人生の楽しみ

 私の友人EZはストライクゾーンが広い。むしろ敢えて厳しめのコースを求めている様にさえ私には見える。EZの最近のブームは『あざとさ』らしい。私には理解出来なかった。『あざとい』に無意識に引っ掛かるのは分かるが、自分から求めているのである。

 ある日、私はEZとベルーナドームにプロ野球の西武ライオンズVS日本ハムファイターズの試合を観に行った。
 
 私は野球ド素人であるが、昨シーズンのキツネダンスのブームに乗っかり札幌ドームまでプロ野球の試合を観に行った。いや、キツネダンスを観に行った。かわいい。ファイターズガールは何回も出てきて試合をおおいに盛り上げてくれた。野球ド素人にとってはありがたい限りである。というか野球自体も面白く感じた。ビールも何杯も飲めた。

 ベルーナドームに戻ろう。試合内容は渋い展開だった。無料チケットが当たったから観に来た野球ド素人の私にはテンション上がりづらい。知ってる選手は山川選手くらいだ。そんな時は、プロ野球はチアリーダーが盛り上げてくれるモノと思っていた。が、チアリーダーは謎バズーカを打つくらいであまりフィールドに出て来てくれなかった。札幌ドームではそんなんじゃなかったのに…ベルーナドームでもビールは何杯も飲んだ。

 EZは語った。昨シーズンにチアリーダーが流行ったからって、他球団が同じ戦略をとっても成功するとは限らない。西武ライオンズはそこに乗っからないでチアを強調しないで我が道を行く面白い球団じゃないか。それが世間に伝わった時考えると…ワクワクするよね。
 ちなみにEZはジャイアンツファンである。

 
 EZは他人が楽しめない事にも楽しめる才能がある。他人が気が付かない楽しみを先取りしている感さえある。もちろん、それが合っているか間違っているかなんて分からない。でも、そんな事なんて関係ないのだ。
 
 私は、次にEZに会う時に『あざとさ』の奥に何を見ているのか、感じているのか聞いて見ようと思った。


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