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【LoL】どちらのプレイヤーをBANすべきか

はじめに

 今回の内容はLoLの上達方法でもなければ、ぺこーらの最新情報でもない。これからサモナーズリフトで発生したノンフィクションのトロール事件を紹介するので、主人公のマサル主任の立場となり「どちらのプレイヤーをBANすべきか」を考えていただきたい。そして、私の回答と照らし合わせることで思考の楽しさや違いを知って欲しいというのが今回の意図だ。

 簡単に自己紹介をしておくが私、ウィリアムズ・ミドレナは日本鯖研究機構の第一責任者である。現在のランクはKRサーバー4,522LPの頂点である。

※これから登場する「利敵行為」と「トロール」はどちらも同じ意味で、試合にわざと負けようとする行為のことを指す。

サモナーズリフトトロール事件

 2024年の某日、日本サーバーのシルバー帯で事件は起こった。この事件の処罰を担うマサル主任は、ひとまず事件の内容をまとめた。

事件の内容
ジャングルがデッドした。ジャングルはミッドに対して「mid gap. お前が寄らなかったから死んだ」と発言をし、悪意のあるミアピンや生存中ピンをミッドに打ち続けた。ミッドはそれに苛立ち、利敵行為を行い試合に敗北した。

ミッドの利敵行為は相手のタワーにダイブして、復活した後もそれを繰り返すというものだった。

マサルのメモ書き

 マサル主任はこの2人の処遇を決めなければいけないが、「どちらも悪いから両方ともBANをする」などという、つまらない処罰をしないためにも部長からはBANのルールに従うように命じられている。

BANのルール
必ず1人のプレイヤーを指定して永久BANする。もう一方は無罪とする。

タシロ部長から命じられたBANのルール

 このルールの本当の意図は悪の順位を付けることだ。つまりは、今後の処罰も間違えることなく行える上に、悪を明確にすることでサモナーズリフト犯罪の抑制にもなるだろう。上記の事件内容だけでは心もとないため、マサル主任は当事者や第三者の意見を聞いた。

当事者:ジャングルの発言
「俺の発言は正しいものだ。ミッドが寄っていれば有利を取れていた。しかも俺は最後まで勝利を諦めなかった。」

当事者:ミッドの発言
「文句を言われたから腹が立った。僕が真剣にゲームを続けてたら勝利出来ていたが、腹が立った以上そんなことはどうでも良い。」

第三者:サポートの発言
「私はミッドを許しません。ミュートすれば済む話なのに、トロール行為はBANするべきです。ジャングルは最後まで真剣にプレイしていました。」

第三者:ボットの発言
「ジャングルが先に手を出したのが悪いんじゃね?俺だって文句言われたらトロールしたくなるし。」

第三者:トップの発言
「どっちも同じくらい悪いでしゅ。文句言うのもトロールするのもやめてね。」

 いくつかの証言を裏付けするために、リプレイの調査をすると以下の事実を得られた。

判明した事実
・ミッドが寄っていれば、ジャングルのデッドは防げて有利を取れていた。
・ジャングルは最後まで真剣にプレイしていた。
・ミッドは文句を言われる前は真剣にプレイしていた。
・ミッドが利敵行為を行わなければ試合に勝利できた。

 マサル主任の調査力は計り知れない。これらは間違いなく真実である。ジャングルとミッドのプレイヤーの調査を続けると、さらにもう2つの事実が判明した。

さらに判明した事実
・ジャングルは毎試合、文句を言っているが常に真剣にプレイをしている。
・ミッドは普段は真剣にプレイしているが、文句を言われたときだけ利敵行為を行う。

これで材料は揃った。マサル主任は係長に昇進するべくBANを実施した。

さて、あなたならどちらのプレイヤーをBANするか?


ウィリアムズ・ミドレナの回答

 第三者に与える影響は利敵行為をしたプレイヤーの方が大きいが、それを一旦は白紙にして「文句を言うプレイヤー」と「文句を言われたときだけ利敵行為をするプレイヤー」のどちらを永久BANするのかという問題だと考えた。片方をBANし続ければ、いずれはそのプレイヤーは居なくなる。故に、どちらのプレイヤーが居なくなれば、よりゲームが楽しくなるかに着目した。

①「文句を言われた時だけ利敵行為をするプレイヤー」が居なくなった場合      利敵行為は減少するが、「文句を言うプレイヤー」が残ることで文句を言い続けるだろう。プレイヤーは不快に思うかもしれないが、ある程度の我慢をしてプレイすることになる。これでは良い気持ちがしないゲームが発生してしまう。

②「文句を言うプレイヤー」が居なくなった場合
前者で言及したデメリットはなくなり、我慢してミュートすることは無くなるだろう。「文句を言われたときだけ利敵行為をするプレイヤー」は利敵行為を行わなくなるため、こちらの方が良い。

 よって、私ならジャングルをBANするだろう。もっと言えば、最初に悪意を出したものを徹底的にBANする意向だ。どこからが悪意になるのかは難しい定義になるが、ピンやチャット、プレイ内容に拘らず小さな悪意でも最初に手を出した者に処罰を与える。悪意という刺激が原因で利敵行為をしてしまったプレイヤーは無罪だ。
 もちろん懸念点はある。文句を言うプレイヤーを完全に排除しなければ、利敵行為が蔓延る最悪のゲーム展開になってしまうところや、排除するまでにLoLが続いているかどうかなどだ。しかし、私は遥か先の理想を追求したい。

マサルの回答

 マサル主任はかなりのプレッシャーがかかっていた。係長になれば役職手当が月に3万円も上がるため無理もないだろう。彼の頭はパンクし、結果的にコイントスで「文句を言われた時だけ利敵行為をするプレイヤー」をBANした。彼は何も考える事が出来ず、思考の楽しみを得られなかった。後に、彼は思考をしない者を処罰する思考警察によって捕まり、タシロ部長からは懲戒処分を言い渡された。

あとがき

 今回の事件であなたはどのような視点で、どちらをBANしたのだろうか?ジャングルのチャット内容に注目した人もいれば、ミッドの利敵行為の内容に注目した人もいるだろう。本当にこのプレイヤーをBANするのが最善か?と考え直した人もいるかもしれない。私の回答と比較をして少しは楽しんでいただけたら幸いである。

 何を正義か正しいかとすることで回答は変わってくるだろう。それらは人種、宗教、環境、性格などにより考え方が人によって異なるからだ。もしかすると、この事件のジャングルにとっては死んだ原因をミッドに伝えることが正義だったのかもしれない。だが、最初に敬意や尊敬を持って相手に接することができなければ悪意を持ったプレイヤーとされてしまうのだ。当然、悪意を向けられた者にとってはコミュニケーションしづらく心地が良いものではない。最も、サモナーズリフトでは相手に敬意と尊敬を持ってプレイヤーと接して欲しい。

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