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コールオプションの売りと買い

27,500コールを売った場合と買った場合の例

コールオプションの売り買いについて考えてみましょう。コールオプションを買うということは買う相手がいるわけで、相手方はそのコールオプションを売っているわけです。

例えば27500円コールを買った人がいるとします。そうすると逆に27500円コールを売った人がいるわけですね。ここでは20円で売買が成立したと仮定します。

図37

 日経平均オプションはヨーロピアンタイプですので、SQ日がくるまで権利行使できないという話をしましたね? ということはSQ日がくるまでは、権利も義務も発生しません。

SQ値は27,500円より小さかったらどうなる?

1)SQ日にSQ値が27,320円だった場合

27,500円コールを買った人はその権利を行使して日経平均を買ってきたところでSQ値は27,320円ですので、その値段でしか清算できません。もし権利を行使したら27,500-27,320で赤字になっちゃいますね。そのため、買い手は権利を行使しない選択をとります。権利は放棄して、買値の20円もパーということになります。損失は買った値段分である20円ということになります。

売り手の方は、買い手が権利を行使しませんので、義務も発生しないまま終了です。売って獲得した20円がそのまま利益となります。

SQ値が27,500円より大きかったらどうなる?

2)SQ日にSQ値が28,100円だった場合

27,500円コールを買った人はその権利を行使して、日経平均を27,500円で調達して、すぐにSQ値である28,100円で決済すると差額(28,100-27,500)が儲けとなりますので権利を行使します。正確には買ってきたときの値段20円がありますので、儲けは(28,100-27,500-20)円となります。

さて問題は売り手の方です。買い手が権利を行使した瞬間に、売り手には義務が発生します。どんな義務かというと、コールの買い手は「日経平均を買う権利を行使した」ということですから、コールの売り手は「日経平均を売る義務が発生した」ということです。日経平均はもっていないのでSQ値である28,100円で調達してくるしかありません。27,500円で売ることが分かっていても、義務ですから28,100円で調達しなければいけません。(27,500-28,100)が売り手の損失となります。正確には売った時に20円が入っていますので、損失は(27,500-28,100+20)円となります。

図39

以上の結果をグラフにしてみると

以上のことを踏まえて以下の図を見てください

図40

27,500円コールを20円で買った場合、SQ日におけるSQ値と収益の関係をグラフにしたものです。権利を行使するかしないかの境目はSQ値が27,500円の時です。27,500円よりSQ値が小さい場合は権利行使をしません。買った値段20円がそのまま損失となります。SQ値が27,500円より大きい場合、権利行使するとある程度収益になりますので権利行使をします。収益がゼロになるSQ値は27,520円となります。この時は日経平均を27,500円で調達してすぐにSQ値の27,520円で売却して+20円、買った値段が20円ですので、これでプラスマイナスゼロということです。これ以降SQ値が大きくなればなるほど、その分利益がどんどん大きくなります。

図41

次に27,500円コールを20円で売った場合の、SQ日におけるSQ値と収益の関係をグラフにしたものです。SQ値が27,500円より小さい場合、権利行使をされない=義務が発生しないので、売った20円がそのまま利益となります。SQ値が27,500円を超えてくると権利行使される=義務が発生します。収益ゼロとなるSQ値は27,520円です。この場合はSQ値である27,520円で調達してきた日経平均を27,500円で売却して‐20円、売った時に20円入っていますのでこれでプラスマイナスゼロです。これ以降SQ値が大きくなればなるほど損失が大きくなるということです。

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