虚な目で

こんな色気のない駅が、僕の心をひどく傷つける。
何か大きなものに僕は挑戦した。でも叶わなたった。それが全部だと思う。

10年後だれかの寂しい帰り道で、西東京のはずれの街頭の下、僕のことを思い出してくれるかな。

恋に敗れて、仕事に負けて、街の光をうつろな目で眺めながら帰路に着く君のチンケな脳細胞は、僕が伝えた温もりで少しは宥められるだろうか

誰か僕に教えて。思い出したのなら煙で届けて。できれば君の家族も傍目で見ていてくれると嬉しい。
君に息子が生まれたなら彼のはちゃめちゃを
君に娘が生まれたなら彼の底なしの愛情を
それ以外なら、彼の寛容さを

僕はどこかでそれを見ていたい。例えばある叶わぬ愛を描いた映画を見るみたいに。

いつもここぞの勝負で負けちゃう。本当に欲しいものは絶対手に入らない。
いらないものはいくらでも手に入れられるのに


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