誰のせいでもないし、誰も責めたくはない。誰のせいであってもいけない。
ただ20年生きてきてこれほど寂しい、ただふと涙が止まらないし、誰かに頼るって選択肢もあるかもしれないけど、でもそれじゃあ絶対に解決しない、本能に関わる問題ある。

「あらゆる面で、他の女の子たちとは異質な存在で、君は。君が瞬きをする時、僕に何かを解らせようと悶絶したみたいに顔を窄める時、まるで東京全体がお花畑かって思わせるほどに嬉しさに溢れた笑顔を僕に見せてくれる時、僕のこれまでもそしてこれからもあらゆる瞬間は君のために用意されていたような気がしてくるんだ。だから君と、それは次に世界のどこかの誰かが腹の底から笑うまでの短い時間かもしれないし、君が生涯を安楽椅子の上で終えるだろうまでの長い時間かもしれない。そんな確かな質量を持った時間は僕の体内を隅々まで満たし切っていくんだ。」

「つまり、僕が言いたいことっていうのは…」

「ありがとう」彼女の声が何かしらに打ち消されながら、僕は夢から覚めた。僕は横向きに寝ながら今を悟った



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