天による交通機関の乱れのせいで、リハーサルできずに本番に挑むことになっていました。にもかかわらず、そういった悪条件をみじんも感じさせない最高のパフォーマンスで、本当にさすがだなと思いました。今回は1部のアコースティックの流れを踏まえてか、最初は比較的ゆったりめ、チルめな選曲をしていたのが印象的でした(最初は「without a word」だったかな?うろ覚えですみません・・・)。「wind blows」のその日の特別のリミックスもチルくて、とてもかっこよかったです!

あと、なんと言っても、「When I Feel You」を歌ってくれて、Salaさんがゲストで登場してくれた時は、一気にテンションが上がりました。この曲は先日の名古屋でのイベントTouch & Goでローキーさんだけバージョンと、竹芝のBANK30でのイベントでSalaさんだけのバージョンを両方聴いていましたが、ついに2組そろった演奏を聴けて本当に嬉しかったです(そして、実は2組そろって歌ったのは初めてだったらしく、めっちゃ貴重でした)!そして最後は人気曲「CAREFREE」で締めて、フロアをポカポカにして、UEBOさんにバトンタッチ。10曲ぐらい歌ってくれたでしょうか。大満足のセトリでした!UEBOさんのリリパではあったけれど、UEBOさんの次にたっぷりと時間があてられていて、UEBOさんのローキーさんに対する期待や信頼が伝わってきました。

そして、UEBOさん登場!まずは「So Far So Good」にはじまり、「Wave」と「Sign」につながっていく流れがサーフミュージック感が満載で、会場にハッピーな雰囲気が広がっていくのを感じることが出来ました。次いで「Mabataki」。UEBOさんの曲の中で僕が最初に知ったのがこの曲だったので(もともとShin Sakiuraさんが好きで、この曲のトラックメイクしていたことがきっかけで知りました)、個人的にも思い入れのある曲を今回聴けてとても嬉しかったです。その後の「Drops」もやっぱり素敵でした。

KANAYAさん製作の「Interlude」を演奏しながらのMCがはじまったので、「ついにEP『Couples』のセクションくるか!」と思ったのですが、まずは「Circle」から。個人的に、この曲はUEBOさんのネオ・サーフをもっともよく表している曲であると思っていて、UEBOさんの曲の中で僕が一番好きな曲でした。この曲がはじまると、「爆踊りの時間がはじまる!」という気持ちになり、一気に会場のボルテージが上がりますね。私自身、声出し規制が緩和されてから、はじめてのUEBOさんのライブだったので、これまで我慢していた分、ついつい大きな声でシンガロングしてしまいました。そしたら、なんと、「Sunday→Monday→Tuesday...」のところで、僕の方にマイクを向けて歌わせてくれて、本当にびっくりしました!大好きな曲を歌わせてもらえたのがめちゃくちゃ幸せで、今回のライブのハイライトとなりました!

そして、ついにフィーチャリングゲストのトッパーとしてgbさんが登場しての「Hallelujah」!UEBOさんとgbさんの二人が並ぶと、いつも悩みを聞いてくれる、信頼の出来る兄貴って感じがあって、本当に落ち着きます。あと二人ともまとっているオーラがPeaceとHappyなので、この曲の時だけハワイにいるような多幸感がフロアに満ちあふれていました。歌も感情入れまくってくれて、めちゃくちゃ刺さりました。

続いては「Hollow 」。他のフィーチャリングゲストが曲の始めから歌うという形式だったのに対し、maco maretsさんは2番が始まってからの登場であり、かつ、この曲はかなり大人っぽく落ち着く系の曲なので、前2曲でボルテージが高まった会場にいきなり入ってきて歌うのはさぞ大変だろうと思いましたが、そこはさすがプロで、短い時間の出番ながらもかっこよくきめられていたマコマレさんの姿がとても印象的でした。マコマレさんの生歌ははじめてだったので、次はライブでしっかり聴きたいと思いました。

そして「Inner Flight feat. lo-key design」。この2曲の流れは本当に素晴らしく、saltoさんの美声がフロアに響きまくっていました。UEBOさんとローキーさんは音楽性は少し異なっていると思っていましたが、こんなにも相性が良いのかとあらためて驚くばかりでした。最後にはUEBOさんのテンションが一気に高まり、アウトロが無限に続いていたのがめっちゃかっこよく、ステージ前方にsaltoさんとせり出してくる姿が最高でした!

