DUNE/デューン砂の惑星におけるナツメヤシへの水やりについての苦言
まあ、なんだろ
よかったけど不満も多いというか…
リンチ版デューン(現在はアラン・スミシー)が好きで比較してみることになったし既にリンチ版デューンをみた人はそうなると思う
あとテレビシリーズ版もちらっとはみた
すいません、有名な原作小説は読んでません
ただそのせいで原作との違いが気にならなかった
更にいうとリンチ版の方も話を全く把握せずみていたことが、最近わかった
リンチ版だとバージニア・マドセンが冒頭で懇切丁寧に説明してくれる
にも関わらずメランジは意識を拡大するとか宇宙を折り畳んで飛行するといったくだりしか頭に入ってこなかった
あとはバージニア・マドセンの消えては現れる異様に美しい顔
つまり映画において重要なのはストーリーではなく印象的なシーンであり説得力をもった顔です
ストーリーがわからなくてもみれてしまう映画は強いのです
それで、ヴィルヌーブ版にはバージニア・マドセンに相当する人物は出てこない
更には皇帝も出てこない
メランジのODで肥大化したスペースギルドのナビゲーターも出てこない
ハルコンネン側のスティング(フェイド)に相当する人物も出てこない
とりあえず不満をぶちまけるとヴィルヌーブ版は役者がどうにも地味
ポール役の人が中性的を通り越して繊細な女の子のようにみえる
ベニスに死すのビョルン・アンドレセンというかちょっと耽美的
ヴィルヌーブがその容姿に惚れ込んでいることは強く伝わってきます
アイドル映画としてみてる人も多いようだし、それはそれでではあります
公爵とガーニーとダンカンが同じような顔の役者で区別がつきにくい
ティモシー・シャラメに入れ込みすぎて扱いが手薄になってしまったのだろうか?
宇宙船の脚の部分の造形がひどくありきたり
宇宙船自体の造形はいいんだけど脚という機能的な部分が現代寄りにも未来寄りにもなってないのが、中途半端でダサい
あとものすごい未来なのにシートベルトは現代のものをそのまま使ってるんだね
不思議だね
設定だと人間の精神力が進歩した世界で、機械テクノロジーはやや後退しているってことですよね?
だったらシートベルトは注連縄がよかったんじゃないか?
一応、東洋へのリスペクトはあるわけだから
トンボ型の飛行体(オーニソプター?)にもかなり違和感があった
あの複雑なメカをアナログコンピューターで制御できるの?
美術は統一感がなかった
砂漠の過酷さが表現されてない
ちっちゃい唐傘で何が防げるの?
貴重な尿は飲まないのか?
等々
パート2には皇帝と王女とスペースギルドのナビゲーターは出てくるのだろうか?
で、一番腹たったのは砂の惑星アラキスでナツメヤシに水をやるシーン
あんな無駄な水やりあるかよ
いまでも怒りが治まらない
アラキスっていうのは水が貴重なわけでしょ
鼻から出る水蒸気も冷やして飲んでるわけでしょ
なんだよ
あの水やりは
何が数人分の水を飲むだよ
そういう無駄なやり方してるからだろ
あれは地中の根をゲル状の保水材で包んでそこにチューブで水を送るってやり方でやらなきゃダメだろ
あるいはナツメヤシ全体を気密性の容器に入れて水分が中で循環するようにするとか
要するにドゥニさんは砂漠なめてんだよね
カナダ出身だから暑さってものを体感的に知らないのかもしれない
ただ実際に砂漠で撮ってるわけだよね
それともハルコンネン時代の愚劣さ、非合理性を水やりを通して表現しようとしたのだろうか
よかったのはシャーロット・ランプリング率いる魔女教団が珠のような宇宙船で飛来するシーンと頭をゆらゆらさせながら歩いているシーン
そこだけは映像的な驚異があってアッ、すげぇこれと思った
これで元はとれたと
あとはドクターユエがちょっとピエール瀧に似てたのもよかった
フレメンのリーダーが、アンソニー・クイン風味なのもよかった
ともあれ、これからDUNEをみる人は是非、水やりシーンに注目して欲しい