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どうしてオプションに価値はあるのか?

実際どのようにトレードされているのか

今日は2021年7月28日ですが、日経平均は27,500円近辺です。ここで8月限29,000円コールを考えてみましょう。2021年8月13日に日経平均を29,000円で買う権利ですね。カレンダー上ではあと2週間ちょっとです。ここで不思議に思う人はいないでしょうか?

「現在、日経平均が27,500円なのに、1,500円くらいも上の日経平均を買う権利なんて価値あるの?」「そんな高い値段のものを買う権利なんていらないと思うんだけど」 もっともな疑問だと思います。しかし以下の図を見てください。

図25

 これは現在(2021年7月28日)8月限29,000円の売り買いの様子を表しているものです。24円売り23円買いで盛んにトレードされています。つまり売ってる方も買ってる方も、そのあたりの値段で価値があると思っているからトレードが成立しているのです。トレードしている人たちは全員バカなんでしょうか・・・

オプションをわかりやすく説明(八百屋さんの例)


 たとえ話として、八百屋さんで野菜を売っているシーンを例にとってお話を進めていきましょう。

八百屋のご主人:「大根一本180円ですよ!!安いよ安いよ!!」

主婦A:「大根安いわよねー」

主婦B:「最近いい天気が続いているじゃない?きっと野菜の生育もいいせいね」

小屋の主人:「大根一本250円で買えるチケット配ってます!!一枚いかがですかー!!」

主婦A:「なんなの、あのチケット?そんなものいるわけないじゃない」

主婦B:「そうよねー 隣の八百屋さんで一本180円でいくらでも買えるのに、一本250円で買えるチケットなんていらないわ」
(そのやり取りを横でそっと見ていた主婦C・・・・・・)

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解説
主婦Aと主婦Bの言っていることはもっともですよねー 隣の八百屋さんで一本180円でいくらでも大根買えるのに、250円で買えるチケットなんていらないですよね。この時点では「チケットなんていらない=チケットは無価値」と思うのも当然です。では話を2週間後に進めましょう。

(2週間後)

八百屋のご主人:「大根一本280円でいかがですかー!!」

主婦A:「大根高くなったわよねー」

主婦B:「このところ雨ばかりじゃない?野菜の値段が上がって困っちゃうわ」

主婦A:「こうも高いんじゃ、大根買えないわ」

主婦C:「このチケットで大根1本250円で売ってもらえます?」

八百屋の主人:「はいはい、もちろんです!!大根一本250円でどうぞ!!」

主婦A、B:「・・・・・・・・・・・」

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解説
 おやー チケットのおかげで一本280円の大根を250円で購入することができました!!ということはこのチケットには価値があるということになりますね。このチケットの価値はこの日突然に発生したのでしょうか?違います。実は2週間前、一本180円で大根を販売していた時、既に価値があったのです。この大根を230円で購入できるチケット=コールオプションということです。

なぜオプションには価値があるのか?


 ではどうして価値があったのでしょうか。それは大根の値段が変動するものであったからです。例えば大根の値段が未来永劫同じ180円だったとしたら、230円で購入できるコールオプションの価値はゼロです。ところが大根の値段は天候などの要因で日々変動します。変動するということは、もしかしたら将来大根が300円になるかもしれないし、110円になるかもしれない。その「もしかしたら」という不確実なところに価値があるのです。

 物の値段が変動するもの、不確実が存在するものには全てオプションが存在します。FXをされている方なら通貨にもオプションが存在しますし、変わったところでは一週間後の天気も不確実ですから、天候オプションというものが存在します。実はオプションというものは周りにいっぱいあるのです。

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