フィーチャリングゲストのコーナーは一旦休止し、次は、ギターの高橋健介さん、コーラスのNEMNEさんと3人でのチルなアコースティックセットへ。まずはUEBOさんのMC。「お昼に何か食べたり飲んだりした?」という質問をフロアに投げかけ、お客さんから「チャイラテ」という答えが(これは1部で発表されたUEBOさんの新曲の名前で、お客さんは空気を読んでこう答えられていました。笑)。ただUEBOさんが求めていた回答はこっちではなかったようで、自分に回答権がまわって来たので、ミルクかコーヒーかどっち言うかめっちゃ悩み、コーヒーと答えたら、次の曲の「Milk & Coffee」に行ってもらえました(なお、昼にコーヒーは飲んでませんでした。笑)。この曲も大好きな曲の1つです。

次は「Photograph」を挟んでからの「Moonlight Wedding」。この曲はUEBOさんの今のスタイルのきっかけとなった曲です。お姉様の結婚式のために作られた曲でしたので、ご家族がご来場されているような場で、一緒にこの曲を聴けたことはとくに感慨深かったです。その後の「Fool」、「めんどくさいや」、「Memories」も胸にしみる、とても素敵な曲でした。

そして、ついに「群像」!フィーチャリングのYAMORIさんがステージに入ってくると、みんな待ってましたと言わんばかりに、フロアの熱気が一気に高まりした。この曲には僕の好きなUEBOさんの部分が全て詰まっていて、本当に大好き一曲です。途中からHIROSHIさんがステージ上に上がってきて、オーディエンスのボルテージもさらに一段階上がっていました。声出しが解禁され、ついに「Na, na, na, ...」という部分をシンガロングできたのは、本当に幸せでした。

本編最後はやっぱり「Knock Knock」。これは何度聴いてもかっこいいですし、なんと言っても終始UEBOさんのギターがかっこよくて最高です。アウトロでは、UEBOさんの最高のギターソロと名物・ギター背面弾き、そして、髙橋さん、西原さん、KANAYAさんが向かい合ったり、前にせり出してきたりして全力で演奏する姿がもう圧巻でした!(ドラムのかんちゃんさんとコーラスのNEMNEさんは動けませんでしたが、気持ちは前に出ていたのは伝わってきました!)UEBOバンドの皆さんが全てを出し切り、本編は終了でした。

そして、もちろんアンコールの声がすぐに出てきて、みなさん再登場。アンコールは「Your Story」。この曲は応援歌として作られていますが、単純に「頑張れ!」と言うような応援歌ではなく、UEBOさんなりの優しさが詰まったとても素敵な一曲です。これを最後に歌われると、本当に感極まり、とても胸が暖かくなります。曲後には、この曲のアレンジャーのモリシーさんも舞台袖に登場してくれて、ほっこりしました。

ということで、本当にボリュームたっぷりなリリースパーティーでした。あらためて、UEBOさんをはじめとして、ギター、マニピュレーターのYUUKI KANAYAさん、ギターの高橋健介さん、ベースの西原浩さん、ドラムの神林祥太さん、コーラスのNEMNEさんというUEBOバンドの面々に加え、ゲストのHIROSHIさん(とQnelさん)、フィーチャリングゲストのgbさん、maco maretsさん、YAMORIさん、lo-key designさん、そのゲストボーカルのSalaさん、さらにはEP『Half & Half』のアレンジを手がけられて会場にもいらしたモリシーさんや堀田コウキさん、IN THE FLIGHTやADRIFTの関係者の皆様に、このような素晴らしいイベントを実施していただいたことに感謝です。


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