柏生活のすすめ!

 本記事は、物工/計数 Advent Calendar 2019という企画の4日目の記事です。1~3日目の記事からいらした方には申し訳ありませんが、全然アカデミックな話はしません。悪しからず。

3日目の記事はこちら↓
計数工学科卒論LaTeXテンプレートをOverleafでコンパイルする

 本題とは関係ありませんが、計数工学科の卒論&修論用のテンプレートに付属しているsuribt.clsはjsbookなどのクラスファイルを改造するときの参考になるので興味がある人はちゃんと読んでみるのがよいと思います。日本物理学会誌のスタイルファイルもかなり勉強になります。

はじめに

 ほとんどの方は私のことを知らないと思います。はじめまして。光ファイバーと申します。Twitter(@optfibcab)でいつもふざけています。今後ともよろしくお願いいたします。

 最初に知らせておきますが、これは修士2年の老害が柏キャンパスでの生活の実感をただ説明しただけの全くつまらない記事です。物理の話も情報の話も数学の話も何もありません。ただのエッセイのようなものです。Advent Calendarにそういう記事が掲載されているのはもはや恒例ですが、あまり快く思われない方もいると思います。そのことについて最初に謝罪します。大変申し訳ありませんでした。不快に思われる方が多いようであればこの記事を取り下げてすぐに謝罪するので、遠慮なくTwitterなどで文句を言ってください。よろしくお願いします。

 早速本題に入りましょう。本アドベントカレンダーは東京大学工学部の物理工学科および計数工学科(2つまとめて応用物理系と呼びます)の人たちが集まって開催しているものです。この2つの学科には特徴があります。そうです。柏キャンパスにも研究室を持っているため卒論配属以後は柏で生活する可能性があるということです。

 柏キャンパスは悪名高いキャンパスです。それもそのはず、東京大学の主要キャンパスのうち明らかに一つだけド田舎の郊外に位置しているからです。もう2年以上柏に暮らしている私だからわかりますが、マジでド田舎です。本当にこれだけはもうどうにもならない…………

 そういうわけなので本記事では、応物B3(あるいは未来のB3や院から新領域に入ろうとする人など)のみなさんのために、柏キャンパスでの暮らしというのがどういうものなのか簡単に紹介したいと思います。なお、本記事で紹介するのはあくまで光ファイバーの目から見た柏暮らしであり、必ずしも柏(周辺)市民の暮らしぶりを完全に反映したものではないということをことわっておきます。全部書いてから気付いたけどどう考えても「すすめ!」などではない。申し訳ない。

住まいと通学

 柏キャンパスに配属されるうえで一番考えなければならないことはどのように通学するかでしょう。実家住まいで引っ越しの可能性がないという方はもうとにかく頑張っていただくとして、たいていの場合は柏キャンパス近郊に引っ越してくることになります。引っ越しを検討しているみなさんのために、キャンパス付近で住むことができる地域をいくつか紹介していこうと思います。

画像1

 まずこのキャンパス周辺の地図をご覧ください。おおむねこの画像に載っている範囲が柏キャンパスまで自転車で通える距離だと考えて構わないと思います。各地域の雰囲気を簡単に紹介していきましょう。

 個人的な意見ですが、一番柏キャンパスの民が住んでいるのは東武野田線の江戸川台という駅の近辺だと思います。何よりまず家賃が安いです(3万円台は普通に見つかる)。地域に何があるかと言われても「何もない」と答えるしかない地域ではありますが、一応スーパー、コンビニやホームセンターなど最低限度文化的な生活を送れそうな店はそろっています。また、江戸川台駅から柏の葉キャンパス駅まで通じている東武バスが大学の前にも止まるので、自転車に乗りたくない雨の日や足を怪我した時などはバス通学をすることもできます。ちなみに光ファイバーくんも住んでいるぞ。

 東部野田線沿線だと、初石駅付近と運河駅付近にも学生が住んでいる印象です。どちらの駅も江戸川台より少し栄えており、外食や買い物のランクが少しはマシになります。しかし、家賃のランクが若干上がるうえにキャンパスからの距離は少し遠くなってしまうので通学は自転車だと20分弱くらいかかってしまうかもしれません。初石駅は「流山おおたかの森」という栄えた駅に近いからか、若干文明の雰囲気があります。あと、運河駅は東京理科大学の野田キャンパスに非常に近く、学生街の雰囲気があります。

