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小学生の頃の思い出、紫陽花。


この季節になると、思い出す。

私が子供の頃、家で咲いた花を学校に持っていく風習があった。
自宅の庭で育てた花を母や祖母が切り、新聞紙に絡んで持たせてくれる。
月曜日は持ち物が多いのに、花を預けられると内心不満に思う時もある。
それでもきれいな花を携えて登校するのは、悪く無い。
教室に入って歓声があがるのも、
ちょっと恥ずかしいけど、
気分がいい。

紫陽花の季節になると、花束を持ち寄る件数も増える。
私の実家は小学校に近く、目の前が通学路になっている。
朝、家の前の通りに出ると、紫陽花を抱える子が日に日に増えて行く。
私が2年生から4年生まで3年間お世話になった男性の先生は、花を持って行くととても喜んでくれたので、みんなせっせと花を持ち寄った。
教室の花瓶だけで足りなくて、隣の教室から借りたりもした。
紫陽花はボリュームが大きくて、花瓶だけでは足りなくて、掃除用のバケツにも生けた。
掃除用のバケツに入れるなんて、ちょっとショックだったけど、色とりどりの沢山の紫陽花が溢れるように咲き誇った様子は、とても素敵だった。
一時間目が始まっても処理しきれず、先生はバケツに紫陽花を素敵に盛り付けてくれていて、あらら、大変だ、と思ったけど、授業より花を優先してくれた当時の光景は、ずっと心に残っている。

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