見出し画像

PCC-OSCE対策、何をすればいいか

PCC OSCE?
なんだそれ?

私の大学は直前までなんの説明もなく、先輩に聞いても記憶が曖昧で、事前情報が少なくて困りました。

つまり事前準備は大して必要ないし、記憶に残らないほど重要性の低いテストだということだとは思いましたが、心配にはなるので直前二日間くらいは練習をしました。

同じように一応不安だよという6年生に向けて、何をすると良いか、受験してどうだったかを書き残しておこうと思います。

PCC-OSCEとは何か

医学部6年生に課される実技試験。国家試験の一部になる予定でしたが、コロナの影響で見送られています。(2021年度現在)

課される課題には大学独自問題機構問題の2種類があります。

大学独自問題は、採血・縫合などの手技、患者説明、カルテ書きなど、各大学の好みで出題されます。先輩から過去問をもらいましょう。

機構問題は医療面接です。こちらについて詳しく触れて行きたいと思います。

医療面接の構成

医療面接は、
①問診
②身体診察
③監督の先生への報告
の3パートからなります。

時間配分は
①問診+②身体診察=12分(①②の時間配分は自由)
③監督の先生への報告=4分
計16分です。

開始9分経過、12分経過、終了1分前にアナウンスしてもらえます。


①問診 

内容
4年生のOSCEでやった問診と、やるべきことは変わりません。
主訴、「それについて詳しく教えてください」のあと、OPQRSTAAA、かきくけこさしすたべあ、などの暗記法を使って深掘りしていきます。小児であれば、分娩歴、生育歴、健診、ワクチンも聞けると参考になります。最後にまとめ、解釈モデル、言い忘れの確認を忘れないようにしましょう。

ポイント
練習で時間が余っていたので余裕こいてましたが、本番は時間ギリギリな人が多いです。(患者さんの話すスピードが遅かったり、身体診察をしっかりやって時間がかかったり。)なので一通り問診したらさっさと切り上げて診察に移りましょう。聞き忘れがあっても、身体診察中に質問できます。

診断に有用な所見を自分からは述べてくれない場合があります。主訴を聞いた時点でクリティカルな疾患を思い浮かべて、特異的な情報を掴み取る質問ができると機構側の用意した正解に辿り着けます。(例えば咳なら、結核を考えて数年単位で身近なひとに結核がなかったか聞くと実はいたと答えてくれました。)これができた人、できなかった人で鑑別が変わってしまうので試験後大騒ぎでしたが、みんな合格してたので型通りの問診だけで十分ではあります。できると嬉しいだけです。

対策
同級生と繰り返しロールプレイ。流れを染み込ませる。


②身体診察 

内容
問診内容から必要と思われる身体診察を行います。模擬患者は健康なので、異常所見があれば監督者が教えてくれます。

ポイント
何をするか考えなくてはいけないのが難しいと感じがちですが、深く考えず、最初に主訴で訴えられていた部位を診るといいと思います。(とりあえず上から診ていたら時間オーバーというパターンは避けたいです。)
機構からもらえる資料に、「主訴−鑑別疾患−するべき身体診察」の表が37枚くらいあります。これをなんとなーく覚えて、「この主訴が来たら、これは診察しておこう」と大体の目星をつけておくと楽です。

腹部、胸部は視診触診など一通りやればいいですが、神経は項目が多いので取捨選択しなければいけません。主訴によってどれを優先的にやるか考えておくといいでしょう。眼球は早期に症状が出やすく、バレー兆候では軽微な麻痺も捉えられます。どちらも座位でできるのでとりやすいです。

あと前後の手指消毒は忘れずに!

対策
主訴別にやりたい身体診察を挙げておく。
OSCEの動画で診察法を見返す。友達と試す。
小児の診察も忘れずに確認。


③監督の先生への報告

内容
これまでの内容をまとめて、準備ができたら先生に報告します。形式はカンファのプレゼンと同じく、「主訴、現病歴、患者背景、身体所見、鑑別疾患とその根拠」です。先輩からの引き継ぎには「最後に今後の方針も述べる」とありましたが、機構の作った動画ではやっていなかったので必須ではなさそうです。

ポイント
報告を開始する前に考える時間をとっていいので落ち着いて鑑別を考えましょう。鑑別は正解である必要は全くなく、論理的な根拠を言えることが大事です。

対策
主訴ごとの鑑別疾患を確認しておく。友達とのロールプレイで、緊張した中で頭を回して鑑別を思い浮かべられるようにする。


受験後の感想

一回場の空気に慣れるまでは緊張しますが、始まってしまえば後は型通りの問診診察をするだけなので、大したことはなかったです。

主訴腹痛の人に腹部診察できなかったと泣いている子、最後の報告が終わらなかった子など、試験後は一喜一憂の感想戦が繰り広げられましたが、結局落ちたのは1人だけで、その理由は不明です。

多分患者さんに人間として接すれば合格点なので恐れないで大丈夫な試験です。(機構問題に限りますが。他大の独自問題では半数が落とされたと聞きました)

対策は1日2日やれば大丈夫です。

最後に小声で付け足すとすれば、自分が受けた試験の内容は他大に流さないようにと念入りに注意されますが、つまりはそういうことですので情報共有は有用です。でも正解に辿り着くのが目的の試験ではないので、合否は全く左右しないです。

ただただ患者さんにやさしくしましょう。

ファイト。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?