 そもそも、大学に一番近い駅はつくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅です。柏の葉キャンパス駅からは大学までシャトルバス(東大の学生は無料)が出ており、時間帯を選べば自転車すら使わず通学することが可能だと思います。また、ららぽーと柏の葉を中心に人間の生活に必要な設備はだいたい揃っていて買い物にも困らないでしょう。したがってこの近辺に住めばいろいろと都合が良さそうなのですが、残念ながらこの駅の近辺は高級住宅街であり学生の経済力で住めるようなアパートなどがほとんどありません。柏の葉公園付近には少しくらいそういう物件があるとも聞きますが未調査です。なので、駅周辺というとやや語弊があるかもしれませんが花野井のあたりの安いアパートを探してみるとよいかもしれません。

 意外と穴場スポットなのがつくばエクスプレスの柏たなか駅だと思います。今まで紹介した駅の中で一番虚無感があるマジで何もない駅ですが、家賃の安さと柏の葉キャンパス駅付近(要するにららぽーと)へのアクセスの良さを併せ持つこれからのトレンドになっていく駅かもしれません。私は住みたくないですが。書いておいてアレだけどあんまりおすすめできないなここ……

 最後に、一応JR柏駅周辺を紹介しておきます。地図には載っていない地域なのですが、意外と住んでいる人がいるので紹介しておきます。家賃の相場は柏の葉キャンパス駅付近未満初石以上という感じで、駅の付近を離れれば意外と学生が住めそうなアパートもあります。この駅最大のメリットは人間の文化がある程度存在していることで、サブ都内くらいの生活水準を保ったうえで柏キャンパス暮らしをすることができるでしょう。問題は大学へのアクセスの悪さで、たいていの場合バス通学(混むうえによく遅れるらしい)をすることになります。キャンパスまで6~7kmなので気合があれば自転車通学も可能ですが、途中に長い坂がありキツいと思います。

柏キャンパスおよびその周辺

 次に、柏キャンパスにある各種設備や周辺のコンビニなどを紹介しておきます(2019年12月の情報)。

画像2

見にくい地図で恐縮ですが番号順に説明していきます。

 1番には新領域創成科学研究科の基盤棟と呼ばれる建物があります。物理工学科の卒論研究で配属される物工の研究室はすべてこの建物に位置しています(他の建物に実験室を持っている研究室はありますが)。また、詳しく調べてはいませんが、計数工学科の卒論生を受け入れている研究室もあると聞いています(少なくとも私の同期の一人が柏に来ていたのは確認していますが、今年や来年度以後がどうなっているかはわかりません)。基盤棟は7階建ての建物で、物工系の研究室の居室は5,6階に集中しています。生活に必要なものはほとんどありませんが、2階にシャワー室と洗濯機&乾燥機があり、1階に飲み物と軽食の自動販売機があります。建物の裏に自転車置き場があり、申請すれば使うことができます。各階にラウンジがあり、IH調理器と流し台が置いてあります。

 2,3番は食堂です。どちらも生協ではない業者がやっているよくわからない食堂で、あまり公にいうのは憚られますが、値段が高い割にそれほどおいしくありません。2番はカフェテリアと呼ばれている食堂で、独自の磁気カードor交通系ICカードでしか支払いができない初見殺しのシステムを導入しています。定食のサラダがびっくりするくらい水気が切られていないべちゃべちゃの状態のことが多く、一周回って面白くなることがあります。3番はプラザ憩いと呼ばれる食堂で、個人的な意見ではこちらの方がまだおいしいです。いろいろな食べ物を好きに選んでグラム売りするコーナーがあったり、なぜかアイスの自販機があったり、ドリンクバーがあったりします。ちなみにここ2年でドリンクバーを利用している人は一人も見たことがないです。

 4,5番は生協です。4番は主に食料品を扱っている生協で、これは本郷にあるものの規模縮小版のようなものと考えて大丈夫です。カフェが併設されていて、かなり本格的なコーヒーを買うこともできます。5番は「アカデミックショップ」と呼ばれている方の生協で、本やオフィス用品や簡単な工具などを取り扱っています。生協としての各種事務的手続きなどもこっちです。あまり悪く言いたくないのですが、本の品ぞろえは本郷や駒場の50分の1くらいのレベルです。欲しい本は注文して買うのがよいです。

