人生の解像を上げて振り返る

#キナリ読書フェス

岸田奈美さんを知ったのはtwitterで流れてきた「赤べこ」のフレーズだった。「赤べこ?何やろ?あの首振るやつやん」で辿っていくと大きなしゃもじを持った岸田奈美さんがいた。にぃーっと笑いながら。この人笑ったら目がなくなるタイプや!楽しそうに笑ってるなあ。良いやん。

私は笑ったら目が三日月型になる人に弱い。何かわからんけど弱い。

今回のキナリフェスで「家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった」を選んだのはあの笑顔の元を知りたいと思ったから。

「パパが単身赴任の時に住んでた部屋によう似てる。好みまでそっくりなんやね」自他ともにお父さんのそっくりさんに生まれてきたことは悔しがっているけれど、その後に大好きな理由が大盛りの天丼並みに書いてあった

そして「いつもゲラゲラ笑ってた」

家族でゲラゲラ笑うなんてことはあったっけ?なんてことをぼんやり思い出していた。

私の父は朝早くから働いていていて、子供の頃、朝起きた時にはいなくて、家にいるときもずっと仕事をしていたので、よく思い出すのは父の背中なのだ。ただ年に1回だけ夏休みに海水浴へ行ったり、レストランで食事をしたり。その時の父の笑顔は覚えてる。

学生時代、社会人と年齢が進むにつれ、父ともあまり話す機会がなくなっていって。喧嘩をしているわけじゃないから何かは話したんだろうけど、覚えてないんだよな。

社会人になったあとに子供の頃からの夢を叶えたくて、仕事辞めて、学校へ行って国試に受かった時、父は涙ぐんでた。

ずっと心配かけてたんだね。ごめんね。ありがとうね。

岸田さんの家族はよく喋ってる。唾飛ばし合いながら喋ってる。なんだかじゃりん子チエを彷彿とさせるくらいに。

父とはもう話せないけれど、今、とても話したくなったよ。

岸田さんの本を読み進めるとどんどん私の人生の解像度が上がっていって色々思い出していった。書き込みもするからなおさら。

岸田さんありがとう。この本を読んで家族のこと、久しぶりにじっくり思い出して、ほんわか暖かい気持ちになりました。



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