 6番は保健センターです。特にいうこともないですが、柏の保健センターは精神科がパンクしていないのでわりとすぐ診察を受けることができます(どうしてそんなことを知っているかは内緒だ)。

 7番は三井住友銀行のATMです。コンビニを除くとこの近辺で唯一のATMです。最近三菱UFJ銀行の口座から引き下ろすときの手数料が無料になったのでいい感じですね。

 8番は図書館です。これもまた駒場や本郷の図書館と比べるべくもないですが、閲覧席がいつでもわりと空いているし書籍の品ぞろえも最悪というほどでもないし使いやすいです。全面ガラス張りで直射日光が入り放題なのが知の敗北という感じがしていい感じです。ちなみに、番号はふっていないのですが基盤棟の隣に物性研という(業界では非常に有名な)施設があり、そこの図書館も物理・化学・数学あたりの文献が非常に豊富なので柏キャンパスにお越しの際はぜひご覧ください(ここにしかない文献はけっこうあります)。

 9,10番は近辺に唯一あるコンビニです。まあ普通のコンビニです。基盤棟からだとセブンイレブンの方が若干近いです(基盤棟と物性研の間の通りをまっすぐ北上すると徒歩&自転車しか出られない出入り口があって、そこから行くと近いです)。

 11番は近所にある商業施設が少し集まった地帯です。江戸川台に住んでいる人はここにあるヨークマートというスーパーが非常に寄りやすくてよいと思います。青田や西原の近くにある方よりこっちのほうが若干生鮮食品が安い気がします(柏市と流山市の違いだろうか)。ヨークマートの隣に薬局(マツモトキヨシ)、100円ショップ(seria)、ホームセンター(ケーヨーデイツー)があります。ホームセンターは田舎特有のデカいやつなので普通に見ごたえがあります。また、付近にはパスタ屋(五右衛門)、回転寿司(くら寿司)、うどん屋(うどん市)、焼き肉(カルビ屋大福)などがありますが、いずれも一人で頻繁に行くようなところではない気もします(くら寿司とうどん市は行ったことがある)。

 以上11か所ほど確認してきましたが、紹介するものがなくなってしまったのでこのあたりにしておきます。自転車を漕ぐ覚悟があれば、柏IC付近に牛丼屋(すき家)、マクドナルドがあったり、江戸川台方向にサイゼリヤ、バーミヤンがあったりするので遠征の覚悟があればそれもよろしいでしょう。そのほかキャンパスについて聞きたいことがある人は私にTwitterで聞いてください。

最後に

 そろそろご察しのことと思いますが、残念ながら柏キャンパス周辺で生活するメリットは、本郷周辺よりはるかに家賃が安いこと以外にありません。家賃以外の物価は大して変わらないので、家賃差額ぶんリッチな暮らしをすることができると思います。近所に柏の葉公園という巨大な公園があったり、よくわからない池とか森があったり、なんだかんだよくわかんないけどいい感じに自然が豊かっぽいのも人によってはメリットかもしれません(そもそも柏キャンパス自体ヘビが出たりウサギが普通に生息していたりする未開の土地なので…………)。

 そして最後に一つだけクソみたいなおすすめポイントを紹介します。物工の卒論配属を受け入れている柏の研究室は、すべて大学院の新領域創成科学研究科の物質系専攻というところに所属しています。工学系研究科物理工学専攻ではありません。したがって、受ける院試が異なります。そしてその新領域物質系の院試というのが、あまり露骨なことは言いませんが、少なくとも物工より遥かに競争がゆるいです。だって私でも受かったのだから。物工の過酷な院試(去年あたりからそれほどでもないという噂も聞くけれど)を受けずに物性物理の研究をすることができる、それが柏キャンパスなのです。

 ここまで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。ここでもう一度書いておきますが、この記事は元々のAdvent Calendarの文化にはそぐわないアカデミックな雰囲気を全く含まないものです。そのような記事が掲載されていることに気分を害された方は遠慮なく私に連絡してください。即日この記事を取り下げて謝罪いたします。

5日目の記事はこちら↓
FPGAで32bit RISC-V CPUを作った話

 パタヘネはいいぞ

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